[ English ]
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示
TNFDにおける6つの一般要件
1.マテリアリティの適用
積水ハウスグループは、「持続可能な社会の実現」をマテリアリティ*1の一つとして掲げており、自然関連の対応も重要視しています。TNFD開示・LEAPアプローチによる分析においては、自然へのインパクト・依存を含むダブルマテリアリティの考え方を採用しています。
*1 マテリアリティ
2.開示のスコープ
当社グループの事業ポートフォリオにおける全事業の直接操業のインパクト・依存評価を行い、リスク・機会の分析を実施しました。また、当社における事業規模と財務的な影響の大きさを勘案し、住宅事業においては上流のインパクト・依存評価、リスク・機会の分析も行いました。さらに、上流のバリューチェーンのうち自然へのインパクト・依存の特に大きな原材料調達の木材についてインパクト・依存の詳細な分析を行っています。
3.自然関連課題がある地域
バリューチェーン上流の原材料調達において、特に自然へのインパクト・依存の度合いが大きい木材調達について優先度が高い地域を特定しました。他の原材料調達や直接操業における優先地域についても順次分析を深め、影響評価も行う予定です。
4.他のサステナビリティ関連開示との統合
本開示はTNFD提言に基づく開示であり、気候変動、資源循環、水リスク等のさまざまな環境課題との整合性、相乗効果、トレードオフを検証しながら分析を進めています。今後、こうした他のサステナビリティ関連情報との開示情報の統合も検討します。
5.検討される対象期間
当開示内容における時間軸は、短期:2025年から3年間、中期:2030年まで、長期:2050年までを想定しています。
6.組織の自然関連課題の特定と評価における先住民族、地域社会と影響を受けるステークホルダーとのエンゲージメント
当社グループでは、マテリアリティである「持続可能な社会の実現」の一つの要素として「地域社会との共生」を重視しています。地域社会のニーズや課題を正確に把握し、地域の関係者と信頼関係を築くことで、事業や活動計画の適切な調整や地域社会との良好なパートナーシップを形成しています。また、地域社会の課題に対処するためのリスク管理を行い、地域環境への影響に配慮した取り組みを行うことで持続可能な事業活動の展開を実現しています。
ガバナンス
積水ハウスグループでは、ESG経営に関わるあらゆる取り組みが社会の常識や期待と合致しているかをチェックしながら、その活動方針を定め推進する「ESG推進委員会」を取締役会諮問機関として設置し、3ヵ月に1回開催しています。自然関連の対応は、気候変動と同様に本委員会の重要議題の一つとして位置づけており、活動方針の妥当性や進捗状況の評価を行うとともに、重要事案については取締役会に報告しています。また、積水ハウスグループ人権方針では、国際人権章典、労働における基本的原則および権利に関するILO(国際労働機関)宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など国際規範を尊重し、国連グローバル・コンパクトの10原則を支持しています。さらにCSR調達ガイドライン、木材調達ガイドラインにおいて、人権侵害の防止に対する方針や基準を定めています。それらの方針や基準の順守により、当社グループによる事業活動や調達、生物多様性・自然資本対応による人権侵害が発生しないよう配慮しています。特に、木材調達ガイドラインでは、調達地の先住民を含むステークホルダーのFPIC*2を尊重することを規定するとともに、サプライチェーン上でのあらゆる紛争を認めない木材の調達方針なども定めて実行しています。
*2 FPIC(Free, Prior Informed Consent)自由意思による、事前の十分な情報に基づく同意。
図1 当社グループ事業のスコープ整理
戦略
積水ハウスグループは、気候変動同様、自然資本や生物多様性保全においても、人と自然の共生社会への歩みを着実に進めるために、今後起こり得るさまざまな事態を想定し、戦略の妥当性や課題の把握に努めています。
その中で自然関連リスク・機会およびインパクト・依存評価を、TNFDのLEAPアプローチに基づき実施しています(図2)。当社の主要事業である住宅事業における自然関連のインパクト・依存の分析と診断を行い(1-1)、当社の取り組みを整理したうえで、シナリオ分析によりリスクと機会への対応の優先度を検討しました(3-1)。さらに、住宅事業に関する4つの工程(原料調達、製造加工、建設、解体)の中で自然へのインパクト及び依存度の高い原料調達工程における木材調達について、株式会社シンク・ネイチャーの協力のもと、同社の持つ生物多様性ビッグデータを用いて、高度化した分析を行い、当社にとってより重要な自然との接点の特定とインパクトと依存の把握を行ったうえで(1-2、2-1、2-2)、リスクの定性的な財務影響評価を行いました(3-2)。本レポートでは、インパクト・依存の分析と診断は全事業の直接操業を対象とし(1-3)、全事業におけるリスク・機会の特定と定量的な財務影響評価を行いました(3-3、3-4)。2025年度には、3-3で洗い出したリスク・機会への対応について、議論・整理しました(3-5)。
図2 TNFD LEAPアプローチ実施状況
※緑色が2025年に拡大した範囲
1-1 住宅事業における自然へのインパクト・依存の分析と診断(Locate・Evaluate)
住宅事業(戸建住宅・賃貸住宅)について、調達データ*3をもとにENCORE*4等を使用して潜在的なインパクト・依存の分析を実施し、ヒートマップの形で表現しました(図3)。具体的には、住宅事業における工程を、原料調達、製造加工、建設、解体の4フェーズに分け、各工程における陸域・淡水域・海域への土地改変や大気・水域・土壌・廃棄物の汚染などの自然への影響、水供給・自然資源・土壌調整・洪水緩和・気候調整などの生態系サービスへの依存関係について状況を分析しました。その結果、中でも原料調達工程において、多くの生態系サービスに依存している可能性があること、また、木材の伐採や鉱物資源の採掘における陸域・淡水域・海域の土地改変や、大気・水域・土壌・廃棄物の汚染などの影響を及ぼしている可能性があることを確認しました。
*3 木材は、2次サプライヤー以降までを対象とした調達量データ、木材以外の原料については調達量、調達金額データをもとに一般統計データより主要原産国を推定しています。
*4 ENCOREとは、TNFDが紹介している分析ツールの一つで、環境変化が経済に与える影響を整理および可視化することで、一般的なビジネスプロセスにおける自然へのインパクトと依存関係の把握に活用できるツール
図3 住宅事業における自然資本への潜在的なインパクト・依存評価
※ ENCOREなどのツールによる分析結果をもとに作成。色が濃いほど潜在的なインパクトおよび依存度が高いことを示す。なお、原料調達においては、複数の原料や調達プロセスが関与していることから、自然へのインパクトおよび依存度がより高く評価された項目を採用し、評価が過小にならないよう配慮した。
ENCORE Partners (Global Canopy, UNEP FI, and UNEP-WCMC)(2021). ENCORE: Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure. Cambridge, UK: the ENCORE Partners. Available at: https://encorenature.org DOI: https://doi.org/10.34892/dz3x-y059.
1-2 木材調達における生物多様性の観点でセンシティブな場所の発見(Locate)
積水ハウスの2022年度における木材調達量の約90%を占める上位11か国を対象に、天然林については「生物多様性の重要性(以下、「重要性」)」と「生物多様性の完全性(以下、「完全性」)」を(図4・図5)、人工林については「重要性」を評価しました(図6)。11か国の評価結果の分布を図7・8に示します。これにより、天然林についてはインドネシア・マレーシア、人工林についてはインドネシア・マレーシア・日本・ベトナムが11か国の中でも特に保全優先度が高いエリアであり、優先的に影響の把握が必要であることが分かりました。
調達量上位11か国における生物多様性の重要性と生物多様性の完全性分析結果
図4 生物多様性の重要性 - 天然林
図5 生物多様性の完全性 - 天然林
図6 生物多様性の重要性 - 人工林
天然林の場合には「重要性」が高い(図の赤色の部分)とともに、「完全性」が高い(図の濃い藍色の部分)場所を、人工林の場合には「重要性」が高い(図の赤色の部分)場所を、保全優先度が高い場所として判断しています。いずれのマップも、当社の調達国11か国を対象に色付け。
※生物多様性の「重要性」のスコアは、世界の陸地で最も重要性が高い自然環境を「1.0」、完全に重要性が失われた自然環境を「0.0」とし、各地点の重要性の状態を0.0~1.0で相対的に表したものです。
※生物多様性の「完全性」のスコアは、完全に原生な状態の自然環境を「1.0」、完全に破壊された自然環境を「0.0」とし、各地点の完全性の状態を0.0~1.0で相対的に表したものです。
図7 11か国の「重要性」と「完全性」の評価結果 - 天然林
図8 11か国の「重要性」の評価結果 – 人工林
1-3 全事業における自然へのインパクト・依存の分析と診断(Locate・Evaluate)
積水ハウスグループの全事業の直接操業における事業を4つの分類に分け、ENCOREを用いて陸域などの土地改変や汚染などの自然へのインパクト、降雨調整などの生態系サービスへの依存関係について分析を行いました(図9)。その結果、直接操業では多くの事業が水循環や土壌に関するインパクト・依存項目や生態系サービスに関連していることが分かりました。
図9 全事業における自然資本への潜在的なインパクト・依存評価(直接操業)
※ ENCOREによる分析結果をもとに作成。オレンジ色が濃いほど潜在的なインパクト・依存度が高いことを示す。
ENCORE Partners (Global Canopy, UNEP FI, and UNEP-WCMC)(2024). ENCORE: Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure. Cambridge, UK: the ENCORE Partners. Available at: https://encorenature.org. DOI: https://doi.org/10.34892/dz3x-y059.
2-1 木材調達における自然へのインパクト診断(Evaluate)
ENCOREにて林業に関連すると評価されている「陸域生態系利用*5」「GHG排出」「水質汚染」「土壌汚染」の4つの影響要因の大きさと影響度分布を、木材調達量上位11か国について分析しました。その結果、「陸域生態系利用」が非常に大きな影響要因として特定され、前段で生物多様性の観点でセンシティブな場所と特定したインドネシア・マレーシア・日本・ベトナムのすべてにおいて影響度が大きいことが分かりました。特に、「マレーシア全域の人工林」・「インドネシアのカリマンタン島の天然林」・「インドネシアのジャワ島中央部の人工林」・「日本の関東以南の本州太平洋側や中国・四国地方の人工林」などが相対的に影響が大きく、これら地域での木材生産が陸域生態系への脅威の一因となっている可能性があることを認識しました。
当社では、木材調達方針に掲げるゼロ・デフォレステーション達成のための取り組みの一つとしてオンサイトデュー・ディリジェンス(以下、DD)を実施しています。2025年度は、木材調達による陸域生態系へのインパクトも大きく、生物多様性の重要性も高いとされたベトナムの人工林と同じく重要性の高いマレーシアに近いタイ南部の人工林のオンサイトDDを行いました。その結果、生産地において適切な管理がされており、天然林における森林減少に加担しているものではないことが確認できました。今後も引き続き定期的な調査を行い持続可能な森林経営が行われていることを確認していくとともに、他のインパクトが大きい地域についても調査を行うことを検討しています。
*5 農業や林業、都市開発などの目的で陸域生態系を土地改変することを指します。
「陸域生態系利用」の大きさは、「陸域生態系への脅威度合い」の地理的データと調達量の分布を掛け合わせることで算出しました。「陸域生態系への脅威度合い」は、陸域利用・開発により脅威を受けている希少種の集中度をスコア化して測りました。ただし、陸域利用・開発には木材生産以外の事由も含まれるため、「陸域生態系への脅威度合い」が大きい地域において、脅威の原因が木材生産以外にも存在する可能性があることに注意する必要があります。
図10 陸域生態系への影響の分析例(インドネシアの人工林エリア)
図10)インドネシアでは、ジャワ島中央部の人工林が当社の主な調達地域です。調達地の陸域生態系へのインパクトは、インドネシア内の他のエリアと比べると相対的に低くなっています。しかし、インドネシアは生物多様性の重要性が高く、国全体で陸域生態系へのインパクトも大きいため、調達地域の選定や調達地における持続可能な施業が肝要であることが分かりました。
※ 陸域生態系への脅威のスコアは、全世界で最も脅威が大きい地域の脅威の状態を「100」、最も脅威が小さい地域の脅威の状態を「1」とし、各地点の脅威の状態を1~100で相対的に表したものです。
2-2 木材調達における自然への依存診断(Evaluate)
生態系サービスが乏しく、自然への依存関係に脆弱性がある地域を把握するために、ENCOREにて林業が依存するとされている生態系サービスについて、それぞれを調達量上位11か国ごとにスコアリングするとともに、各国内における生態系サービスの状態も分析しました。その結果、木材調達活動自体が依存する「地盤安定化と浸食抑制機能」については日本の中国・四国地方、「害虫抑制機能」についてはスウェーデンの中部・南部や米国の天然林全体と北部・西部の人工林、「洪水防止機能」についてはオーストリア北部などで乏しいことを把握しました。
図11 「害虫抑制機能」の分析例(スウェーデンの人工林エリア)
図11)スウェーデンでは、中部が当社の主な調達地域です。スウェーデンは特に南部を中心に害虫抑制機能が低く、実際に過去には南部を中心に害虫による森林への深刻な被害が起きています。ただし、気候変動などの要因で、今後は南部にとどまらず中部をはじめとした全土で、害虫被害が生じる可能性も十分に考えられます。
※ 「害虫抑制機能」のスコアは、全世界で害虫侵入度合いが最も小さく害虫抑制機能が最大の地域の状態を「100」、害虫侵入度合いが最も大きく害虫抑制機能が最小の地域の状態を「1」とし、各地点の害虫抑制機能を1~100で相対的に表したものです。
3-3 全事業におけるリスク・機会の特定と評価(Assess)
1-3で積水ハウスグループの直接操業において自然へのインパクト・依存の度合いが大きかった項目と、1-1で自然へのインパクト・依存の度合いが大きいとされた原料調達工程に関連する可能性のあるリスク・機会事項の一覧を整理しました。その後、その一覧の中から当社グループにとって特に重要度の高いものを洗い出し、具体的なリスク・機会を特定しました。この主要なリスク・機会を導き出すプロセスとして、当社グループ内の各事業範囲に関連する23部署の担当者が参加する横断的なワーキンググループを設け、計16回のワークショップを開催し、自然関連の将来的なリスク・機会とそのレジリエンスについて議論できる場を構築しました。
図12 TNFDが推奨する2つの不確実性から構成される4象限のシナリオ
※TNFD v1.0 “Guidance on scenario analysis”をもとに作成。
ワークショップを開催するにあたり、TNFDが推奨する2つの不確実性から構成される4象限のシナリオ*6(図12)のうち、シナリオ①を「持続可能なシステムが回る世界」、シナリオ③を「破滅へ進む世界」として、生物多様性の状態と気候変動という自然の状態に関する観点(横軸)と、技術・社会・規制/政治という世界動向に関する観点(縦軸)で、短期・中期・長期の時間軸を設定して探索的にシナリオを構築しました。ワークショップでは、それぞれのシナリオにおける当社グループの直面しうるリスク・機会を議論しました。
*6 シナリオ構築にあたり、WWFのLiving Planet Report 2022とIPCCのSixth Assessment Report(2021)等を参考に2040年時点の自然の状態を固定条件として設定をしました。まず、シナリオ①では横軸の自然状態について、生態系は徐々に回復傾向にあり、気候変動でも1.5℃シナリオが達成されることで環境が改善に向かう世界を想定しました。
縦軸である市場と非市場原理は一致する方向、すなわち社会や法規制、経済が、自然にとってポジティブな方向へ移行する世界を想定しています。一方で、シナリオ③では生態系は劣化し、気候変動による気温上昇が進む世界を想定しており、縦軸においても市場と非市場原理は不一致の方向、すなわち社会や法規制、経済が自然にとってネガティブな方向もしくは現状と変わらないという世界を想定しています。
3-4 リスク・機会の財務影響評価(Assess)
シナリオ分析により特定した、主要なリスク・機会とその潜在的な財務影響について、短期・中期・長期の時間軸を設定したうえで算定しました。今後は、社内での議論をさらに深め、それぞれのリスク・機会が関連する自然へのインパクト・依存への詳細情報の把握や優先地域の精緻化とそのアプローチを検討したうえで、対応がさらに必要な事項について行動方針を検討していくとともに、時間軸ごとの前提条件や不確実性を考慮しながら、財務影響についてもより精査していきます。
なお、財務影響については以下のとおり定義します。
【財務影響】大:300億円以上、中:100億円以上、小:100億円未満
表1 当社グループにおける自然関連のリスクと財務への潜在的な影響、および対応
| 【物理的リスク・急性】洪水/暴風雨/地滑り/土壌浸食からの防護 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 開発行為により自然が劣化した結果、地滑り・嵐の被害・洪水が発生し、開発行為が災害と関連づけられ、賠償責任が発生する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 長期 | ||
| 対応 | 法規制に則り、計画・設計・施工の各段階で自然環境や災害リスクを考慮することはもちろん、対象地および周辺地域の自然環境や地形特性を事前に調査している。調査の結果、自然環境に影響を及ぼす可能性がある場所や災害リスクが高い場所であると判明した場合には、開発を慎重に検討し、必要に応じて土地取得を回避することで、開発行為に起因する自然災害の発生を未然に防止している。 | ||
| 【物理的リスク・急性/慢性】地表面の舗装に伴う、気温の上昇や洪水リスクの増加 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 地表面の大規模な舗装化に伴い、都市型洪水や河川氾濫などの新国土が高まり、水資源の利用が制限されることにより、建設工程や資材運搬等、様々な事業の遅延・停止が想定される。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 小 | 長期 | ||
| 対応 | 水災害に伴い、特定の生産拠点やサプライヤーが水資源利用制限によって、中長期的な操業停止を余儀なくされた場合に備え、当社では事業継続計画(BCP)に基づき、生産に必要な資源(原材料・人員・設備)を他の生産拠点に振り家できる体制を構築している。 | ||
| 【物理的リスク・慢性】建設資材の原材料調達 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 生態系の衰退に伴い、絶滅危惧種の生息地に関連する原材料や環境負荷の大きなサプライチェーン製品の調達が困難となり、複合的に住宅の供給能力に影響を及ぼす。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 長期 | ||
| 対応 | 木材については、当社が独自に制定した「木材調達ガイドライン」の指針に基づき、環境に配慮し、社会的に公正な「フェアウッド」の調達を推進している。また、セメント・鉄・アルミニウムなど、当社にとって重要な原材料については、木材と同様に、環境に配慮した調達体制構築に向けた情報収集を開始している。 | ||
| 【物理的リスク・慢性】建設資材の原材料調達(砂利) | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 砂利と砂を取りすぎることにより、コンクリート等の製造に必要な砂利と砂の供給量が減少し、建設時に必要な量のコンクリートを調達することが困難となる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 天然資源である砂利や砂の使用量を減らすために、環境負荷低減に効果的な代替原材料の利用を検討開始している。 | ||
| 【物理的リスク・慢性】建設資材の原材料調達(木材) | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 森林火災の発生により、木材の安定調達へ影響を及ぼし、材料の調達価格が高騰する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 当社では、原材料供給停止リスクに対応するため、原材料ごとに複数の調達ルートの確保に努めている。これにより、森林火災の発生時においても、原材料供給の完全停止を未然に防ぎ、事業継続および財務への影響を抑制している。 | ||
| 【物理的リスク・慢性】水供給への依存 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 気候変動に起因し、高潮による地下水汚染(塩水侵入)や豪雨による土砂崩れが発生リスクが高まり、水資源の利用が制限されることにより、生産拠点における水資源の利用停止リスクが高まる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 中 | 中期 | ||
| 対応 | 当社では「WRI Aqueductツール」を用いて、当社の生産拠点のうち、水ストレスレベルが比較的高いと評価された静岡工場において、水資源への依存度を低減するため、工場内の排水処理場における工業用水の使用量を削減する目標を設定している。この目標達成に向け、場内循環水や雨水の再利用を積極的に推進し、水資源の効率的利用を図っている。 | ||
| 【移行リスク・慢性】土地の開墾/生息地の分断・劣化 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 開発を計画していた地域の規制が強化されたり、緑地や景観の重要性が高まることにより計画変更を与儀なくされる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 短期 | ||
| 対応 | 当社の分譲地においては、「まちなみガイドライン」を策定し、緑の配置や樹種選定に関する基準を設けることで、緑地の量と質を高め、街全体で調和の取れた景観の創出を行なっている。 | ||
| 【移行リスク・政策】漏出や廃棄物の蓄積による汚染された土壌および水 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 汚染対策と廃棄物処理に必要な基準や規制が追加されることによる、廃棄物や解体・土地購入時の土壌汚染等のリスク対策が迫られる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 中 | 長期 | ||
| 対応 | 当社では、各種リスクの発生可能性および全社への影響度をリスク管理委員会で評価し、その結果に基づきリスクマップを作成している。重要度が高いと位置付けている「産業廃棄物処理不具合」については、事例情報の共有を通じて社員の意識向上を図り、発生リスクの抑制に努めている。 | ||
| 【移行リスク・政策】利用可能な土地 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 都市部において、絶滅危惧種の生息地や、価値の高い生態系を保護するために都市計画の規制が強化される。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 中 | 中期 | ||
| 対応 | 当社では「5本の樹」計画を通じて、その地域に生息する鳥や蝶が住宅の庭を利用できるような環境づくりを推進することで、都市部における生態系ネットワークの形成に寄与している。更には、生物多様性ネットゲインや生物多様性クレジットに関する海外の先進事例の情報収集、環境省が開催する「生物多様性の価値評価に関する検討会」の動向の注視等を行なっている。 | ||
| 【移行リスク・政策/市場】野生生物への騒音被害 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 自然への影響を抑えるための関心が高まり、生物多様性に悪影響を与える可能性がある騒音モニタリングと管理のコストが増加する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 小 | 中期 | ||
| 対応 | 当社グループの建設工事現場では、国土交通省が認定する「低騒音型建設機械」を積極的に採用し、作業時の騒音を低減することで、周辺に生息する野生生物への影響を抑制している。 | ||
| 【移行リスク・市場】建設資材生産 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 天然林や高い保護価値のある森林から伐採される木材について、サプライヤーの上流の自然関連リスクに関する報告を求める投資家からの要求が増加する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 小 | 中期 | ||
| 対応 | 上述した「木材調達ガイドライン」の調達指針の1つに「高い保護価値(HCV)の毀損を伴わない森林から産出された木材」が含まれている。サプライヤーに対し、同ガイドラインへの理解と協力を求めながら、保護価値の高い森林からの木材調達を抑制している。 | ||
| 【移行リスク・評判】漏出や廃棄物の蓄積による汚染された土壌および水 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 生態系保全への関心が高まり、環境関連の不誠実な対応が不信感となり、会社へのレピュテーションリスクにより、プロジェクト中止や売上縮小、株価下落が起こる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 環境関連の不誠実な対応が発生しないように、日頃から様々な取り組みをしているが、万が一、環境関連の緊急事態が発生した場合には、迅速かつ適切な対応ができるよう、リスク管理委員会において、関係部署を対象に定期的なクライシス対応訓練を実施している。これにより、初動対応の精度を高め、レピュテーションリスクの拡大の防止を図っている。 | ||
表2 当社グループにおける自然関連の機会と財務への潜在的な影響、および対応
| 【サステナビリティパフォーマンスに関わる機会(資源利用)】General | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 建設資材の再利用等の取り組みを通じて、サーキュラーエコノミー戦略を実施する先進企業としての認知が高まり、顧客や市場からの評価が高まる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 短期 | ||
| 対応 | 当社は2024年より、サーキュラーエコノミーへの移行を目指し「循環する家(House to House)」プロジェクトを開始した。本プロジェクトでは、設計段階からリサイクル・リユース・リニューアブルを見据えた住宅設計、資源循環センターでの再資源化能力向上、サプライヤーや大学とのネットワーク構築を通じて、2050年には再生可能な素材・部材だけで建築した住宅商品の提供を目指している。 | ||
| 【サステナビリティパフォーマンスに関わる機会(資源利用)】General | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 早期から地域コミュニティ、行政やステークホルダーに対する開発や建築のデザインとプロジェクトの説明等のエンゲージメントを実施することにより、トラブルを回避し、円滑な事業推進につながる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 各地域の条例で定める規模以上の開発工事を行う際には、基本計画の策定完了後、近隣住民を対象とした説明会を実施することにより、円滑な事業推進を図っている。 | ||
| 【サステナビリティパフォーマンスに関わる機会(資源利用)】General | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 文化的価値を守り、地域の良さ生かした事業の提案を行うことで、顧客の共感を得ることができる新たな価値につながり、既存事業の売上向上や新規事業の開拓となる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 当社は、マリオット・インターナショナルと共同で地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」を推進している。本プロジェクトでは、全国の道の駅に隣接するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」を拠点に、その土地ならではの食文化、自然、歴史、伝統を体験できる新しい旅のスタイル「TRIP BASE STYLE」を提案することにより、「旅」をきっかけとした地域の活性化を目指す。 | ||
| 【サステナビリティパフォーマンスに関わる機会(生態系の保護/回復/再生)】土地の開墾/生息地の分断・劣化 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 建設地の周囲に在来種など生物の生息に配慮した、自然生態系とのバッファーゾーンを設けることで生態系へのインパクトを減らす。さらに周囲に緑地があることで住環境が改善し、土地や建物の資産価値が向上する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 中 | 中期 | ||
| 対応 | 当社は「5本の樹」計画を推進し、住宅の庭に在来種を中心とした植栽を行うことで、庭そのものが生態系へのインパクトを低減するバッファゾーンとして機能する。更には、「5本の樹」計画を取り入れた住宅の庭と、周辺地域の緑地が繋がることにより、生態系ネットワーク形成に寄与している。 | ||
| 【ビジネス/サステナビリティパフォーマンスに関わる機会(製品/サービス、生態系の保護/回復/再生)】土地の開墾/生息地の分断・劣化 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 住環境における緑化を推進するとともに、都市における緑地の価値を向上させることで新たな事業機会の創出につなげる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 2024年6月、当社は株式会社シンク・ネイチャーと共同で、庭における生物多様性保全効果を最大化できる樹木等を提案する「生物多様性可視化提案ツール」を開発している。このツールを活用することで、住環境における緑地の量と質を高めるとともに、都市全体の緑地価値の向上を目指す。これらの取り組みにより、自然共生型の住環境づくりを推進し、都市緑化に関する新たな事業機会の創出につなげていく。 | ||
| 【ビジネスパフォーマンスに関わる機会(製品/サービス)】大気の質、騒音の緩和および文化的価値に対する緑と青の空間の便益 | |||
|---|---|---|---|
| 依存 | 緑地がある不動産や緑地に近い不動産に対する需要が増加することで、環境に配慮した植栽計画を行った物件や、豊かな自然環境を生かしたホテル事業等の事業機会が拡大する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 短期 | ||
| 対応 | 当社の分譲地においては、「まちなみガイドライン」を策定し、緑の配置や樹種選定に関する基準を設けることで、緑地の量と質を高め、街全体で調和の取れた景観を創出するとともに、生態系サービスによる暮らしの質的向上を目指している。この取り組みにより、緑地価値を高めた住宅や分譲地の需要増加に対応するとともに、豊かな自然環境を生かしたホテル事業など、新たな事業機会の創出につなげていく。 | ||
| 【ビジネスパフォーマンスに関わる機会(市場/レピュテーション)】建設資材の生産 | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | バージン材を廃棄物やロスを利用した代替製品に変えることで、環境に配慮した企業としての評価が高まり、取引先にも環境への意識が広がる。これにより、新しいビジネスの開拓や売上の増加につながる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 短中期 | ||
| 対応 | 当社は、2024年より、サプライヤーと共同で、当社の住宅で使用する給水給湯樹脂配管について、新築施工時に排出される端材を同製品部材に水平リサイクルする取り組みを開始した。その他の住宅で使用する部材・部品についても、サプライヤーと連携しながら、資源の有効利用やサーキュラーエコノミーへの移行に向けた取り組みを積極的に進めていく予定である。 | ||
| 【ビジネスパフォーマンスに関わる機会(市場/レピュテーション)】General | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 分譲地における地域住民による植栽メンテナンスのコミュニティの創出等、自然を介したコミュニティサービスを提供することにより、地域コミュニティ活性化による街の持続的発展に寄与するとともに、事業拡大につながる。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 当社のマンションでは、地域コミュニティの活性化を目的に、住民や周辺地域の人々が集まり、交流できるコミュニティスペースの運営を行なっている事例がある。例えば、「プライムメゾン江古田の杜」および「グランドメゾン江古田の杜」では、子どもを中心とした森の音楽会、四季の自然を利用した工作イベント等を通じて、地域住民と自然をつなぐ機会を提供している。 | ||
| 【ビジネスパフォーマンスに関わる機会(市場/レピュテーション)】General | |||
|---|---|---|---|
| インパクト | 各国の政策により、持続可能な建設慣行を大幅に促進することによるグリーンビルディングといった低環境負荷の建設の需要が増大する。 | 財務影響 | 想定時期 |
| 大 | 中期 | ||
| 対応 | 当社は、建築・保有する複数の物件において、建築物の環境性能を客観的に評価する「CASBEE認証」を取得するなど、グリーンビルディングの推進に取り組んでいる。 | ||
リスクとインパクト管理
積水ハウスグループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として自然関連リスク・機会およびインパクト・依存評価を、TNFDのLEAPアプローチに基づき実施しています。まず、整理したバリューチェーン全体において、潜在的な自然関連のインパクト・依存が存在する活動を洗い出しました。木材については、詳細な調達情報をもとに生態学的にセンシティブな場所との地理的な接点の発見を行ったうえで、インパクト・依存を特定し、それらを定量的・定性的に分析して重大性を評価しています。
リスクと機会の抽出は、シナリオ分析を用いながらグループ全体を対象に各事業の主管部署が中心となり実施しました。その結果は環境事業部会で集約し、財務影響評価を行っています。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、ESG推進委員会において検討した後に、取締役会に共有し、必要に応じてリスクの緩和や対応について検討します。また、「事業運営リスク」や「ハザードリスク」に関係する事項についてはリスク管理委員会にも適宜共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
また、当社の事業活動に関係するサプライヤーをはじめとする主要なステークホルダーとのエンゲージメントを引き続き強化していきます。
現在、当社は以下に挙げるような機会の創出や、リスクの低減につながる取り組みを実施しています。今後も、新たな取り組みを積極的に検討し、実行していきます。
【リスクの低減の取り組み例】
持続可能な木材調達
合法であることはもちろん、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献する木材「フェアウッド」の調達に取り組んでいます。調達にあたっては、持続可能な木材利用を促進するために2007年より「木材調達ガイドライン(10の指針)」を設定し、フェアウッド調達の基準として運用してきました。
2023年には、木材調達に対する基本方針を示す目的で「木材調達方針」を制定しました。また、従来のガイドラインは、同方針にもとづく具体的アプローチとして再整理しています。
2025年には、木材調達における環境配慮を強化するため、木材調達方針に「森林減少及び土地転換なし(Deforestation and Conversion Free)」を追加しました。これにより、方針としての位置づけを一段と明確化するとともに、マテリアリティである「持続可能な社会の実現」に向けた木材調達における姿勢を一層打ち出す内容となっています。
持続可能な調達の取り組みは資源の効率性の観点で当社のリスクレジリエンスを高めることに貢献するとも考えています。インパクト・依存が大きいと把握した調達地域においても、同ガイドラインに基づく情報を注視するとともに必要に応じて個別に詳細を確認し、リスクの低減に取り組みます。
【機会創出の取り組み例】
「5本の樹」計画の生物多様性効果検証
琉球大学理学部久保田研究室・株式会社シンク・ネイチャーの協力のもと、生物多様性保全に関する定量的な実効性を分析する共同検証を2019年より開始し「5本の樹」計画が生態系の劣化が激しい都市部において生物多様性の回復に貢献できること、今後計画を拡大することでさらに効果が大きくなることが示されました。2024年6月にはお客様の庭における生物多様性保全効果を最大化できる樹木等を提案する社内ツール「生物多様性可視化提案ツール」を共同開発し、設計段階から効果を可視化して生物多様性保全を見据えた植栽提案を目指しています。試験運用と結果の分析を経て、今後の展開や目標等について検討しています。また、東京大学大学院農学生命科学研究科曽我研究室と「生物多様性とウェルビーイング」に関する共同研究を行っています。2024年には在来樹種中心の植栽による身近な自然とのふれあいが住まい手のウェルビーイングや環境配慮意識の向上につながっていることが分かりました。生物多様性への貢献とともに豊かな暮らしを提供する「5本の樹」計画は、積水ハウスのブランド価値を創出するだけでなくNbS(Nature-based Solutions:自然を基盤とした解決策)として社会全体のネイチャー・ポジティブにも貢献しうると考えています。このように自然関連の取り組みがもつ社会的側面の効果検証など新しい領域にも積極的に取り組んでいきます。
指標及び目標
積水ハウスグループでは、「サステナビリティビジョン2050」*7において、2050年のチャレンジ目標として、NoNetLoss(生態系の価値を損なわない)だけでなく、ネイチャー・ポジティブ(事業によって生態系の価値を高める)も目的として「事業を通じた生態系ネットワークの最大化」を掲げ、地域の生態系に配慮した造園緑化事業「5本の樹」計画と持続可能な木材調達「フェアウッド」に注力しています。
また、サプライチェーンを含めた事業活動全般における脱炭素化や、サーキュラーエコノミーへの取り組みも推進していきます。
4-1 指標と目標の設定(Prepare)
当社グループでは、自然に関連する重要なインパクト・依存やリスク・機会の適切な評価と管理を目的として、TNFD提言内容に沿って適切な「アセスメント指標」を選定し、「開示指標」のコア指標を中心に実績値を開示します。
TNFDが定めている「開示指標」のコア指標については、当社にとって関係があり重要であると特定したすべての指標を開示対象とします。「アセスメント指標」については、「当社のサステナビリティビジョン2050を達成するためにモニタリングすべき指標」と、「当社の事業基盤安定化と責任ある活動実施のためにモニタリングすべき指標」という2つの観点から当社で指標を選定しました。
今回は現時点で算出が可能な一部のコア指標について実績値を開示し(表3)、今後は今回開示できていないコア指標と、アセスメント指標のうち重要なものを「開示指標」の追加指標として実績値の算出を進めていきます。
今後は、アセスメント指標の中から、洗い出したリスク・機会に関連する指標を中心に目標設定を行い、モニタリングすることを検討しています。
また、指標以外の目標設定として、木材調達方針に掲げた2030年の天然林における森林減少・土地転換なし(Deforestation and Conversion Free:DCF)達成のため、DCF比率を2025年度よりKPIとして設定し、進捗を管理しています。目標達成のため、サプライヤーエンゲージメントの強化や詳細な現地デュー・ディリジェンス、仕様変更による原材料の切り替えなどのさまざまな取り組みを推進しています。
TNFDのコア指標に則って当社が設定する指標
表3 インパクト・依存に関する、TNFDコア指標に対応する当社の設定指標一覧
| カテゴリー |
Metric No. |
TNFD指標概要 | 当社が設定する指標 | 当社の実績(2025年度) |
|---|---|---|---|---|
| 気候変動 | GHG排出量 | GHG排出量 | Scope1~Scope3を参照 | |
| 陸域/陸水 域/海域利用の変化 | C1.0 | 総空間フットプリント | 製造拠点の総面積 | 935,671㎡ |
| 自然共生サイト面積 | 21,808㎡ | |||
| C1.1 | 利用目的で改変された陸/淡水/海の面積 | 一定期間における、施工面積 | 2,349千㎡ | |
|
汚染/ 汚染除去 |
C2.0 | 土壌に放出された汚染物質の種類別内訳 | 直接操業における環境(土壌を含む)への有害廃棄物排出量 | 排出事故は発生していません |
| C2.1 | 排出された廃水 | グループ全体での排水量と、排水中の汚染物質濃度 |
1,044千㎥ 製造加工における排水中の汚染物質濃度は別表を参照。施工・解体では排水中に汚染物質は含まれていません。 |
|
| C2.2 | 発生する廃棄物と処分される廃棄物 |
製造加工・施工・解体・オフィスにおける廃棄物発生量 有害廃棄物発生量 |
923千トン 210トン |
|
| 製造加工・施工・解体・オフィスにおけるリサイクル実施量と実施率 | 902千トン、97.7% | |||
| 新築施工におけるリサイクル実施率 | 100% | |||
| C2.3 | プラスチック汚染 | 築施工におけるプラスチックのマテリアルリサイクル実施率 | 今後開示に向け、検討していきます。 | |
| C2.4 | GHG以外の大気汚染物質 | 製造加工におけるGHG以外の大気汚染物質排出量 |
NOx:6.02トン VOC:55.4トン SOx:0.083トン |
|
|
資源の 使用/補充 |
C3.0 | 水危機の地域からの取水と水消費 | 製造加工における水ストレス地域からの取水量と消費量 | 480.1千㎥、227.7千㎥ |
| C3.1 | 陸/淡水/海から調達するリスクの高い天然資源の量 |
絶滅危惧種に指定されている樹種などリスクのある木材以外からの調達量 (持続可能な木材調達量) |
223.373㎥(全調達量に占める97.1%) | |
| 侵略的外来 種とその他 | C4.0 | プレースホルダー指標:意図的でない侵略的外来種(IAS)の持ち込みに対する対策 | 「5本の樹」計画実施によるIAS植栽リスク | 当社の造園緑化事業において、国の「生態系被害防止外来種リスト」を活用し、樹木におけるIASの植栽リスクを回避している。 |
| 自然の状態 | C5.0 | プレースホルダー指標:生態系の状態 | 木材生産におけるインパクト・依存が大きい地域 | TNFDレポート「戦略」を参照 |
| 「5本の樹」計画実施による三大都市圏の多様性統合指数の増加量 | 「生物多様性ビックデータの活用による定量的な実効性評価」を参照 |
表4 リスク・機会に関する、TNFDコア指標に対応する当社の設定指標一覧及び今後の対応方針
| カテゴリー |
Metric No. |
TNFD指標概要 | 当社が設定する指標 | 当社の実績(2025年度) |
|---|---|---|---|---|
| リスク | C7.0 | 自然関連の移行リスクに対して脆弱な資産/負債/収益/費用 | 移行リスクに対して脆弱な資産額と割合 | 今後開示に向け、検討していきます。 |
| C7.1 | 物理的リスクに対して脆弱な資産額と割合 | |||
| C7.2 | 当年度に受けた重大な罰金/違約金/訴訟の内容と金額 | 環境関連法規制の遵守状況 | 土壌・地下水・大気汚染など、環境関連法規制の遵守状況については、重要な違反等はありませんでした。 | |
| 機会 | C7.3 | 自然関連の機会に対する資本支出/融資/投資の金額 | 機会に対する資本支出額 | 今後開示に向け、検討していきます。 |
| 機会に対する投資額 | ||||
| C7.4 | 自然に正の影響をもたらす製品やサービスからの収益増加額と、その影響の説明 | 一定期間における自然に正の影響をもたらす活動による収益増加額と、正の影響の説明 |
