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働き方改革

3. すべての人に保健と福祉を 5. ジェンダー平等を実現しよう 8. 働きがいも経済成長も

基本的な考え方

 少子高齢化・人口減少に伴う労働力の確保や人生100年時代のワーク・ライフ・バランスの見直しなど、価値観が多様化する中で企業が持続的に成長していくために、イノベーションを生み出す働き方の改革が求められています。「イノベーション&コミュニケーション」をキーワードに、従業員一人ひとりが安心して働き続けられ、最大限の能力を発揮できる職場環境や仕事と育児・介護・治療等との両立を支援する制度などを整備し、健康経営を推進。これまで以上にイノベーションを生み出す働き方改革に取り組んでいます。

活動方針①
「イクメン休業」を通じて、男性の育児休業が当たり前になる社会へ

「イクメン休業」制度の運用開始 → 1カ月以上の男性育児休業取得率100%達成

活動報告

男性社員1カ月以上の育休完全取得を達成

 子育てを応援する社会づくりをリードする「キッズ・ファースト企業」を目指す積水ハウスでは、2018年9月、3歳未満の子を持つ社員を対象に、1カ月以上の育児休業取得を促す特別育児休業(愛称:イクメン休業)制度の運用を開始しました。男女共、最初の1カ月間を有給とし、必要に応じて最大4分割することができます。

 運用開始以来、対象となる社員全員が取得できるよう全社を挙げて取り組みを推進しており、2019年2月から2020年1月までの1年間で、子が3歳の誕生日を迎えた男性社員415人全員が1カ月以上の育児休業を取得し、取得率100%を達成しました。

 日本の男性育休取得率が伸び悩む中、当社では啓発だけにとどまらず、各種ツールやシステム、フォーラムの開催などを通じて完全取得を継続しています。取得期間の決定や期間中の家庭内の役割分担などについてパートナーと話し合うための「家族ミーティングシート」はWEB上でも公開しています。

 9月19日には「イクメンフォーラム2019」を開催、男性の育休取得促進がより良い社会づくりのきっかけになるよう、この日を「育休を考える日」として記念日に制定しました。また、日本全国の育休実態を調査した「イクメン白書2019」も発表しました(47都道府県の20~50歳代の父親・母親9400人を対象)。

 今後も「イクメン休業」取得者の声を蓄積し、男性の育児・家事参加が女性の活躍や働き方改革にどのように影響するのかを継続して検証。検証結果や成果を広く世の中に発信し、社会課題の解決に役立てていきます。

図:「家族ミーティングシート」

「家族ミーティングシート」はWEBからダウンロード可

図:「イクメン白書2019」

「イクメン白書2019」を発表

ロゴマーク:「育休を考える日」

「育休を考える日」ロゴマーク

TOPICS:男性育休先進国・スウェーデンのヘーグベリ大使と社長が対談

写真:スウェーデン大使のヘーグベリ氏と社長の仲井

スウェーデン大使のヘーグベリ氏と社長の仲井

 「イクメン休業」制度の着想を得たのは、運用開始の4カ月前に社長がIR活動でスウェーデンを訪れた際、公園や街中でベビーカーを押している人がほとんど男性だったことを目の当たりにしたのがきっかけでした。

 その話がスウェーデン大使館にも伝わり、縁あって2020年1月にスウェーデン大使のペールエリック・ヘーグベリ氏との対談が実現。男性の育休取得促進や幸せな働き方などについて意見を交わしました。ヘーグベリ氏からは、スウェーデンも現在の育休制度を整えるのに文化を変えることから始めて60年の歳月を費やしたこと、家族全員が楽しく幸せに生きることを前提に制度を構築したからこそ成功したことなどが語られました。

 日本における男性の育児休業取得率は1割未満とまだまだ低く、課題も多くありますが、積水ハウスグループでは引き続き「イクメン休業」を通じて、男性の育休取得が当たり前になる社会の実現に貢献していきます。

活動方針②
すべての従業員が生き生きと働ける会社を目指して

健康増進と治療を共にサポート → 心身共の健康増進に向け、さまざまな機会を提供

活動報告

健康経営の推進

 「世界一幸せな会社」を目指すには、従業員一人ひとりが健康で、社内外で生き生きと充実した生活を送ることが必須条件となります。健康経営が企業の成長・持続性に資するとの認識のもと、健康経営の方針を定め、時間外労働の削減や有給休暇の取得率向上、健康増進に取り組んでいます。従業員が活力をもって仕事に取り組むためには、身体の健康だけでなく「心の健康(メンタルヘルス)」も良好に保つことが重要です。全社の管理職や入社2~3年目の従業員を対象にした研修を実施し、メンタルヘルスに対する理解を深めています。また、代表取締役4人をはじめとする社内委員のほか、有識者2人を社外委員として加えた「
CSR

CSR

Corporate Social Responsibility の略称。企業が事業活動において利益を追求するだけでなく、あらゆるステークホルダーとの関係性を重視しながら果たす社会的責任。

委員会」を定期的に開催。その傘下の「社会性向上部会」において、取り組みテーマの一つに健康経営を掲げ、「運動」「健康診断結果の活用・生活習慣改善」「分煙・禁煙」などによる健康づくりに取り組んでいます。2020年度、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省の「ホワイト500」に認定されました。今後も心身の健康づくりから「人生100年時代の幸せ」を目指し、先進的な取り組みを展開します。

図:積水ハウスグループの「幸せ」健康経営

「ウォーキングチャレンジ」スタート

図:歩数とオリジナルアプリが連動

歩数とオリジナルアプリが連動

 2019年2月、積極的に歩くことで健康増進を図る「ウォーキングチャレンジ」をスタートしました。自身の歩数を記録することで意識を高め、従業員同士や部署間で楽しく競うことができるよう、オリジナルアプリ「積水ハウスFIT」を開発。「ウォーキングチャレンジ」の参加率は、スタート当初の52% から73% に増え(2020年1月時点)、参加者の平均歩数は約400歩増えています。また、参加者の60% が「以前より健康づくりを意識するようになった」、44%が「社内のコミュニケーションが増えた」と感じており、健康に対する意識の向上と職場の活性化にもつながっています。

AIによる健康のリスク分析と遺伝子検査サービスをスタート

  2020年2月、健康診断の結果からAIが将来のリスクを分析する先進的な技術を導入しました。各従業員の3年後までの検査値が予測され、生活習慣の見直しにより検査値がどのように変化するかシミュレーションすることができます。また、定期的に任意で申し込むことができる遺伝子検査サービスにより、生活習慣病に関する多項目の発症リスクを把握し、生活習慣改善につなげています。

がんまたは不妊治療と職業生活における両立支援制度

  病気になってしまった時、治療(通院)しながら状況に合わせた働き方を可能とする両立支援制度を2019年に導入しました。がん・不妊治療中の従業員を対象に、時短勤務や時差出勤、在宅勤務の利用を可能とし、仕事と治療の両立を図ります。通常は連続3日以上の場合のみ取得を可としている「積立年休」の半日単位での取得や、週休3日勤務も可能としています(勤務日数や時間は主治医の診断による)。