健康経営の方針
すべての従業員が心身ともに健康で、幸せに、生き生きと働ける会社を目指して
積水ハウスグループの「幸せ健康経営」
健康経営優良法人として認定
健康経営推進体制
戦略的に幸せ健康経営を推進するための組織体制を整備


健康課題、目標
健康・幸せづくり推進に向けた課題および取り組み方針
また、心の健康を保ち幸福度を高めるために、メンタルヘルスの改善に向けた取り組みを指標として定めるとともに、従業員と組織の幸福度を測定し、幸せづくりの推進に活用します。
そして、心身ともに健康で、幸せに、自分らしくいきいきと働く社員を増やし、イノベーションを創出することで、お客様、地域、社会の健康と幸せに貢献し、持続的な事業成長につなげていきます。
4つの目標
2.従業員/職場の幸せ度向上
3.生産性の向上(プレゼンティーイズムの改善)
4.メンタル不調の予防(長期欠勤・休職者の減少)
戦略マップ

戦略マップに基づくKPIの実績、目標値
実績 | 目標値 (目標年度) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度*b | ||||
健康投資施策の 取り組み状況 |
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% | 100% | ||
2次健診受診率 | 91.2% | 85.5% | 88.4% | 100% | |||
ストレスチェック受検率 | 92.4% | 92.7% | 91.9% | 90%以上 | |||
広く従業員に行う 施策の参加率 |
ウォーキングチャレンジ参加者数*a | ― | 17,532人 | 19,138人 | 21,000人(2022年度) | ||
健康セミナー | ― | ― | 401人 | 1,000人 | 19,000人(2022年度) | ||
禁煙支援プログラム*1参加者 | ― | ― | 415人 | ― | |||
禁煙支援プログラム卒煙率 | ― | ― | 72% | ― | |||
禁煙補助制度*2の延べ利用者数 | 11 | 24(13) | 27(3) | 300人(2022年度) | |||
(当該年度の利用者数) | |||||||
ヘルシーチャレンジ*3閲覧率 | ― | ― | 33% | 70%以上(2022年度) | |||
ハイリスク者の施策の参加率 | 特定保健指導該当率 | ― | 24.8% | 25.0% | 24%(2022年度) | ||
特定保健指導実施率 | ― | 24.4% | 集計中 | 50%超(2022年度) | |||
各施策の従業員の満足度 | ウォーキングチャレンジ効果*4*a | ― | 56.1% | ― | 65.3% | 年々向上させる | |
健康セミナー満足度*5*a | ― | ― | 94.0% | 年々向上させる | |||
ヘルシーチャレンジ平均満足度*6*a | ― | ― | 45.2% | 54.3% | 年々向上させる | ||
労働時間の状況 | 月平均総労働時間 | 171時間 | 174時間 | 177時間 | 175.5時間(2022年度) | ||
休暇取得の状況 | 年休取得率 | 42.2% | 56.1% | 46.5% | 60%(2022年度) | ||
従業員の 意識変容・行動変容 |
健康経営理解浸透度 | 健康経営の取り組み認知度*a | ― | ― | ― | 60.1% | 100% |
健康経営の取り組み共感度*a | ― | ― | ― | 93.4% | 90%以上 | ||
ヘルスリテラシ― | CCHL 平均得点*7*a | ― | ― | ― | 3.98点 | 年々向上させる | |
健康意識 | 健康づくりを心掛けている者*a | ― | 63.2% | ― | 70.1% | 年々増やす | |
健康診断の問診票の集計結果 | 適正体重者率*8 | 67.4% | 67.1% | 66.6% | 70%(2022年度) | ||
歩行習慣*9 | 34.4% | 38.4% | 39.5% | 45%(2022年度) | |||
運動習慣*10 | 18.7% | 20.0% | 21.0% | 25%(2022年度) | |||
朝食習慣*11 | 68.1% | 66.7% | 67.1% | 70%(2022年度) | |||
良好な睡眠*12 | 66.7% | 68.2% | 71.7% | 75%(2022年度) | |||
飲酒リスク*13 | 13.6% | 13.8% | 12.1% | 10%(2022年度) | |||
喫煙率 | 28.8% | 27.0% | 25.4% | 20%(2022年度) | |||
ハイリスク者の管理 (治療継続率、40歳以上) |
高血圧リスク者*14 | 13.4% | 15.5% | 15.7% | ― | ||
最終的な目標指標 | 生活習慣病リスク保有者率 | 肥満リスク*15 | 37.6% | 38.8% | 38.9% | 35%(2022年度) | |
血圧リスク*16 | 22.7% | 24.0% | 25.0% | 22%(2022年度) | |||
肝機能リスク*17 | 34.3% | 31.4% | 34.1% | 30%(2022年度) | |||
脂質リスク*18 | 22.6% | 21.5% | 21.9% | 20%(2022年度) | |||
血糖リスク*19 | ― | 46.6% | 46.2% | 45%(2022年度) | |||
メタボリックシンドローム該当者 (予備群含む) |
29.9% | 26.2% | 27.3% | 25%(2022年度) | |||
ストレスチェック集計結果 | 高ストレス者率 | ― | ― | 9.1% | ― | ||
離職の状況 | 平均勤続年数 | 16.3年 | 16.5年 | 16.7年 | ― | ||
休職の状況 | 傷病による欠勤者数 | 68人 | 81人 | 94人 | ― | ||
メンタルヘルス不調による欠勤者数 | 106人 | 102人 | 173人 | ― | |||
プレゼンティーイズム | 損失割合*20 | ― | ― | ― | 11.5% | ― | |
生産性*21 | ― | ― | ― | 106.0% | ― | ||
アブセンティーイズム | 1人当たり日数 | ― | 0.76日/人 | 0.96日/人 | ― | ||
ワークエンゲージメント*22*a | Well-being(人生満足度) | ― | ― | 63.43 | 11月実施予定 | 年々向上させる | |
Well-being(ポジティブ感情) | ― | ― | 53.61 | 11月実施予定 | 年々向上させる |
*b 2021年度は、集計済の実績値のみ掲載(速報値含む)。空欄は、今後集計予定。
*1 禁煙支援プログラム:2020年度のみ健保主催で実施(全額補助)
*2 禁煙補助制度:会社が行う禁煙費用補助(上限1万円)
*3 ヘルシーチャレンジ:AIによる健康診断結果活用サービス(2020年8月導入)
*4 ウォーキングチャレンジ満足度:会社が行う歩行促進イベントに参加し、「意識して歩くようになった」「以前より歩くようになった」の割合
*5 健康セミナー満足度:セミナーに参加した者のうち、「役に立った」の割合
*6 ヘルシーチャレンジ満足度:利用者のうち、「満足」「やや満足」の割合
*7 CCHL:一般向けヘルスリテラシ―尺度(5項目の平均得点。理論的範囲は1~5点)
*8 適正体重率:BMI(Body Mass Index)が18.5以上25.0kg/m²未満の者
*9 歩行習慣:日常生活において歩行又は同等の身体活動を1 日1 時間以上実施している者
*10 運動習慣:1 回30 分以上の軽く汗をかく運動を週2 日以上1 年以上実施している者
*11 朝食習慣:週に4回以上、朝食をとる者
*12 良好な睡眠:睡眠で休養が十分とれている者
*13 飲酒リスク:飲酒頻度が毎日で飲酒量が2合以上、または、飲酒頻度は時々で飲酒量が3合以上の者
*14 高血圧リスク者:血圧を下げる薬を使用している者(40歳以上の問診回答者)
*15 肥満リスク:BMI結果値が25kg/m²以上。または、男性は腹囲85cm以上、女性は腹囲90cm以上の者(全受診者)
*16 血圧リスク:最高血圧が130mmHg以上、または最低血圧が85mmHg以上(全受診者)
*17 肝機能リスク:AST31以上、またはALT31以上、またはγ-GT51以上(全受診者)
*18 脂質リスク:▲中性脂肪_その他が150以上、または▲HDL-コレステロール_その他が40未満(全受診者)
*19 血糖リスク:空腹時血糖が100以上、またはHbA1c_その他(NGSP値)が5.6以上(全受診者)
*20 プレゼンティーイズム損失割合:WHO-HPQを使用。自己評価/他者評価。
*21 生産性:WHO-HPQを使用。自己過去1~2年との比較。
*22 ワークエンゲージメント:当社独自の指標として、幸せ度調査を活用
個々の取り組み
健康・幸せづくり推進に向けた具体的な取り組み
この「幸せ健康 チャレンジ6」の推進に向け、従業員代表による「幸せ健康プロジェクト」を立ち上げました(2021年6月)。幸せ健康づくりに資する情報提供、システム開発の他、推進イベント等を定期的に実施し、個々人が設定したチャレンジ達成に向けたサポートを行います。
積水ハウス「幸せ健康 チャレンジ6」
~心身の健康づくりに向けた6つのチャレンジ~
- 適度な運動
- バランスの良い食事
- 適度な飲酒
- 質の良い睡眠
- 禁煙
- ココロしあわせ


◇ヘルスリテラシ―の向上
- 健診結果活用サービス(ヘルシーチャレンジ)
AIによる健診結果に基づく将来の健康リスク予想と改善提案、健康のヒントの見える化サービスを2020年8月利用開始。
累積閲覧率は51.5%(2021年8月時点)、利用者の満足度は54.3%(2021年8月時点)。
幸せ健康 チャレンジ6において、自身の健康課題を「知る」ための機能として活用予定。 - 健康セミナー
薬剤師による2020年6月に「食生活・睡眠・ストレス改善」をテーマにしたオンライン健康セミナーを全従業員向けに案内。参加者401人。 - eラーニング
2021年9月に「女性の健康」をテーマにしたeラーニングを全従業員向けに案内。受講者1,492人(2021/10/19時点)。 - 遺伝子検査サービス
自身がもつ病気のリスクや身体的な体質の遺伝的傾向を知って生活習慣の見直しに役立てるために、昨年に続き2021年2~3月に実施。
家族含めて209人が申込(昨年からの累積利用者は約1,500人)
◇楽しく主体的に健康・幸せづくりを実践
- 歩行促進イベント(ウォーキングチャレンジ)
2019年2月から半年区切りで実施。2021年1月時点で、19,138人が参加。 - 禁煙チャレンジ2020
健保主催の卒煙サポートとして、テレビ電話で医師による診療および禁煙補助薬の処方を受けることができるプログラムを実施。
415人が参加し 、297人が卒煙成功(卒煙率72%)。 - 幸せ度調査
2020年11月にグループ会社全従業員約27,000人を対象に実施。
◇感染症対策
- 新型コロナウイルス対策
お客様・お取引先様・関係者の皆様・従業員の安全を最優先とし、政府・自治体等行政機関の指導に基づき感染拡大の抑制のために必要な対応を実施。
勤務状況としては、在宅勤務やオフィス分散により人と人との接触機会を、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の対象となる都道府県については7~8割、それ以外の都道府県については5割削減するとともに、時差出勤を活用し、満員電車での通勤回避に努めている。
また、従業員本人の感染予防はもとより、家族や友人、お客様、取引先の皆様といった大切な方々の感染リスク低減に資するため、グループ会社全従業員に新型コロナウイルスのワクチン接種の検討を推奨。2021年6月と9月の2回東京と大阪にて職域ワクチン接種を実施。 - インフルエンザ予防接種の会社補助
インフルエンザ罹患による重症化の軽減、業務への影響等を考慮し、従業員全員にインフルエンザ予防接種を勧奨。積水ハウス全従業員を対象に、インフルエンザ予防接種を会社負担で実施。(2020年11月~2021年3月の接種率:91.9%、投資額:約4300万円)
◇がん、不妊治療との両立支援制度
生活習慣リスク保有者率の変化
そこで、2019年から自身の歩数を記録して意識を高め、従業員同士や部署間で楽しく競うことのできる歩行促進イベント「ウォーキングチャレンジ」を実施しています(19,138人参加/2021年1月時点)。
しかしながら、在宅勤務の増加などで、2020年度に8000歩以上歩いた人は1,257名と少なく、日常生活や在宅勤務の中でも歩行(運動)を取り入れる工夫が必要であると認識しています。
ウォーキング チャレンジ参加状況*1 | 生活習慣病 リスク | 男性(11,125人) | 女性(2,920人) | |||||
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平均8000歩以上 | 2020年リスク対象者 | 改善率*2 | 2020年リスク対象者 | 改善率*2 | ||||
2019年度 | 2020年度 | 人数 | 割合 | 人数 | 割合 | |||
○ | ○ | 肥満 | 285 | 44.9% | 15.2% | 2 | 6.3% | 0.0% |
血圧 | 347 | 36.6% | 22.9% | 3 | 6.5% | 33.3% | ||
肝機能 | 370 | 39.0% | 26.1% | 4 | 8.7% | 50.0% | ||
脂質 | 185 | 19.5% | 46.1% | 3 | 6.5% | 66.7% | ||
血糖 | 558 | 58.9% | 15.1% | 10 | 21.7% | 36.4% | ||
× | ○ | 肥満 | 76 | 43.9% | 15.5% | 4 | 28.6% | 20.0% |
血圧 | 67 | 27.3% | 42.9% | 5 | 27.8% | 0.0% | ||
肝機能 | 98 | 40.0% | 24.4% | 1 | 5.6% | 66.7% | ||
脂質 | 52 | 21.2% | 46.9% | 0 | 0.0% | 100.0% | ||
血糖 | 149 | 60.8% | 13.7% | 6 | 33.3% | 25.0% | ||
× | × | 肥満 | 1989 | 48.1% | 11.1% | 62 | 7.5% | 13.6% |
血圧 | 1857 | 30.0% | 32.0% | 72 | 6.4% | 36.4% | ||
肝機能 | 2787 | 45.0% | 17.6% | 69 | 6.1% | 47.2% | ||
脂質 | 1828 | 29.5% | 30.7% | 51 | 4.5% | 55.9% | ||
血糖 | 3248 | 52.4% | 17.8% | 241 | 21.4% | 41.5% | ||
不参加 | 不参加 | 肥満 | 643 | 45.9% | 11.1% | 81 | 8.3% | 11.3% |
血圧 | 557 | 29.7% | 33.4% | 105 | 8.8% | 32.1% | ||
肝機能 | 808 | 43.1% | 23.3% | 68 | 5.7% | 54.8% | ||
脂質 | 515 | 27.5% | 28.3% | 55 | 4.6% | 59.0% | ||
血糖 | 1094 | 58.3% | 14.5% | 315 | 26.4% | 28.1% |
*2 改善率(%)=2020年度改善者/2019年度リスク保有者
最終目標年度となる2022年度に向けて、今後は運動だけではなく食事などの取り組みも推進し、自らの健康課題に対するチャレンジを推進していきます。


生産性の評価として、プレゼンティーイズムの計測をスタート
初年度の結果としては、他者が同じ業務を行った場合と比べた自身の生産性(自己評価÷他者評価)は88.5%であり、プレゼンティーイズムによる損失は11.5%でした。また、過去1~2年の自分と比較した場合の現在の生産性は平均106%でした。過去の自分と比較して生産性が低下した割合よりも、ほぼ変わらない~生産性が向上した割合が多く、コロナ下で働き方が大きく変化した1年ではありましたが、効率的な働き方が会社制度の活用、事業所、各自の工夫で、実施できていると考えています。今後も継続して測定し、さらなる向上を図っていきます。

メンタルヘルス不調による長期欠勤・休職者割合の推移
2020年は、従来から各事業所で策定していた「心の健康づくり計画」を本社に提出し、PDCAをより確実に回す業務フローを構築しました。早期発見による休業長期化防止、労災認定基準の改定を踏まえた長時間労働対策、セルフケア促進によるメンタル疾患の軽減などに取り組み、メンタルヘルス不調による長期欠勤・休職者の割合は2%以下で推移しています。しかしながら、2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方が大きく変化する中で、長期欠勤・休職者の割合は1.2%と微増しました(速報値)。特に、20~30代の若年層や、営業職での長期欠勤者、日数が増加しています。これらの要因としては、周囲が体調悪化に気づきにくく適切なケアをしにくい、相談しにくい等の影響があると考えられ、特にこれらの層に対するケアが必要と認識しています。

幸せ度調査の実施
従業員の「幸福度」とは、働きがいや自己成長など主観的で、仕事とプライベートを含む人生全体の指標です。米国の心理学者による研究によれば、幸福度が高い従業員はそうでない者より創造性が3倍高く、生産性は31%高いといいます。従業員が幸せに働くことで、高いパフォーマンスを発揮し、コミュニケーションが活性化してイノベーションが生まれやすくなります。
『「わが家」を世界一幸せな場所にする』というビジョンの実現には、まずは従業員の幸せを追求することが大切。そこでグループ全従業員の約27,000名を対象として、2020年11月、「幸せ度調査」を実施しました。自分と職場の幸せを「見える化」することで、従業員一人ひとりの幸せを追求していくための具体策につなげます。
調査結果については、個人と事業所にフィードバックした上で、幸せワークショップを開催。各事業所と個人の幸せ度向上アクションを考えて実行することで、ワークエンゲージメントの向上を図ります。

幸福度向上の取り組みとして、パイロット事業所における幸せ度調査ワークショップを開催
<内容>
1回目:自分の幸せ、仲間の幸せを少人数のグループで話し合い、幸せのために自身が実行すること発表
2回目:新たな前回の振り返り、幸せエピソードのシェアについてディスカッション
<結果>
2回目のワークショップ終了後、改めて幸せ度調査を実施したところ、全ての項目で「幸せ度」が上昇しました。
参加者からは、改めて「会話」と「感謝」が必要だと感じた。この幸せ実現の取組みにより、感謝の言葉『ありがとう』が飛び交い、社員一人一人が「幸せ」を実感し、お客様にも「幸せ」を広めていきたい等の感想が聞かれました。
