バリューチェーンを通じた顧客満足の追求 全社施工品質管理システム

積水ハウスグループでは、住まいづくりの全プロセスで、建築基準法・建築士法・建設業法をはじめとする関係法令を遵守することはもとより、独自の厳しい基準を設け、均質で高精度の品質を確保することに力を注いでいます。中でも「施工品質」は住まいの最終的な出来栄えに大きく影響するため、一棟一棟の確実な施工品質管理、継続的な改善活動、施工品質記録の管理・保存を目的に「全社施工品質管理システム」を運用しています。

お客様に高品質な建物を提供するための施工品質管理体制を確立

 積水ハウス各事業所の現場監督員、施工会社「積和建設」(100%出資の子会社/全国17社)の施工管理者、協力工事店で構成される「積水ハウス会」が連携して、施工品質の維持・向上のための改善活動を継続し、各々の責任に基づいた検査体制を確立しています。

主任検査員制度

 社会的資産ともなる、長期にわたり高い品質を持続できる建物をお客様に引き渡すため「主任検査員制度」を設けています。主任検査員(各営業本部の推薦者で工事店・施工従事者の指導・育成するこができ、「主任検査員研修」を修了し、検査員資格を取得した社員)は「主任検査員検査」を通じて、事業所の施工品質状況・管理体制・検査能力の把握、現場監督員・施工管理者の検査業務支援、重点管理項目の品質改善活動などを行い、施工品質の向上に寄与しています。

施工品質会議

 各事業所の技術次長を中心として「施工品質検査結果」を分析・評価。不具合部位を抽出して、品質改善が必要な事項を検討・共有し、改善計画の立案から具体的な改善活動の遂行まで組織的に実施しています。

認定訓練・検査訓練

 検査技術の高水準化を図るため、現場監督員と施工管理者に対し、それぞれ検査員認定訓練・検査訓練を実施。品質管理技能の習得を促進しています。

施工品質レベルを「見える化」

 一棟一棟の施工品質管理と記録の管理・保存、内部統制を目的に、施工品質管理ツールとして「Q-COMS」「F-COMS」を導入しています。これは、施工現場の検査記録や施工管理報告などを、事業所情報系システム「CANVAS」で一元管理するもの。品質情報を写真と連動させて品質管理を「見える化」するとともに、現場監督、施工管理者(積和建設、本体工事業者)が現場管理専用アプリを搭載したiPadを活用することで、タイムリーな現場管理と一層の品質レベル向上に取り組んでいます。また、iPhone・iPadを利用し、リアルタイムで品質を確認する手法も進めています。入力されたデータをもとに検査データの集計・分析を行い、施工品質改善活動の指針となる資料として活用しています。

「アカウンタビリティ」の徹底

 建築業務時に行うべきお客様への説明が不十分であったために生じる不信感の防止を目的とした「アカウンタビリティ(説明責任)実践支援システム」を策定。現場監督は、お客様に「CANVAS」で作成する「品質計画書」「品質報告書」などのツールを用いて、必要な段階で、必要な事項を確実に説明します。「品質計画書」には、工事担当者、現場管理体制、工事予定のほか、着工前にお客様に説明しておくべき連絡事項などを記載。「品質報告書」は、工事の進捗報告、各工程の検査結果、工事写真、竣工・引き渡し・入居に向けての連絡事項などを記載したものです。説明責任を確実に果たすことで、お客様に安心して着工を迎えていただき、また、入居までの準備を計画的に進めていただくことができます。

■ 「全社施工品質管理システム」概要

図:「全社施工品質管理システム」概要