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サーキュラーエコノミーに向けた取り組み
ガバナンス
推進体制
積水ハウスグループでは、ESG推進委員会のもと、ESG経営推進本部内に資源循環対策チームを設置し、グループ全体の資源循環に係る体制を構築し管轄しています。高度な資源循環体制を維持するため、広域認定制度に基づく「積水ハウスゼロエミッションシステム」を構築しました。また、自社施設「資源循環センター」を設置し、建設現場で生じた廃棄物を集約させることで確実なリサイクルを担保しています。この仕組みを支えるため、資源循環のための廃棄物分別ガイド・リサイクル事業者の選択基準を定めたガイドラインを作成、従業員および施工協力会社への対策の周知、独自の廃棄物回収システム・廃棄物実測システムの開発運用などを通じ、廃棄物の発生からリサイクルまでの工程を一元管理しています。
加えて、リサイクルの手法だけにとどまらず、製品開発、製造部門などサーキュラーエコノミー(資源循環経済)への発展につなげるため、資源循環対策チームが関連する資源循環活動の調整役としても機能しています。
戦略
資源循環の基本指針
「積水ハウスゼロエミッションシステムに基づく高度な資源循環体制の持続」を基本指針としています。
ゼロエミッションに係る基本方針
- 廃棄物の発生状況、内容を分析し、設計、生産、施工の各工程における無駄を削減できる情報提供を継続的に行い、工業化住宅の供給全般を通し廃棄物の発生抑制に向かうシステムであること。
- 処理委託基準を確立し、その基準に則り適正な処理委託が担保されるにとどまらず、将来にわたり要求される社会的基準の向上にも耐えられるシステムであること。
【重要項目】
・適正なリサイクル処理の確保
・トレーサビリティの確保
・当社内の徹底した分別の実施 - 上記の規範を果たす基礎として、広域認定制度に基づいた運用を原則とすること。
資源循環図
省資源に向けた対策またはコミットメント
積水ハウスグループでは、3つのアプローチで省資源に取り組んでいます。
- ゼロエミッションの取り組みを通じ、マテリアルリサイクルを中心に、建設現場で生じる廃棄物の再生資源化、有効化を図っています。
- 耐久性の向上・住宅のライフサイクルに応じたアフターサービス・リフォーム事業の展開に取り組んでいます。これにより既存建物の長寿命化が図られ、省資源に寄与しています。
- 再生資源を活用した新たな建築資材の研究・開発を進め、サーキュラーエノミーの実現を目指します。
工場の資源使用に対する対策またはコミットメント
工場製造部材の生産過程に伴い生ずる副産物の有効活用を目的とし、当該副産物を加工して原料化することによる再生資材の生産に取り組みます。
例えば、外壁製造過程や、配管用の穴をくり抜く際などに生じる端材を外壁の原材料にするための設備の導入により、これを実施しています。
廃棄物に対する対策またはコミットメント
廃棄物の発生抑制
廃棄物の発生抑制に向け、システムを開発。製品供給において投入される資源量、製造、施工過程での廃棄物の発生状況、内容を分析し、設計、生産、施工の各工程における無駄を削減できる情報を提供するシステムの改善に継続して取り組みます。
廃棄物の活用
発生した廃棄物に対するリサイクル基準を確立し、これに則り、適正なリサイクルを担保します。さらに、経済性が高く、資源循環型社会の形成に一層寄与するリサイクル技術を素材メーカー、工場生産協力企業、施工協力会社、中間処理事業者、解体事業者などのパートナー企業とともに追求し続けます。
資源利用率向上の基本プログラム
住まいの高機能化(耐久性や断熱性などの性能向上、居住空間の自由度向上)のための必要な資材投入の増減にかかわらず、資源効率を考慮した商品設計により未使用資材(廃棄物)が極力出ない設計を維持する取り組みを進めていきます。
グリーン調達ポリシーにおける製品に関する要件
当社では、最高の品質、強靭な供給体制、合理的な価格にESGを加えた基本的な調達方針のもと、社会的責任を果たすべく、グリーン調達に取り組んでいます。リサイクルをしやすくするため分別が容易になる仕様をサプライヤーと協業して開発し調達することをはじめ、当社では、物品等の調達において環境や健康に配慮した製品・サービスを優先的に選択し、サステナビリティに資すると認められる製品の調達に取り組んでいます。例えば、温水配管において、回収された端材の分別を容易にするため、プラスチックの種類が異なる2重配管を接着しないなどの仕様を採用しました。
「循環する家(House to House)」
住宅業界におけるサーキュラーエコノミーへの移行に向けて、2050年までにリサイクル部材だけで構成された「循環する家(House to House)」の実現を宣言しました。住宅に使用する全ての部材をリサイクル可能なものに見直し、資源の有効活用と廃棄物の削減に貢献することを目指します。サプライヤーや大学との連携を通じて、再生資源による商品の開発や素材別の再利用実績の分析を行っており、確かな供給体制を構築し、持続的な資源利用を図ることで、資源安全保障や脱炭素にも貢献できると考えています。
リスク管理
資源循環に関するリスクへの対応
積水ハウスグループでは、「積水ハウスゼロエミッションシステム」の構想に際し、リサイクル偽装や不法投棄など資源循環におけるリスクを踏まえた体制構築に注力してきました。リサイクル事業者の選択基準を定めたガイドラインに基づく事業者選定に加え、定期的な処理施設の視察の実施、処理委託契約書および産業廃棄物管理票(マニフェスト)の社内一元管理システムによる日常的な管理、業務監査などを通じ、潜在リスクの最小化(リスク回避)に取り組んでいます。万が一、法令違反の可能性が検知された場合は、本社専門部署で即時対応する体制を整えています。
指標及び目標
| 集計範囲 | 単位 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 目標 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 廃棄物比率(新築)*1 | 積水ハウス(株) | % | 5.9 | 6.0 | 6.1 | ー | |
| 材料および資源投入量 | 1,000t | 820 | 781 |
741 |
ー | ||
| 新築(工場生産・施工)廃棄物排出量 | 48.4 | 46.8 |
45.2 |
ー | |||
| 廃棄物リサイクル率(新築)*2 | % | 100 | 100 |
100 |
ー | ||
|
廃棄物リサイクル率 (アフターサービス・リフォーム)*3 |
積水ハウス(株)、 積水ハウスリフォーム(株)、 積水ハウスサポートプラス(株) |
94.8 | 95.0 |
95.4 |
100 (2025年度) |
||
| 積水ハウス新築施工廃棄物のリサイクル率 | 積水ハウス(株) | 100 | 100 |
100 |
ー | ||
| 積水ハウスの事業所における廃棄物実測システム利用率 | 100 | 100 |
100 |
ー | |||
*1 新築工業化住宅材料および資源投入量に対する廃棄物量(工場生産・施工)比率
*2 新築工業化住宅の廃棄物リサイクル率
*3 アフターサービス・リフォーム工事における廃棄物リサイクル率
生産投入資材量
| 集計範囲 | 単位 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 金属類 | 積水ハウス(株) | 1,000t | 241 | 224 | 211 |
| コンクリート類 | 210 | 197 | 184 | ||
| ガラス・陶磁器類 | 183 | 179 | 171 | ||
| 木類 | 117 | 117 | 113 | ||
| その他 | 69 | 65 | 62 | ||
| 合計 | 820 | 781 | 741 |
廃棄物排出量
| 集計範囲 | 単位 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 廃棄物排出量*4 |
グループ (国内)*7 |
1,000t | 1,144 | 1,045 | 936 | ||
| リサイクル廃棄物*5 | 1,128 | 1,027 | 914 | ||||
| 非リサイクル廃棄物*6 | 16 | 18 | 223 | ||||
| 直接埋立 | 13 | 15 | 21 | ||||
| その他 | 2 | 2 | 2 | ||||
*4 オフィス、工場、施工・解体現場からの廃棄物量の合計(下記の有害廃棄物は含んでいない)。
*5 廃棄物排出量のうち、再資源化(マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル)された廃棄物量
*6 廃棄物排出量のうち、再資源化されずに直接埋立等された廃棄物量
*7 積水ハウス(株)、積水ハウス建設グループ、積水ハウスリフォーム(株)、積水ハウスサポートプラス(株)、(株)鴻池組
その他の取り組み
生産および施工部門のゼロエミッション
「広域認定制度」による取り組みの拡大
住宅の建設には大量の資源投入が必要です。積水ハウスグループは工場での部材生産から解体工事に至る住宅のライフサイクル全般に関わっており、そのうち4部門(部材生産、新築施工現場、アフターメンテナンス、自社物件リフォーム施工現場)のゼロエミッション*8を、2002年から2007年にかけて達成しています。以降、リサイクルの質に配慮しながら運用を維持・継続しています。業界に先駆けてゼロエミッションを次々と達成できた背景には、廃棄物処理法の特例制度である「広域認定制度」の活用があります。2004年、当社は建設業界で初めて認定を受け、この制度をもとにゼロエミッションの取り組みを拡大してきました。
また、当社商品のライフサイクルを中心としたゼロエミッションの一環として、不動産賃貸事業においても、積水ハウス不動産ホールディングスが中心となってゼロエミッションに取り組んでいます。具体的には、当社が引渡した賃貸住宅「シャーメゾン」の賃貸管理を行う積水ハウス不動産PM各社の管理物件の退去時における補修工事で発生する廃棄物(主にクロスやクッションフロアなどの内装材)のゼロエミッション化に向けた取り組みを行っています。
今後、大量に廃棄されると予想されている太陽光パネルについては、資源循環センターを中心とした当社の廃棄物自社処理システムにおいて、リサイクル処理施設の設置を検討しています。
*8 産業廃棄物の単純焼却と埋め立て処分ゼロを内容としています。
新築施工現場ゼロエミッションの核として機能する「資源循環センター」
「広域認定制度」を活用した「積水ハウスゼロエミッションシステム」における廃棄物回収システムの特徴は、自社施設である「資源循環センター」の活用にあります。当社が2003年から全国各地の生産工場などに開設した資源循環センターは、新築施工現場ゼロエミッションの取り組みの核となる施設です。同センターは廃棄物回収のための配車指示から、委託するリサイクル事業者の統括まで、一連の流れを管理しています。
新築施工で発生した廃棄物は、まず現場で27種類に分別し、全国30ヵ所の資源循環センターで60~80種類程度にまで再分別され、自社の管理のもとですべて再資源化しています。複合物の単一素材への分解や、素材ごとに圧縮、加熱などによる減容を行うことで、外部の委託業者を含めたリサイクルルートに乗せられる状態にしています。
特に、最近問題になっているプラスチックについては、2005年の新築施工現場ゼロエミッションの導入以降、すべて回収し100%リサイクルしています。分別についても、プラスチック種別ごとの分類に加え、汚れ具合などリサイクル施設のニーズに応じて細分化し、質の高いリサイクルを実現しています。
廃棄物実測システム
建設廃棄物適正処理に関わるトレーサビリティの確保は、廃棄物の適正処理やリサイクルの実施のみならず、施工合理化など循環型のビジネスモデルを進めるためにも重要です。当社は2007年のICタグを活用した廃棄物実測システムの試行を手始めに、ICTの積極的な導入を進めてきました。
2017年には、独自開発した廃棄物回収の「電子処理システム」をクラウド中心のシステムに刷新し、廃棄物管理の電子システム機能強化の要請に機動的に対応。現在の二次元バーコードを活用した廃棄物実測システムを運用しています。排出時の状況を正確に把握し、1棟ごとに集計・分析して、総排出量や廃棄物種類別排出量をリアルタイムで把握できるオリジナルのシステムです。こうして分析された詳細データを、商品開発・部材設計・生産工程・施工工程などにフィードバックすることで、より有効な資源の利用を促進することが可能です。
廃棄物量抑制とリサイクルの質向上
当社は、生産や施工現場などにおける廃棄物の発生量を抑制(リデュース)する取り組みを継続して行っています。工場生産で発生した廃棄物総量について、2025年度は前年度比5.6%の削減となりました。
ゼロエミッションの推進により、新築住宅1棟当たりの廃棄物発生量は、1999年度に比べ6割近く減少したものの、近年は環境性能が高く投入資材が多い住宅の占める割合が高まり、微増傾向にあります。
しかしながら、サーキュラーエコノミー重視の世界的な潮流のもとでは、廃棄物発生量の削減にとどまらず、いかに事業全体をデザインして、リサイクルの質を高めるかが重要になってきています。こうした流れを踏まえ、当社ではグループ内での生産と、代理店方式によらない直接施工という強みを活かして、構法や施工方法の見直しまでフィードバックした改善を進めてきました。
そのうえで、徹底した廃棄物の分別を行うことで、リサイクル事業者のニーズに合わせた分別・選別・処理を実施し、より質の高いリサイクルを牽引しています。
また、生産・施工・アフターメンテナンス時のゼロエミッション継続とともに、2023年度は80.6%だったマテリアルリサイクルについても、90%を目指して研究を進めています。
リサイクルの取り組み
自社で発生した廃棄物を原料として、自社建築物の建材に再利用する取り組みを進めています。例えば、梱包資材などから回収した樹脂を原料とした住宅部材の製造、破砕した瓦端材を材料とした床の衝撃音緩衝材の製造などです。
<取り組み事例>
建築現場の梱包材と古紙のリサイクル
当社はプラスチックバッグの提供を見直し、資源としてリサイクルができる紙袋へのリニューアル計画をスタートさせました。リニューアルした紙袋は、さまざまな素材の検討を経て、給湯機などの衛生設備の梱包材である「衛生梱包紙」を採用しました。これに一般的な古紙をミックスすることで、バージンパルプを使用することなくリサイクルも可能な資源循環型の紙袋が完成しました。
この取り組みにより、プラスチックバッグ終了によるプラスチック使用量年間10,723kg削減、廃棄素材と古紙の利用によるバージンパルプ使用量年間13,232kg削減など、環境負荷の低減が図れます。
ダインコンクリート リサイクル
ダインコンクリートを製造している関東工場と兵庫工場では、製造過程で発生するコンクリート廃棄物を原材料にリサイクルしています。外壁材からくり抜かれた残材や設備に付着した「コンクリートがら」などはこれまで廃棄物処理していましたが、その一部をリサイクル材として破砕・粒度調整し原材料に投入することで、資源消費を削減しています。
ベルバーン リサイクル
ベルバーンの端材などを破砕し、当社の高遮音床仕様である乾式床版パネル「シェルシャットスラブ」の充填材原料に使用しています。これまでは、この充填材原料は砂状の無機材を使用していましたが、ベルバーンを破砕・粒度調整して充填材を原料化することで、資源消費を削減しています。
固形廃棄物の再利用の取り組み
資源循環センター(国内2ヵ所)に設置した製造加工施設では、新築住宅の施工現場から回収した石膏ボードの端材と、食品工場から排出される卵殻を配合・粉砕し、パウダー状にしたグラウンド用の白線材「プラタマパウダー」を2010年から製造・販売しています。これにより、従来、食品廃棄物として廃棄されていた卵殻について有価で買い取ることで、新たな商流を構築し、リサイクルを恒常的に行う仕組みを実現しました。
その他にも、分別回収した固形廃棄物の再利用として、樹脂原料、木材チップ、電線原料、スチロール原料(インゴット)を有価で売却しています。
| 単位 | 2019年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 目標 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| プラタマパウダーの生産量 | t | 1,795 | 3,735 | 1,754 | 3,436 | 2019年に対し5%増 |
工場生産時の有害廃棄物削減への取り組み
当社では、経済的に実施可能な最高技術の適用を常に検討し続けています。過去の削減事例として、鉄骨への防錆処理に用いられる電着用塗料に、ごく微量に有害廃棄物になり得る鉛が含まれていましたが、2003年1月より鉛フリー塗料への切り替えを行いました。
| 集計範囲 | 単位 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 有害廃棄物排出量*9(合計) |
グループ (国内)*10 |
t | 763 | 979 | 210 | |
| 土木・解体工事 | (株)鴻池組 | 648 | 769 |
46 |
||
| 解体工事 |
積水ハウス(株)、 積水ハウス建設 グループ |
66 | 156 |
56 |
||
| 生産工場 | 積水ハウス(株) | 49 | 55 |
109 |
||
*9 当社グループは廃PCBなど「バーゼル条約」で規制している廃棄物を含む、廃棄物処理法により定められた特別管理産業廃棄物(可燃性廃油、飛散性アスベストなど)を有害廃棄物としています。
*10 積水ハウス(株)、積水ハウス建設グループ、(株)鴻池組
紙の使用に関する取り組み
当社では、環境に配慮した商品の優先購入を推進しており、全国の事業所で使用する文房具類などのオフィス製品については、「グリーン購入指針」に基づき調達を行っています。また、事業活動における紙の使用量に関する情報を収集・把握し、効率的な利用を促進する取り組みを進めています。例えば、グループ会社と連携し、国内製で古紙100%を使用した高白色度・高品質の環境配慮型用紙を、オリジナル再生紙として全国の事業所へ供給しています。ほかに、当社の生産・施工拠点においては、古紙や段ボールのマテリアルリサイクル率を高水準で維持することで、リサイクル可能な素材の積極的な活用を推進しています。
紙の使用に関する取り組み
| 集計範囲 | 単位 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
|
生産・施工拠点の古紙および ダンボールのマテリアルリサイクル率 |
積水ハウス(株)*11 | % | 99.9 | 99.9 | 99.9 |
*11 国内工場で管理する範囲
