高度な省エネ技術で居住時のCO2排出量を削減し太陽光発電と燃料電池の発電により残りのCO2排出分を差し引きゼロにする「CO2オフ住宅」

積水ハウス株式会社/2008年3月18日

 積水ハウス株式会社は、2008年4月3日より、住宅の高度な省エネ技術により生活に伴い排出されるCO2をできる限り削減したうえで、残りのCO2排出分について、太陽光発電システムと燃料電池の発電による削減効果で差し引きをほぼゼロにする「CO2オフ住宅」 (※1) の販売を開始します。

 

(※1) 「CO2オフ住宅」は、“カーボンニュートラル”を目指すために必要な設備や設計を導入するものです。CO2排出量の差し引きゼロを保証するものではありません。


 日本では、家庭部門におけるCO2排出量削減の取り組みが産業部門に比べ大幅に遅れており、排出量は1990年比で30%以上も増加しています。この結果、家庭部門からのCO2排出量は日本全体の約13%を占め、家庭におけるCO2排出量の削減が国を挙げた緊急の課題となっています。


  「CO2オフ住宅」では、省エネルギー法に基づく次世代省エネルギー基準よりも2割程度性能を向上させた高断熱・気密仕様としたうえで、LED(発光ダイオード)照明や高効率エアコンなどのエネルギー効率の高い設備機器を提案することで、住宅全体の省エネルギー性能を高めます。これにより一般的な住宅 (※2) と比べ電力消費を約3割削減することが可能です。さらに、燃料電池と太陽光発電システムで生活に必要な電力を発電し、太陽光発電システムの余剰分は売電のうえ他の世帯で使用してもらうことで、発電所からの供給電力を減らす、すなわち発電所におけるCO2排出量を削減します。このように、省エネルギー努力のうえで残されたエネルギー消費に係るCO2排出分を、創エネルギー(発電)により差し引きゼロにすることで、“CO2オフ”の暮らしを提案するのが「CO2オフ住宅」です。

 

(※2) 詳細の計算条件等は(※6)を参照。

 


 また、当社では従来より、「里山」をお手本に在来樹種を庭先に植える「5本の樹」計画や、通風や陽射しなどを上手くとり入れた設計を提案し、快適で環境に配慮した住まいを提供してきました。「CO2オフ住宅」は、このような親自然の設計提案を組み合わせることで居住時におけるCO2排出量削減に一層貢献します。


 CO2差し引きゼロ(カーボンニュートラル)を日常の暮らしで実践する「CO2オフ住宅」は、これからの環境配慮時代の住宅提案のモデルとなるものです。また、燃料電池については、各地域のエネルギー供給事業者と連携することで広域のエリアで設置が可能となることから、政府が「京都議定書目標達成計画」で掲げている燃料電池の普及についても大きく寄与します (※3)

 

(※3) 燃料電池は2009年から本格販売が予定されており、2008年は財団法人新エネルギー財団の「定置用燃料電池大規模実証事業」に参画を予定しているエネルギー供給事業者が中心となって燃料電池の設置を予定しています。



■「CO2オフ住宅」の考え方


「CO2オフ住宅」は、居住時におけるCO2の排出を極力抑えたうえで、エネルギー消費に伴うCO2排出量と、太陽光発電システム・燃料電池の発電により削減される発電所のCO2排出量をバランスさせることで、理論上のCO2排出量の差し引きをほぼゼロにするというものです。このように、「CO2オフ住宅」は、先進的な省・創エネ技術を駆使することによって、快適な生活とCO2削減を両立させた最先端の住宅です。


(1)断熱化
(2)省エネ機器導入で電力消費を約3割削減

暮らしのCO2排出を差し引きほぼゼロにする住宅の年間カーボンバランス
(オール電化+大容量太陽光発電システムでの提案も可能です)


【CO2オフ住宅】の設定

東京に建つ延床面積155m2、4人家族を想定し、冷暖房負荷は熱負荷計算プログラムSMASHにより算出。住宅は全てヒートポンプエアコンによる冷暖房とし、燃料電池の効率は発電33%、熱効率45%、太陽光発電システム/出力は4.86kWで算出。CO2排出量の計算は環境省「自主参加型国内排出取引制度」に基づく。また、CO2排出量の計算は東京ガス株式会社の計算に基づく。

 


■価格について


価格は、次世代省エネ基準の断熱性能を2割程度上回る高断熱・気密仕様、エネルギー効率の高い設備・太陽光発電システムの導入分を含め、標準的な仕様よりも1割程度 (※4) アップします。なお、燃料電池については別途エネルギー供給事業者に支払う設置、保守費用等 (※5) が発生します。


一方で、年間光熱費は5万円程度と、1980年代に建てられた平均的な木造住宅 (※6) に比べて約17万円もお得で経済的にも優しい住宅です。


(※4) プランや仕様など各種条件により異なります。太陽光発電システムはkW当たり45万円の特別販売価格です。

(※5) エネルギー供給事業者により契約条件等が異なります。東京ガス株式会社の場合、10年間で100万円の設置、保守費用が発生します。

(※6) 東京に建つ延床面積155㎡、4人家族が住む木造住宅(エアコンは最新型に交換済みと想定)。旧省エネIV地域仕様、冷暖房負荷は熱負荷計算プログラムSMASHにより計算。電気・ガス代は東京電力株式会社及び東京ガス株式会社の2008年3月時点における料金体系を使用。



■CO2排出量削減に向けたこれまでの取り組み


積水ハウスは、2003年8月から全ての戸建住宅で次世代省エネルギー基準をクリアする独自の次世代省エネルギー仕様を標準採用することで、居住時のCO2排出量の削減に貢献してきました。更に、2005年4月の「サステナブル宣言」に基づく具体的行動施策の一つとして、居住時のエネルギー消費に伴うCO2排出量の2010年における推定値比20%削減(1990年比では6%削減)を目指す「アクションプラン20」を2005年6月から推進しています。


「アクションプラン20」では、当社が供給する全ての戸建住宅について、次世代省エネルギー仕様及び高効率給湯器を標準とする他、太陽光発電システムを積極的に推奨してきました。当社施工の既存住宅に対しても、遮熱・断熱複層ガラスや断熱サッシへの切り替えをはじめとする断熱リフォーム等を提案することによって、快適な暮らしを実現しながら居住時に排出されるCO2を削減する取り組みを推進しています。また、燃料電池の採用についても積極的に取り組んでおり、当社は2008年3月現在、49棟の住宅で大規模実証事業に参加しています。


更に当社は2002年には生産工場、2005年には新築施工現場、2007年にはリフォーム施工現場においてゼロエミッションを達成しており、また資材のリデュースに取り組むなど、ライフサイクル全体でのCO2削減を推進しています。



■親自然で環境に配慮した設計でエコな暮らし


当社では従来より、「里山」をお手本に鳥や蝶を呼び、地域の自然と共存する庭づくりを目指す「5本の樹」計画や、通風や陽射しなどの自然を上手に活用した空間設計等を行うことにより、快適でしかも環境に配慮した住まいを提供してきました。「CO2オフ住宅」は、これらの親自然な設計提案を組み合わせることで、できる限り冷暖房に頼らないエコな暮らしを提案します。


室内の快適さは、室外の環境に大きく影響されます。敷地内に樹木を効果的に配置することにより家の周りに心地よい風が生まれ、2方向以上に風が通り抜ける開口部を設置することで、快適な室内環境を実現することができます。また、家の南側や西側に落葉樹を配置することで、夏場は直射日光や熱気を遮り、冬場は日射を室内に取り込むことができるなど、親自然でしかも環境に配慮した設計を行い、CO2排出量を低減する暮らしを提案します。さらに、家の中の風の流れをCADシステムで提案できる通風シミュレーションの導入も予定しています。






■「CO2オフ住宅」の概要(燃料電池搭載の場合)



発売日 2008年4月3日(木)
プラン 自由設計
対応商品 戸建商品
(プランやデザイン等により対応できない場合があります)
販売地域 全国
(寒冷地、多雪地及び沖縄県は除く。また、燃料電池供給可能エリアに限ります)
価格 各商品の標準的な仕様より1割程度アップ
(プランや仕様など各種条件により異なります)
販売目標 初年度年間50棟前後
 

「CO2オフ住宅」の商品サイトは こちら

 


 

<本件お問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
(大阪) 06-6440-3021
(東京) 03-5575-1740

※掲載内容は発表時点のものであり、現在の内容と異なる場合がありますのでご了承下さい。