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幸せの基盤づくり

基本的な考え方

 “「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンを実現するためには、従業員にとっての「わが家」である職場を世界一幸せな場所にすることが大切です。そして、そこで働く従業員一人ひとりも幸せであってほしい。その考えに基づき、家族の幸せ支援、健康づくり支援に加え、従業員一人ひとりが幸せを追求することができるよう、幸せを「見える化」する幸せ度調査を実施しています。

家族の幸せ支援

男性育児休業制度

 積水ハウスグループでは、3歳未満の子を持つ男性従業員を対象に、1ヵ月以上の育児休業取得を推奨する男性育児休業制度の運用を2018年9月に開始しました*1。性別を問わず、最初の1ヵ月は有給とすることで、従業員とその家族の経済的不安を解消。家庭の事情に合わせ、子どもが3歳になるまでに最大で4回に分割して取得することもできます。これにより、出産直後のサポートはもちろん、母親の仕事復帰時の慣らし保育期間に合わせて父親が育児休業を取得するなどさまざまな取得パターンが可能となっています。
 積水ハウスでは、男性育児休業制度の本格運用を開始した2019年2月から2026年1月までに、子が3歳の誕生日(取得期限)を迎えた男性従業員2,633人全員が1ヵ月以上の育児休業を取得しており、取得率100%を2019年度以降継続。2021年4月以降は、グループ会社でも100%の男性育休取得率を継続しています。また、男性育休に対する「育休取得者の配偶者満足度」は97.8%*2と高く、家族の幸せにつながる制度となっています。

*1 日本における育児休業制度では、原則として子が1歳に達するまでの1年間は休業が可能となっており、この間、育児休業給付金が支給されます。当社では、子が3歳に達するまで休業が可能で、最初の1ヵ月は有給としています。
*2 取得後アンケート パートナー回答より

男性育児休業取得率・平均取得日数

  集計範囲 単位 2023年度 2024年度 2025年度 目標
男性育児休業取得率 グループ(国内)*3 % 100 100 100 100
(2025年度)
平均取得日数 単体 32.32 33.21 33.64 -

*3 積水ハウスおよび国内主要グループ会社(鴻池組を除く)

制度の拡充

 2021年4月からは、より柔軟な取得が可能な「出生時育児休業」の運用を開始しました。取得後のアンケートでは、妻の意見として「必要な時に必要なだけ育休を取ってほしい」という要望が多くありました。また、母体にとって心身ともに負担が大きく、「産後うつ」発症のリスクも高い産後8週間に夫が寄り添うことが大切だと考え、寄り添いに対応しやすくなるよう、産後8週間は分割回数にかかわらず1日単位で自由に取得できるよう制度を拡充し、より柔軟な育児休業の取得を可能としています。

継続的な啓発

 男性育児休業の取得促進に向けて、イントラネットでは取得事例として本人・家族・上司のコメントを紹介し、男性育休に関する情報を取りまとめた「男性育休ガイドブック」も掲載しています。
 また、2018年からは「仕事と育児の両立いきいきフォーラム」の参加対象を、育児中の女性従業員とその上司に加え、育児中の男性従業員にも拡大しました。2022年からはこのフォーラムを全リーダー(一次評価者*4)を対象とした「ダイバーシティマネジメントフォーラム」へ刷新し、育児に限らず、介護や治療などとの両立も含め、誰もが活躍できる職場形成を目指しています。

*4 両立のための柔軟な働き方をまず相談する上司

家族ミーティングシート

 育児休業の取得の目的や取得時期、育児・家事の分担や、家族の在り方などについて、家族で十分なコミュニケーションが図れるよう「家族ミーティングシート」を独自に作成し、育休の質の向上を目指しています。当社グループ従業員だけでなくどなたでもご利用いただけるよう、当社公開HPにも掲載しています。

男性育休取得計画書

 育児休業取得者は、職場でのコミュニケーションツール「男性育休取得計画書」も作成し、家族ミーティングシートで決めた取得期間における業務の引継ぎを上司とともに調整します。また、パートナーの署名欄も設け、本人・上司・家族の3者が合意し、承認・期待している育休の証明としても活用しています。

社会との取り組み

 当社は2019年に、9月19日を「育休を考える日」として記念日制定し、毎年9月19日に、産官学で男性育児休業を考える「男性育休 フォーラム*5」を開催しています。併せて「男性育休白書」も毎年発行し、男性の育児休業が当たり前になる社会を目指しています。
 2022年からは、「日本でも男性育児休業を当たり前にする」ことを目指し「IKUKYU.PJT」を展開。2025年には174の企業・団体に賛同いただき、動画制作や男性育休についての情報発信を行いました。男性育児休業の促進は、女性活躍推進や少子化などの社会課題の解決にもつながると考えています。

*5 2024年以降は「育休白書発表会」

健康づくり支援

 従業員の幸せの源泉である自身や家族の健康の維持・増進を重要な経営課題と位置づけ、「幸せ健康経営」と名付けて戦略的に推進しています。健康経営は単なる福利厚生ではなく、経営課題の解決に直結する取り組みです。生産性の向上や労働損失の抑制を目的に、「プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの改善」を目指しています。

推進体制

 取締役会傘下のESG推進委員会での承認を得て、各部門が連携しながら施策を展開しています。

戦略

 当社では、「こころの改善」「からだの改善」「健康意識の向上」「職場環境の改善」を柱とした戦略マップを策定し、全社的に取り組みを推進しています。戦略マップについては、幸せ健康経営のHPをご参照ください。

こころの改善

 職場におけるメンタルヘルス不調の未然防止を目的に、ストレスチェックの集団分析の活用やラインケア研修を行っています。

からだの改善

 がん検診は、法定外の項目を含めた健診受診を推奨しています。早期に発見・早期治療することで、休職や離職などの労働損失が抑制できる他、何より従業員本人の健康で活力ある幸せを長期的に実現するために必要だと考えています。また、従業員の禁煙をサポートするために自己負担なしで受けられる卒煙プログラムを、セキスイ健康保険組合と共同で提供しています。

健康意欲の改善

 休職や離職を防止するために、定期健康診断結果で再検査、要精密検査、要治療判定を受けた社員への受診勧奨を行い、健康状態を把握しています。再検査、要精密検査判定の場合は原則自己負担なし、就業時間内の受診を可とすることで受診を促進しています。

現場環境の改善

 職場環境を整備することは従業員のストレス軽減やワークライフバランスの向上につながると考え、健康経営の観点からも休暇を取得しやすい環境づくりをサポートしています。

成果と進捗

 当社グループでは、以下の指標を継続的にモニタリングし、改善を図っています。

健康経営に関する指標

  集計範囲 単位 目標 2023年度 2024年度 2025年度
こころの改善 総合健康リスク*6

積水ハウス

(株)

% 80 87 87 86
からだの改善 がん検診受診率*7

積水ハウス

(株)

95 93.4 92.4 -*9
喫煙率 グループ
(国内)*8
% 20 22.8 23.2 -*9
健康意欲の改善 精密検査受診率/要治療受診率 100 87.0 94.0 -*9
職場環境の改善 年次有給休暇取得率

積水ハウス

(株)

85 73.1 80.3 83.4


*6 仕事の量的負荷とコントロール、上司と同僚の支援をストレス要因として判定した図を使用して評価
*7 胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん
*8 積水ハウスおよび国内連結子会社

*9 2026年11月集計予定

その他の取り組み

ウォーキングチャレンジ

 2019年2月より、歩くという日常動作を通じた健康づくりの促進と職場のコミュニケーション活性化を目的としたウォーキングイベントを実施しています。2025年度は22,221人が参加し、1日当たりの平均歩数は6,933歩となりました。
 その結果、歩行習慣のある従業員の割合は44%(2022年)から47.0%(2024年)へと増加。また、従業員の脂質リスクが18.7%(2022年)から17.7%(2024年)へ減少しました。

  集計範囲 単位 2023年度 2024年度 2025年度
ウォーキングチャレンジ 参加者数 グループ
(国内)
21,163 21,289 22,221
1日あたり平均歩数 6,652 6,957 6,933

女性の健康

 女性特有の健康課題がライフステージやキャリアに影響を及ぼすことを踏まえ、2024年9月に全女性従業員を対象としたアンケートを実施しました。オンライン相談窓口の利用など、気軽に相談できる体制を整えています。
 また、性別を問わず全従業員を対象に「女性特有のヘルスケアマネジメントe-ラーニング」を実施し、受講率は80.9%(23,382人)となっています。

幸せ度調査の継続

 従業員一人ひとりが幸せを追求するため、2020年11月より幸せ度調査を実施しています。幸福経営学の第一人者である武蔵野大学ウェルビーイング学部長・慶應義塾大学名誉教授の前野隆司氏の監修により、日本企業で初めて従業員と職場の幸せを多面的に計測し分析しています。幸せ度調査は、個人の幸せを測る「幸福度診断 Well-Being Circle」(72問)と、職場の幸せを測る「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」(42問)のアンケートで構成され、結果を「幸福度診断 Well-Being Circle」は11カテゴリー・34項目、「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」は2カテゴリー・14項目で定量的に計測しています。幸せを「見える化」することで、従業員一人ひとりの幸せを追求していくための具体策につなげています。

2025年度の幸せ度調査結果と特徴

 2020年度以降に実施した6回の調査結果において、当社グループの従業員の「幸福度診断 Well-Being Circle」総合値は一般平均より高く、調査開始より約1ポイント上昇しました。2025年度の調査によると、「Well-Being Circle」の11カテゴリーのうち、当社グループが一般平均に比べて特に高いカテゴリーは「Well-Being」と「ありがとう力」でした。「ありがとう力」の高さからは、企業理念の根本哲学である「人間愛」が浸透していると読み取れます。項目別では中長期的な幸せを意味する「人生満足尺度」が一般平均より極めて高く、5年連続の上昇となりました。このことからグローバルビジョンに向けた確実な歩みが見て取れます。

 2023年度からは当社グループの人財価値の一つである「従業員の自律」との関連も調査しています。
 「自身が自律して働いているか」という質問と幸せ度調査の全項目に相関関係があることが分かり、自律して働いていると思っている人ほど、幸福度が高いことも分かりました。今後も当社グループの取り組みと幸せ度調査を組み合わせることで、効果の確認とさらなる改善につなげていきます。

人生満足尺度×自律

幸せ度調査を活用した取り組み

幸せ度調査の見える化

 個人の幸せ度調査の結果と所属事業所の結果は本人にのみ、グループ全体の結果は全従業員に対しイントラネットで公開しています。従業員一人ひとりが自身や職場の幸せについて向き合い、経年比較や幸せ度調査の結果をもとにグループで対話をする取り組みにつなげています。

幸せ4因子

幸せ度についての対話

 2025年度は、「幸せの基礎知識」をe-ラーニングで学んだ後、幸せ度調査の結果をもとに、4~5人のスモールグループで自組織の強みと、その強みをさらに伸ばす取り組みについて対話しました。従業員が、幸せの4因子を身につけ主体的に取り組みを実行することで、さらに幸せな職場環境を自律的に作っていくことを目指しています。
 この対話について、国内グループ会社の約9,000名が振り返りアンケートに回答し、満足度は5段階評価で4.12(2024年度は3.97)と高評価でした。意識的に自分や職場の幸せを振り返り対話することで、コミュニケーションの深化や自己理解と成長につながったとの意見がありました。

幸せ創造賞

 ウェルビーイングに関する取り組みやアイデアを表彰するため、創発型表彰制度SHIPに投稿されたすべてのアイデアの中から「幸せ創造賞」として表彰する取り組みを、2025年度から開始しました。
第4回SHIPに投稿された多数のアイデアの中から、2件が選出されました。

  • 世界で一番幸せなわが家絵画コンテスト:子ども向けのウェルビーイングを軸としたアイデア
  • 目から入る『幸せ』情報で誰もが元気に!:事業所内に従業員やお客様の「幸せ」な瞬間の写真を集め掲示するアイデア