積水ハウスグループ新入社員歓迎会 社長メッセージ

積水ハウス株式会社/2023年4月1日

積水ハウス株式会社 代表取締役 社長執行役員兼CEO 仲井嘉浩

 まずは、晴れて社会人になられたことおめでとうございます。そして、当社を選んでいただき、こうして一緒に仕事ができることに感謝申し上げます。

 昨年の入社式は、Webでご挨拶させていただきましたが、今年は3会場で、リアルで行えることに大変喜びを感じています。皆さんも、学生時代は様々な苦労をされてきたと思います。特にコミュニケーションの取り方には大変不自由なものがあったと思います。でも、もう大丈夫です。当社の社内の合言葉は「イノベーション&コミュニケーション」です。これからは、ここにいる同期や先輩たちと、大いにコミュニケーションをとってください。

 さて、皆さんは学生生活を終え、今日から社会人となったわけですが、社会人の定義って何だと思いますか。
 私は社会やそこで暮らす人たちに対して価値を提供する立場になったことだと思っています。
 そして、皆さんが、色々な選択肢がある中で積水ハウスグループに入社されたということは、積水ハウスのあらゆる資源、例えば当社の技術力やブランド力、先輩たちが築いてくれた顧客基盤などを使って、お客さまに対し価値を提供することを選択されたということではないでしょうか。
 そのような意味では、当社の先輩の方々は60年もの間、どのような価値を提供してきたのでしょうか。少し振り返ってみましょう。

 まずは、創業から30年(1960年~1990年)を第1フェーズと呼んでいますが、当社は戦後の高度経済成長期における住宅不足を解消するだけでなく、住まい手の命と財産を守るべく高い耐震性や耐防火性能・耐衝撃性能など、「安全・安心」という価値をお客様に提供してきました。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災は、不幸な災害ではありましたが、当社住宅は全壊半壊がゼロと、多くの命を守ることができました。

 次の30年(1990年~2020年)、第2フェーズでは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に代表される断熱や省エネ性能。お年寄りや子ども、さらに車いすの方など、全ての方にとって生活しやすいユニバーサルデザイン。アトピーなどに影響する室内の化学物質を軽減する空気環境配慮技術。最も心地よいリビングの広さや庭との関係を追及した「スローリビング」など、まだまだここで全てを言い表せませんが、様々な技術で「快適性」という価値を提供してきました。

 このように、当社は、常に最高の価値を提供し、我が国の住宅の質を常にリードしてきました。住宅と環境のことを、ここまで愚直に研究し続けてきた会社は、おそらく世界で当社だけでしょう。
今、世界が当社の技術に関心を寄せています。アメリカ、オーストラリア、イギリスを中心に、当社の住宅に関する技術を世界のデファクトスタンダードにしたいと思っています。
 そして、当社は、2020年より第3フェーズの30年間に入りました。新たに「幸せ」という価値を加えたいと考え、NEXT SEKISUI HOUSEのグローバルビジョンを “「わが家」を世界一幸せな場所にする”としました。
 第1フェーズの「安全・安心」や第2フェーズの「快適性」は、さらに技術革新によって進化させながら、新たな価値を加えたい。また言い換えれば、「安全・安心」「快適性」といった強固たるハードがあるからこそ、「幸せ」という価値を追求できると思っています。

 例えば、その一つが 「プラットフォームハウス構想」です。家が住まい手の健康を見守っている、そんな家の研究開発をすでに進めています。

 また、賃貸住宅の管理をしている積水ハウス不動産においては、入居者の方々に、さらに幸せに暮らしていただくために、ブロックチェーン技術を用いたワンストップ型のサービス供給体制や、無人内覧にトライしています。
 積水ハウスリフォームも、さらにDX化を進めることにより、新たな価値提案を行いたいと思っています。当社で建てていただいたので、図面だけでなく、設備から部材に至るまでのすべてのデータを当社は保有しています。これらを駆使することにより、最も適切な時期に、最も適切なリフォーム提案ができると考えています。また、地震や台風の際に、どの地域のお客様が、どれぐらいの被害を受けられ、どれくらい住宅に損傷があったのかなどもAIなどを使えばある程度把握できると考えています。

 積水ハウス建設は、積水ハウスの主要構造部である基礎と建方を施工する会社です。強固なスケルトンを施工する積水ハウス建設の技術は、住まい手の命と財産を守っています。そして今、この技術を積極的に海外に移植しようと試みています。また国内においても、この技術をオープンにし、外販していくことで、我が国の強固な住宅ストックの形成に寄与したいと考えています。

 このように、住宅業界はまだまだやらなければならないことがたくさんあると思っています。私は、住宅は「社会資本」だと考えています。社会資本とは電気、ガス、水道や鉄道、道路といった社会インフラや公共財を思い浮かべがちですが、住宅も立派な社会資本です。したがって強固なものでなければならないし、良質でなければならないし、サステナブルでなければならないし、そして美しくなければならないと考えています。
 このように、皆さんとともに第3フェーズである、NEXT SEKISUI HOUSEを構築していきたいと考えています。そのための合言葉は、冒頭にもお話した、「イノベーション&コミュニケーション」です。

 最後になりますが、世の中、そしてお客様に「幸せ」という価値を存分に提供していくためには、まずは、皆さん自身が「幸せ」になっていただきたい。幸せの基盤として、家族や友人を大事にしてください。また、プライベートな時間も充実させ、ON/OFFの切り替えをしっかりしてください。そして睡眠をよくとって、健康でいてください。
 自律というのは、自分で立つのではなく自分で律するの方の自律を思い浮かべてください。律するということは自分をコントロールするということです。今年は、これとこれのスキルを絶対身に着けようというのがキャリア自律になると思いますし、3年後、5年後にはここを目指そうと計画をたてることが自分を律していくことになると思います。
 スキルとか、キャリア的に成長することだけが自律ではなく、例えば、当社は男性育休を積極的に推進していますが今年はこれだけ休んで子育てに専念しようですとか、ご両親や親戚等、介護状態になられたならば、今年は自身のスキルアップは少しセーブして、時短制度も使いながら、介護に専念する年にしようというのも私は立派な自律だと思っています。自分を律して自分をコントロールしてスケジュールを立てることができるのは立派な自律です。そういう意味で皆さんは自律型の人間になっていただきたいです。そうなることで、イノベーション&コミュニケーションを重ね様々なイノベーションが生まれてくると思います。
 皆さんはこれからここに参加してどんどん価値を提供していく立場になります。当社はB to Cビジネスですので、世の中に価値を提供していくことで、新たなアイディアがどんどん生まれてくるはずです。そのアイディアをコミュニケーションによって、次のアイディア、次の戦略に生かしていくということです。また、皆さんが同期や先輩たちとコミュニケーションをしていく中でもっとイノベーションが生まれるかもしれません。さらに言えば幸せの基盤があって皆さんが自律型の人間になっているというのがイノベーション&コミュニケーションをうまく活用する秘訣かと思っています。

 もっともっとみなさんとお話をしたいですが、時間に限りがあります。皆さんとともに第3フェーズ、NEXT SEKISUI HOUSEを構築していって世の中にお客様に社会に新たな価値をどんどん提供していきたい、そんなことを夢見まして、私の歓迎の挨拶とさせていただきます。

積水ハウス株式会社
代表取締役 社長執行役員 兼 CEO
仲 井 嘉 浩

お問合せ先 積⽔ハウス株式会社 広報室
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