積水ハウスは「新築施工現場のゼロエミッション」を達成しました

積水ハウス株式会社/2005年8月24日


1. 積水ハウス株式会社は、業界初の広域認定制度を活用したオリジナルシステムにより、新築施工現場から発生する廃棄物のゼロエミッションを当初予定より半年早い平成17年7月に達成しました。
2. このオリジナルシステムは、全てを中間処理業者に任せるのではなく、当社が自ら作業することを前提に構築されています。まず、施工現場で廃棄物を27種類に分別し、当社生産工場で更に60種類程度にまで再分別し、既に達成済の工場ゼロエミッションのリサイクルルートに乗せるシステムです。この様に自社で一貫した廃棄物処理ができることにより、トレーサビリティ(追跡可能性)の高いシステムが構築できました。
3. この新築ゼロエミッション実施の過程では、新築施工現場における廃棄物の発生自体を抑制する効果もあり、1棟あたり約2,900kg(平成12年実績)あった発生量が、現在では約1,800kgまで削減されております。今後さらなる削減を目指していきます。
 

■ 積水ハウスの「新築施工現場ゼロエミッション」の特色

 積水ハウス株式会社は、平成17年7月に新築施工現場から発生する廃棄物のゼロエミッション * を達成いたしました。これは平成14年5月の全国6生産工場のゼロエミッション達成に続くものです。
 当社の新築施工現場ゼロエミッションの特徴は、広域認定制度 ** の積極的な活用とトレーサビリティ(追跡可能性)の確保とにあります。
 広域認定制度は廃棄物処理法の特例制度で、建設業界では当社が初めて取得しました。現場加工を伴う製品群を包括した形での認定取得は本邦初のケースとなります。広域認定制度の利用により、新築施工現場から自社工場への廃棄物の輸送が自社の管理体制を使って安定確実なシステムの下で行えるようになり、工場の設備、能力を廃棄物処理においても十分に活用することができるようになりました。
 このシステムは、施工現場で廃棄物を27種類に分別し、それを自社の生産工場で更に60種類程度まで細かく再分別し、既に達成した工場ゼロエミッションのリサイクルルートに乗せることにより、中間処理業者任せではない徹底した自社管理体制の下で責任ある資源循環を進めるものです。
 これにより、廃棄物の詳細な性状に応じたリサイクルと処理完了までの流れを確実に把握することを可能とし、廃棄物処理、リサイクルにおいて大きな課題の一つとされているトレーサビリティ(追跡可能性)を高めるものです。  



■ 新築施工現場ゼロエミッションの取組み


 新築現場で27種類に分別工法の改善やプレカットの導入による発生量削減はもちろん、発生した廃棄物は積和建設(株)や協力会社・工事店などの現場関係者と連携し、27種類に分別されます。
 現場からの廃棄物回収広域認定を取得したことで、新築部材を搬送した戻り便で廃棄物を回収することが可能となり、CO2排出量・運送コストの削減が図れます。
 トラックから効率的に積み降ろし標準化された積載方法で積荷された回収物が、手際よく短時間で降ろされていきます。
 資源循環センターで60種類に分別リサイクルの拠点である資源循環センターでは、さらに効率を高めるために回収資源を60種類程度に分別します。
原料としてリサイクル鉄やアルミ、コンクリートなどは品目ごとに社外のリサイクル業者に委託し、樹脂は再生ペレットなどになります。
自社内で有効利用木粉や廃樹脂は自社でリサイクルし、瓦桟や一部の内装材に生まれ変わります。


■ 予定より半年早く達成

 今回の新築施工現場ゼロエミッションは平成17年度中(平成18年1月)の達成を目指してスタートいたしましたが、目標より半年早く達成することができました。これは、現場作業員、関係会社、各事業所、各工場及び本社を含めた積水ハウスグループが一丸となって取り組んできた結果であるといえます。具体的には、現場での27分別の定着が予想より早くできたこと、分別を含めた現場と工場の役割分担と連携がスムーズであったこと、そして広域認定取得による輸送の効率化が効果的であったことが主な要因として挙げられます。



■ 実施に伴う効果

 当社の「新築施工現場のゼロエミッション」は自社の管理下で実施されていることから、1棟ごとに排出された廃材の種類や量についても詳細な分析を行うことが可能となりました。これにより、廃棄物削減に向けて部材製造や施工方法の見直しを行い、使用部材の削減等により廃棄物の発生自体を抑制する効果もあります。
 こうした取組みの結果、施工現場から発生する廃棄物の削減についても、平成12年の廃棄物発生量が1棟当たり2,893kgであったのに対し、平成17年7月末時点での平均発生量は1,810kgと、約4割の削減を達成しています。
 当社では、新築施工現場ゼロエミッション達成にとどまらず、今後も、サステナブルな社会の実現に向け住まいの長寿命化、資源の循環利用、リサイクルの仕組みを意識した資材構築、居住段階での環境負荷の低減など、総合的な住環境の整備に向け活動を一層強化していく所存です。


【参考】

ゼロエミッション取り組み開始時期

  平成16年1月

当初ゼロエミッション達成目標時期

  平成18年1月(平成17年度)

  広域認定取得日

  平成16年9月17日

  設備投資額 ***

  約8億6,000万円(土地取得費除く)

  コストダウン効果

  約480万円(平成16年1月~平成17年6月末)

 

  約3,900万円(平成17年7月 単月)

 

  約2億5,000万円(第55期(平成18年1月期)下期予想)


* 当社「新築施工現場ゼロエミッション」の定義

新築施工現場から発生する全ての産業廃棄物を対象とし、埋立処分、熱回収を伴わない焼却を一切行わないこと


** 広域認定制度

広域認定制度とは、廃棄物の減量その他その適正処理やリサイクルが確保されることを目的として、製品等の製造者が都道府県の区域を越えて廃棄物の処理を行うことができる廃棄物処理法の特例制度です。この制度は、製造事業者等が処理を担うことにより、高度な再生処理が期待できる場合等に限り、広域にわたり廃棄物を収集し、その処理の工程を一元的に管理するシステムを有することや、再生又は熱回収を行うなどの条件を満たす場合に認められます。従来、多様で複雑な廃棄物の発生する建設業界での認定取得は困難であるとされていましたが、当社は平成16年9月17日に建設業界としては初めてその認定を取得しました(同年9月30日プレス発表済み)。


***  設備投資額の内容

主として工場内にて分別活動を行うための施設である「資源循環センター」の建屋建設費用および関連設備導入費用



<本件お問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
電話 06-6440-3021

東京総務部
電話 03-5352-3113

※掲載内容は発表時点のものであり、現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。