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工場サイトレポート

 積水ハウスグループの国内5工場(東北・関東・静岡・兵庫・山口)における2025年度の生産段階のエネルギー使用量、排出物発生量などと環境活動を取りまとめ、報告しています。
 すべての工場で徹底した生産品質管理体制を整えるとともに、地域環境への影響に配慮した取り組みを行っています。2000年に生産工場統一の環境マネジメントシステムを構築し、JIS-Q-14001に適合した認証を取得しており、大気や水域への排出物などについては法令よりも厳しい自主基準値を定めて、定期的に測定・管理しています。なお、2025年度中に、化学物質、石油および燃料の重大な漏出はありません。
 脱炭素社会への取り組みとして、2013年度に全工場に太陽光発電システム(メガソーラー)を設置し、再生可能エネルギーの普及に努めています。さらに現在、工場で使用する電気を「積水ハウスオーナーでんき」へ切り替えるなどの取り組みを進め、2024年度より使用電力の100%を再生可能エネルギーで賄っています。

東北工場メガソーラー

関東工場メガソーラー

静岡工場メガソーラー

兵庫工場メガソーラー

山口工場メガソーラー

 生産におけるエネルギー使用量削減のため、高効率機器への更新を計画的に進めています。工場照明のLED化率は、2025年度中に100%になりました。また、フォークリフトの電動化について、2026年度中に100%になる見込みです。業務用車両についても計画的にハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)に切り替えています。
 生産設備に関しては、生産トラブルの削減や生産方法の変更による生産性の向上、製造条件の最適な設定への見直しなどの取り組みにより、省エネルギーに努めています。また、乾燥設備などに使用する熱エネルギーについては、熱利用設備の断熱性能を向上させるなど、エネルギー使用量の削減を図るとともに、よりCO2排出量が少ないLNG(液化天然ガス)への燃料転換や、将来の非化石燃料化を検討しています。
 資源循環への取り組みとしては、原材料から製品を効率良く採取することによる材料歩留まりの最適化などにより、廃棄物の削減に努めています。また、廃棄物を原材料にリサイクルすることや、異なる目的の製造品に再利用するなどサーキュラーエコノミーの活動も推進しています。

東日本プロダクトセンター 東北工場

 東北工場では、「シャーウッド」専用オリジナル陶版外壁「ベルバーン」を製造しています。その製造においては焼成炉で多くのエネルギーを使用します。エネルギーの使用量を削減するため、焼成炉からの排熱を焼成前の乾燥炉に取り込み、エネルギー利用の効率化を図っています。
 東日本大震災後に、東北工場がある宮城県色麻町と災害時の協力体制として「防災協定」を締結し、平常時はエコで、災害時にはお客様や地域社会に安全・安心を提供する防災未来工場としての役割を担っています。災害時の初動迅速化とエネルギー自営化を目的として、スマートエネルギーシステム構築のため、既設の太陽光発電設備に加え、新たに大型蓄電池、ガスエンジン式発電機、プラグインハイブリッド車(PHV)、工場エネルギー管理システム(FEMS)を導入。大型蓄電池(2MW級)を活用して、電力のピークカットを図っています。FEMSの導入により、工場内主要設備のエネルギー利用状況を見える化したことで、従業員の省エネルギー意識が高まり、エネルギー使用量の削減につながっています。

電動リフト

1.生産時(工場生産+出荷輸送)のCO2排出量削減への取り組み

 生産時におけるCO2排出量削減の取り組みとして、製品不良率削減による生産効率向上、エアコンなど高効率機器への更新、省エネ機器設置によるチラーの省エネ化を進めています。また、脱炭素化に向け工場内フォークリフトの電動化を進め、2025年に100%電動化しました。出荷輸送時の取り組みとして、新築戸建物件においては積載重量の大きなトラックの活用による積載効率向上を、大型集合団地においては複数棟配送を実施し、CO2排出量を削減しています。

ターゲット探索

計測画面

2.資源循環への取り組み

 「ベルバーン」製造工程において、材料歩留まりに大きく関係する部品を、3Dスキャナーを使用して3次元モデル化。多方面から解析し良品率を向上させることで廃棄物を削減しています。2025年12月から陶板外壁端材を微粉化したものを陶板外壁の原材料として再資源化する取組を開始しました。
 資源循環センターでは新築施工現場からの返却廃棄物を調査分析。調査結果を支店、営業所と共有し対策を図ることで、システムの改善、廃棄物の減量化に継続して取り組んでいます。

海ゴミゼロフェスティバルin加美

3.生態系ネットワークの復活・社会貢献活動

 地域貢献活動として、2023年から「海ごみゼロフェスティバルin加美町」に参加し、水辺の環境保全活動を通じて従業員の海洋プラスチック問題への意識を高めています。

東日本プロダクトセンター 関東工場

 関東工場では、高性能コンクリート外壁材の「ダインコンクリート」を製造しています。その製造においては多くのエネルギーを使用します。製造工程の省エネルギーとして、蒸気ボイラーのドレン排熱の活用や、乾燥炉熱源を蒸気熱からバーナーに変更するなどさまざまな対策を実施しています。鉄骨部材・パネル部材・木材加工部材の製造においても、キュービクルの更新やアモルファストランス導入など高効率機器への更新を計画的に実施しています。
 2022年に事務所建替えを行い、当社が住宅事業で培ったノウハウを活かして建設を推進しているZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を竣工しました。“誰もが安心して勤務できること”に加え、“快適に過ごせる空間”の実現を目指して、災害への強さ、換気システム、断熱性の確保などの基本的条件以外に、フリーアドレス化と固定電話廃止、部署間が交流しやすいようレイアウトを工夫するなど、オフィス環境の快適性に配慮しながら、グリーンファーストオフィスとして建替え前よりも使用エネルギーの削減を図っています。

生産段階での調整による積載効率化

建屋照明をLED化

1.生産時(工場生産+出荷輸送)のCO2排出量削減への取り組み

 「省エネ機器の導入」「省エネ制御推進」を中心に、CO2排出量削減活動を進めています。省エネ機器としてインバータ式コンプレッサーの導入や建屋照明のLED化、フォークリフトの電動化を実施。さらに電着塗料の加温・冷却装置の省エネ制御化により電力使用量の削減を図っています。また、鉄骨部材の溶接ラインでは、AIを活用した最適な生産方法を確立し大幅な生産性向上により、溶接ラインで使用する電力を削減しています。
 出荷輸送時のCO2排出量削減に向け、輸送トラック荷台への積載方法を改善し台数削減を図っています。
 一例として、生産段階でトラック出荷時の荷姿を意識して調整することで、積載専用架台の使用をなくし、荷台有効スペースを拡張するなど、積載効率を向上させています。

2.資源循環への取り組み

 廃棄物削減活動は、歩留まり向上と汚泥削減を中心に活動を行っています。鉄工グループでは電着塗装で定期的に発生する清掃汚泥を削減するため、塗装前処理薬液の温度を適正に管理することでスラッジ発生を抑制しています。ダインパネルグループではバイブレーター改善によるコンクリート打設均一化の施策を行い、歩留まり向上による廃棄物削減を図っています。2023年度より新たな取り組みとして、工場内から出るコンクリート廃棄物を原材料化するための破砕設備を導入し、コンクリート廃棄物の自社リサイクル率の向上を図っています。

古河駅周辺の清掃

渡良瀬遊水地クリーン作戦

3.生態系ネットワークの復活・社会貢献活動

 2022年より社会福祉協議会へのベルマークの寄付活動や地元のサッカークラブである「NPO法人FC古河」の古河駅周辺清掃活動、渡良瀬遊水地クリーン作戦に参加しています。

中日本プロダクトセンター 静岡工場

 静岡工場では、「シャーウッド」専用オリジナル陶版外壁「ベルバーン」を製造しています。その製造においては多くのエネルギーを使用しますが、省エネルギーを図るため、2011年にLPG(液化石油ガス)からLNG(液化天然ガス)への燃料転換を行いました。LNGを安定的に供給するため工場内に貯蔵タンクを設置しました。液化したLNGは、大気中の自然エネルギーを利用した空温式気化装置により気化しています。LNGを効率的に使用するため、焼成炉から排気していた排熱を、保温や乾燥の設備に取り込むなど、省エネルギー対策も継続して行っています。
 自社保有のフォークリフトは2025年2月に全車電動化を完了しました。
 5工場の中でも率先して、水ストレス地域に立地している工場として水使用量削減の取り組みを行っています。雨水を貯水し、排水処理施設の脱水機の洗浄に利用しています。
 資源循環の取り組みとして、「ベルバーン」のラインアウト品のリサイクル設備を導入しました。品質検査にAIを導入し厳しい品質基準を設けており、基準を満たさず廃棄される製品が発生します。それらを破砕し、遮音床用の充填材としてリサイクルすることで、材料の有効利用と廃棄物の削減を図っています。

1.生産時(工場生産+出荷輸送)のCO2排出量削減への取り組み

 照明のLED化や高効率機器への変更、フォークリフトの電動化などを実施しています。出荷輸送に関しては、生産拠点変更に伴う輸送距離削減や積載効率向上による車両台数削減などを実施することで、CO2排出量の削減に努めています。

第2ヤード蛍光灯LED化

鉄工場コンプレッサー
(高効率機器への更新)

木工集塵機
(高効率機器への変更)

2.資源循環への取り組み

 工場廃棄物を削減するために、木材柱や塗料の歩留まり向上、工場内汚泥の脱水処理による重量の削減などに取り組んでいます。2020年12月から開始した、遮音床充填材に陶版外壁のラインアウト品をリサイクル利用する取り組みが引き続き大きな成果となっています。また、2024年12月から遮音充填材に利用できない破砕廃棄物をふるい機で選別し、陶版微粉を陶版外壁の原材料として再資源化を始めました。

3.生態系ネットワークの復活・社会貢献活動

 静岡工場内においては、計画に基づき場内緑化の維持整備を行っています。2022年5月「認定NPO法人時ノ寿の森クラブ」への積水ハウス マッチングプログラム助成金交付式を静岡工場で実施しました。時ノ寿の森クラブは2010年以降、毎年の植樹ボランティアでつながりのある団体で、マッチングプログラムの助成を通じて、同団体のプロジェクトとの関りを深めています。2023年3月に静岡県、掛川市、時ノ寿の森クラブと「しずおか未来の森サポーター」の4者協定を締結しました。2023年7月には「積水ハウスの森づくり」をキックオフし、継続的に活動しています。2002年より掛川市海岸線地域ビジョンの実現に協力する取り組みとして「海岸線の清掃活動」を毎年6月に実施し、社員とその家族150名以上が毎回参加しており、今後も継続します。

下草刈り(集合写真)

植樹風景

海岸清掃

中日本プロダクトセンター 兵庫工場

 兵庫工場では、高性能コンクリート外壁材の「ダインコンクリート」を製造しています。コンクリートの製造には多くの蒸気を使用します。各工程へ蒸気を供給している配管に蒸気自動開閉弁を設置し、稼働停止工程への蒸気供給をストップさせることにより省エネルギーを図っています。2020年には、蒸気を供給するボイラーを最新式の高効率タイプに更新し、それを優先的に運転させる制御を行うことでさらなる省エネを推進しました。また、事務所の屋根に遮熱塗料を塗布して、夏場のエアコンの消費電力を削減しています。電力供給不足による節電要請や電力供給体制が不安定になった際も、デマンドレスポンスにより工場を安定稼働させるために、35kWの自家発電設備を3台設置しています。
 コンクリートの製造時におけるコンクリート廃棄量の削減に取り組んでいます。コンクリートホッパー側面への付着防止としてスクレーパー(自動搔き落とし)の設置や、生コンクリートを型枠へ流すポンプ投入口の開閉バルブをバタフライ式に変更して、生コンクリートの飛散防止を図るなど、さまざまな対策を実施しています。ダインコンクリートパネルの加工時に発生する集塵粉を原材料リサイクルすることにより、コンクリート廃棄量を削減しています。コンクリート打設工程において自動厚み検査装置を設置し、製品厚み精度を向上させることにより、原材料の使用量を削減しています。

局所照明LED化

1.生産時(工場生産+出荷輸送)のCO2排出量削減への取り組み

 2022年度より製造工程内局所照明のLED化を進め、2024年度に全てLED化を完了しました。また、2024年度自社保有フォークリフトの全車電動化を完了しました。その他、製造ラインの動力源であるコンプレッサーの設定圧の見直しやボイラー制御のプログラム変更等により工場生産時のCO2排出量を削減しています。輸送CO2排出量削減については、25tトレーラーと21tトレーラーの運行比率を向上させることで、10tトラックの台数を削減しています。

2.資源循環への取り組み

 製造工程から発生する加工集塵粉を自社リサイクル原材料として活用するとともに、2023年度より新たな取り組みとして工場内から出るコンクリート廃棄物を原材料化するための破砕設備を導入し、コンクリート廃棄物の自社リサイクル率を向上しています。

粉砕装置

粉砕前

粉砕後

東条インターパーク清掃

ラオス語絵本作成

3.生態系ネットワークの復活・社会貢献活動

 工場近くにある東条インターパークの清掃を実施して近隣の美化に取り組んでいます。また、地域の社会貢献活動として加東市社会福祉協議会主催のフードドライブ活動への参加や、献血活動、こどもの日のチャリティ活動を実施、被災地復興支援キャンペーンにも参画しています。ボランティア活動として、従業員が「ラオス語絵本プロジェクト」に参加し、日本語の絵本にラオス語の翻訳を貼り付けたラオス語絵本を作成して寄付しています。

西日本プロダクトセンター 山口工場

 山口工場では、鉄骨部材やパネル部材の製造と木材加工を行っています。2019年度より、コンプレッサーの運転制御をIoT技術により効率化するという従来と異なる施策で省エネを進めています。自社開発した遠隔制御システムで工程の運転状況を基にエア使用量を予想し、最適なエネルギー供給を行う運転制御(電動バルブ開閉と複数のコンプレッサー起動停止制御)を実施しています。その他の省エネルギー策として、高効率機器への更新や、生産性の向上に取り組み、エネルギーの効率的利用を進めています。
 給体制が不安定になった際も、デマンドレスポンスにより工場を安定稼働させるために、35kWの自家発電設備を3台設置しています。
 3・4階建て鉄骨住宅向け構法である「フレキシブルβシステム」の梁を製造するラインに、IoT・ビッグデータ・AIを駆使した製造スマートシステムを自社開発し、導入しました。自動で蓄積される過去の製造情報(ビッグデータ)をAIが学習し、製造状況に適した判断を自動で行います。この技術を用いて、従来は管理 者のノウハウで実施していた生産量や勤務体系の調整を自動化しました。その結果、AIによる製造ラインの動作効率化と省電力運転により材料歩留まりの向上、労働時間削減、使用電力量削減などを実現しています。

更新したチラー

1.生産時(工場生産+出荷輸送)のCO2排出量削減への取り組み

 エネルギーを効率的に利用するため、継続して高効率機器への更新や生産性向上の取り組みを進めています。2022年度に鉄部材の電着塗装工程で使用する塗料を冷却するチラーに関して、冷暖兼用タイプに更新しました。これにより、電着塗料の効率的な温度制御が可能となり、年間12tのCO2排出量が削減できました。また、天井照明のLED化を進めています。
 そのほか、事務所の空調設備や食堂の麺ゆで機の更新、工場内の常夜灯の点灯制御、コンベア・ファン・ポンプの間欠運転などの省エネルギーの取り組みを推進しています。

2.資源循環への取り組み

 塗料・木材・鉄原材料の材料廃棄ロスを減らし、廃棄物を削減する活動を進めています。木造住宅シャーウッドの梁加工ラインの原材料長さとそこから採取する製品の組み合わせを最適なものに変更することで、廃棄物の削減を図っています。工場排水を処理するために投入する活性炭の量の適正化を図り、汚泥として廃棄物処理される量の削減を図っています。2020年度より脱水汚泥の含水率を低減するため、場内で発生する鋸くずを燃料にした乾燥設備を導入し、廃棄物量およびCO2排出量の削減に努めています。

アサギマダラロードの整備作業

きらら浜自然観察公園植栽作業

3.生態系ネットワークの復活・社会貢献活動

 2022年度から「NPO法人野鳥やまぐち」と共に、生態系保全につながるさまざまな活動を開始しました。同団体が管理している山口市のきらら浜自然観察公園を中心に、植栽作業やヨシ焼きボランティア活動、アサギマダラロードの整備などを合同で行っています。