人と自然の共生社会 緑豊かな賃貸住宅「シャーメゾン ガーデンズ」

「5本の樹」計画の考え方を賃貸住宅のエクステリア提案でも生かしています。「シャーメゾン ガーデンズ」と名付けている賃貸住宅では、「5つの環境プレミアム」を新たな指標とし、建物とともに敷地、周辺環境も含め良好な住環境を創造しています。

「5本の樹」計画の考え方を生かし 賃貸住宅の質を向上

ロゴ:「シャーメゾン ガーデンズ」

 積水ハウスは、「5本の樹」計画の考え方を、賃貸住宅のエクステリア提案でも生かしています。特に、「シャーメゾン ガーデンズ」と名付けている賃貸住宅では、植栽計画は重要な意味を持ちます。

 当社は、まちや自然、暮らす人の観点から敷地環境を高める「5つの環境プレミアム」(①街並みとの調和 ②自然環境の保存と再生 ③環境負荷への配慮 ④快適性を高める設計 ⑤安心・安全をもたらす設計)を指標とし、それぞれの項目に当社独自の厳しい評価基準をクリアした物件を「シャーメゾンガーデンズ」として認定し、建物とともに敷地、周辺環境も含め良好な住環境を創造しています。2019年度は、賃貸物件の受注棟数の約47%にあたる、1,691棟(16,623戸)が、更に厳格化した基準をクリアし、ガーデンズ物件として供給できました。プライスリーダー戦略の一環として、3年後にはガーデンズ物件の比率を70%にまで引き上げる予定です。このような優良な環境の物件は、入居者にとっての住環境を向上させるばかりでなく、オーナー様にとっても入居率や賃料に好影響を与え、資産価値を向上させることになり、将来まで選ばれ続ける賃貸住宅になります。

図:5つの環境プレミアム

既存の街並みや樹木など、その土地の歴史に敬意を払い、新たな「シャーメゾン」計画に生かしています

 都市部の「シャーメゾン」計画では、既存物が多く残る敷地での建替計画が数多くあります。そのような計画では、既存の街並みや周辺環境との調和を図ることはもちろん、その土地の歴史を紡いできた既存樹や素材をできる限り生かした計画とすることで、土地の魅力を最大限に引き出すとともに、新築建物と相まって魅力を高めることで、地域に溶け込む「まちの財産」をつくります。

 その土地の時間軸では、新築は一瞬の出来事です。新たに生産された樹木を植えることも同様です。本来なら何十年もかけてその土地で育っていく樹木。その土地の歴史に敬意を払いながら“今”の計画に生かすことで、現代に柔軟に対応し、新たな住まい方、新たなコミュニティを創造します。

 大阪府吹田市にあるシャーメゾン「Montagne Vent Vert」は、最寄駅から徒歩で約20分の関静な住宅地が広がる高台に住居併用の賃貸住宅を計画。坂道を登り、緑豊かな曲線のアプローチを抜けると、開放感のある眺望が広がり、敷地内外の8mという高低差を生かすことで、プライバシーにも配慮した設計になっています。長く高低差のあるアプローチは、法面際や、曲線に沿って高木を配置することで、木々の間を縫うような楽しみのあるアプローチとなっています。吹き抜けのエントランス空間には、祖父母の思い出の景石を活かした坪庭をデザインしています。土地のポテンシャルを最大限に活かした全体計画に、高低差をうまく活用したみどり豊かなアプローチが、入居者や来訪者を心地よく迎えてくれます。

全景

写真:アプローチ

アプローチ

写真:法面植栽

法面植栽

写真:アプローチ

思い出の景石 完成

写真:思い出の景石 施工中

思い出の景石 施工中

 東京都板橋区にあるシャーメゾン「GRAND CREST」は、丸の内エリアヘアクセスしやすく、緑豊かな公園に隣接する土地で、築40年になるオーナーさまのご自宅の建て替えを計画。庭園を大切にされてきたオーナーさまの想いを継承し、これまでの庭と新たに生まれるファサードが調和するデザインにしています。既存樹木を圧迫感がでないよう数本に絞った松や紅葉をテラス近くに移植し、思い出の樹木を住戸から楽しめる庭としています。メインアプローチは、高低差をゆるやかに解消するためにエントランスまでの動線をクランクさせゆったりとした幅広の階段と奥行きで期待感を演出しています。道路面には、建物と仕上げを統一させたゲートを配置することで高級感を演出、アプローチ沿いに自然樹形の樹木や草花を多く配植し、入居者だけでなく、来訪者や地域住人へも心地よい空間を提供しています。

写真:全景

全景

メインアプローチ

メインアプローチ

エントランスラウンジからの眺め

写真(4)

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緑化率を高め、環境価値の向上と緑を通じたコミュニティを育てる

 入居者にとっても、緑豊かな環境は心地よく暮らすための大切な要素の一つです。入居者同士の自然な交流をはぐくむことができる緑に配慮し、緑化率10%以上を目標に、経年美化につながる緑の環境づくりを提案しています。近隣の人々とのふれあいを生むようなコモンスペースなどをそれぞれの敷地に合わせて計画。コミュニティづくりにも役立てています。また、建物は住棟間の距離や窓の配置などに工夫し、樹木も生かして外部からの視線を自然に遮ることができるよう、プライバシーにも配慮します。植栽する樹木は「5本の樹」を中心とし、
生物多様性

生物多様性

地球上のさまざまな生き物たちの豊かな個性とつながりのこと。食料をはじめ、私たちの日常の暮らしは、この生物多様性に支えられて成り立っている。

に配慮した計画を心掛けています。

写真:コミュニティをはぐくむ緑豊かな「コモンスペース」(1)

写真:コミュニティをはぐくむ緑豊かな「コモンスペース」(2)

写真:コミュニティをはぐくむ緑豊かな「コモンスペース」(3)

コミュニティをはぐくむ緑豊かな「コモンスペース」

「プラチナ ガーデンズ」を展開

 賃貸住宅を対象としていた「シャーメゾン ガーデンズ」に、2015年からはサービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホーム・グループホーム(高齢者・障がい者)等のプラチナ物件も「プラチナ ガーデンズ」として展開しています。 シャーメゾン ガーデンズの評価基準を踏襲しつつ、④快適性を高める設計 ⑤安全・安心をもたらす設計 の項目にプラチナ事業ならではの基準として、入居者や運営スタッフの視点を盛り込んでいます。

 2019年度は29棟870戸を「プラチナ ガーデンズ」として認定しています。