バリューチェーンを通じた顧客満足の追求 教育訓練センター・訓練校

積水ハウスグループでは、将来にわたって安定的に施工力を確保し、施工品質の維持・向上を図るため、人材の育成や次代を担う若い技能者への技術の継承に力を入れています。その一環として「教育訓練センター・訓練校」を設け、技能者の養成に取り組んでいます。2019年度は「躯体外装コース」28人、「内装施工コース」47人の計75人が訓練校を修了しました。修了生の数は累計2786人に上ります。

 「東日本教育訓練センター・訓練校」(茨城県知事認定)、「中日本教育訓練センター・訓練校」(滋賀県知事認定)、「西日本教育訓練センター・訓練校」(山口県知事認定)は、積水ハウス株式会社が直接運営する認定職業能力開発校です。積水ハウスの施工現場に従事することを条件として、積和建設(現:積水ハウス建設)各社や施工協力工事店に採用された若者に、技術・技能をはじめ、社会人として必要な教養やマナーを身につける訓練を行い、第一線で活躍できる人材を育てることが目的です。積水ハウスの施工に必要な知識と技能だけでなく、お客様の満足を実現するために大切な積水ハウスの理念を学ぶところが、他の学校とは大きく異なる点です。修了生は全国各地で施工技能者や施工管理者として活躍しています。若い力が現場に活力を与え、工事能力の強化に貢献しています。
 2019年度は「普通職業訓練 短期課程 プレハブ建築科」として「躯体外装コース」と「内装施工コース」(それぞれ約6カ月間)を開講。「躯体外装コース」では、プレハブ建築に関する専門知識・技術とともに、積水ハウスの各型式における躯体の組立や外装施工を学びました。「内装施工コース」では、内装施工技能者の養成を目標に、基本的な内装下地施工を繰り返し習得しました。
 また、2019年度は「東日本教育訓練センター・訓練校」において「内装施工応用コース」を開設(11月から4カ月間)。さらなる技能の向上を目指し、訓練を行っています。2020年度は「東日本教育訓練センター・訓練校」において「躯体外装応用コース」「内装施工応用コース」を開講する準備を進めています。
 訓練校修了後も、各教育訓練センターで実施している研修に参加し、継続して技術・技能の向上に取り組みます。基礎研修、外装研修、内装研修、内装部位別研修など、多彩なカリキュラムを用意。実務経験やレベルに応じて受講することができます。

写真:「躯体外装コース」修了実技試験(軒天の施工)

「躯体外装コース」修了実技試験(軒天の施工)

写真:「内装施工コース」修了実技試験(出入枠の施工)

「内装施工コース」修了実技試験(出入枠の施工)

訓練基本指針

基本的な技術と技能の習得
 躯体外装:積水ハウスBシステム(軽量鉄骨造)とシャーウッド(木造)およびβシステム(重量鉄骨造)に関する建方工事を主に、基礎工事を含め基本的な技術知識や技能全般を学ぶ。
 内装施工:積水ハウスの内装組立工事(床・天井・壁・間仕切り壁)の基本的な技術知識や技能全般を学ぶ。
安全と現場美化意識の習得
 現場業務従事者として不可欠な安全と現場美化に関する知識を習得する。また、実習を通じて現場での危機回避訓練を徹底して行う。
社会人としての素養取得
 全寮制による共同生活を通じて、所属会社や出身地の枠を超えた人間関係をはぐくむとともに社会人・職業人としてのマナーを身につける。
心身の鍛錬
 規則正しい生活と厳しい実技訓練を体験し、毎日の筋力トレーニングにより、健全な肉体と強固な精神力を養う。
CS活動の基本行動習得
 施工関係技術者・技能者と、お客様の満足向上との関連を理解し、意識付ける。

ベトナムに技能訓練施設開設

 建設業に携わる国内の技能労働者数の減少に鑑み、2019年11月にベトナム社会主義共和国(以下ベトナム)のハノイに、住宅メーカー初となる住宅建設工事向けの技能訓練施設を開設しました。ベトナムからの技能実習生の受け入れ体制を強化し、2022年のベトナム人の登用人数は約300人になる予定です。
 一般社団法人JIC協同組合支援協会と業務委託契約を締結し、現地送り出し機関と連携して受け入れを進めています。技能実習生は住み慣れた環境で当社の施工技術や実践的な日本語を学ぶことができ、来日後はスムーズに業務を開始することが可能です。またベトナムでの家族説明会の開催や現地訓練費用の当社全額負担等に加え受入れ後も、技能実習生に対する手厚い支援を行い、技能実習生が安心して来日できる環境を提供します。
 第一陣として基礎コース6人が2019年11月に現地で訓練を受け、12月に日本に入国し積和建設に採用されています。引き続き基礎コース5人が2020年2月中旬~3月上旬、β外装コース7人が2020年3月に訓練を受けています。指導は施工部、現地送り出し機関、国内で従事しベトナムに帰国した技能実習生が協力して行っています。安全面、技能面はもちろんのこと、現場で必要な日本語指導にも留意しています。今後も着実に訓練を重ね、国内での建築現場での施工力確保と同時に、多様な人材の登用によるダイバーシティ経営の推進に積極的に取り組み、ESG経営のリーディングカンパニーを目指します。

写真:安全教育(座学)

安全教育(座学)

写真:基礎コースでのオートレベル設置実習

基礎コースでのオートレベル設置実習

写真:基礎コースでのオートレベル設置実習

β基礎配筋実習

写真:β外装コース用足場施工

β外装コース用足場施工