働き方に不満を感じている人の半数以上が5月病を経験 自宅でのリフレッシュのすすめ

積水ハウス株式会社/2023年4月20日

 積水ハウス株式会社は、ゴールデンウィーク明けの体調の変化が起こりやすい時期に向けて、自宅でリフレッシュできる生活空間のご提案を目的に、全国の20~60代の男女を対象に「5月病に関する調査」を実施しました。
 積水ハウスの研究機関の住生活研究所では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のために「住めば住むほど幸せ住まい」研究として様々な調査を実施しています。今回は、体調の変化が起こりやすい時期に向けて、ゴールデンウィーク明けの体調変化の経験や、その原因、リフレッシュ方法などを調査しました。さらに、今年の5月に予定されている新型コロナウイルス感染症の5類移行にあたり、予想される生活の変化を導き出しました。


 *ゴールデンウィーク明けに「職場に行きたくない」「気力がない」など体調に変化が現れた人を、本調査の分析目的上、5月病になったと分類しています。

~調査サマリー~

✔2022年の5月病経験者は35.0%、原因1位は「出社のストレス」が42.3%。
✔5月病は新入社員だけのものじゃない。30代の45.0%、入社3-5年目の61.0%が2022年に5月病を経験。
✔5月病との関連がとくに大きいのは「働き方の満足度」。「睡眠の質や時間」「入浴の質」「家族との関係性」の満足度なども関連あり。

 年代や勤務年数、生活の変化ごとに見たゴールデンウィーク明けの体調変化の傾向や、コロナウイルス感染症の5類移行が予定されている今年ならではの生活の変化についての調査結果をはじめ、ゴールデンウィーク前に整えておきたい住まいでリフレッシュできる空間について、4つの「幸せTips」もご紹介します。


新入社員だけじゃない 昨年は20-30代の4割以上が5月病を経験

 2022年のゴールデンウィーク明けは、35.0%の人が体調の変化があったことがわかりました。体調の変化があった人のうち最も多かったのは「職場に行きたくない」が50.3%で、2位以下は「気力がない」45.0%、「気分が落ち込む」41.3%が続き、気分に関わる変化が上位という結果になりました。

2022年に5月病になったかどうか 2022年に5月病になった人の体調の変化(複数回答・n=189)

 体調に変化があった人に、その原因と感じていることを聞いたところ、コロナ禍前後ともに「出社のストレス」が最多でした。しかし、コロナ禍前の2019年以前は47.1%だったのに対し2022年は42.3%で、コロナ禍を経て4.8ポイント減少しています。在宅勤務やフレックス勤務が広がり、柔軟な働き方が可能になったり通勤時間の混雑が緩和されたりして、出社の負担が軽減された人がいると予想されます。また、コロナ禍前後で最も変化が大きかったのは「役職や仕事内容の変化に対する悩み」で、10.0ポイント増加しています。コロナ禍で出社やゴールデンウィーク期間中の生活の変化などが緩和された分、仕事上の変化にフォーカスが当たったのかもしれません。
 2位はコロナ禍前後ともに「人間関係の変化や悩み」、3位はコロナ禍前は「ゴールデンウィーク期間中の生活習慣の変化」コロナ禍後は「早起きのストレス」という結果になりました。5月病は新入社員がなりやすいというイメージがあるようですが、誰しもがなる可能性があると考えられます。

Qゴールデンウィーク明けに体調に変化が表れたと回答した人にお伺いします。その原因と感じていることを全て教えてください。

 5月病になった人の割合を年齢別にみると、20代が43.3%、30代が45.0%ととくに高い一方、50代も3割近くが5月病になっており、5月病に年齢はあまり関係はないと言えそうです。勤続年数別にみても、最も多いのが「3年以上5年未満」の61.0%であったことからも、5月病は若者や新入社員に限らず、誰にでも起こりえるものであると考えられます。

2022年に5月病になった人の割合

 生活の変化があった直後はとくに5月病になりやすいこともわかりました。直近の生活に変化があった人となかった人で5月病になった人の割合をみると、「(生活の)変化はない」人の29.0%に対し、「(生活の)変化があった」人では13.4ポイント高い42.4%という結果になりました。例年の生活変化に加え、ゴールデンウィーク明けに予定されている新型コロナウイルス感染症の5類移行で普段より変化が大きな今年は、とくに5月病に注意したいですね。

2022年に5月病になった人の割合

マスク着用理由はコロナ予防が半数以上 女性の26.9%は「素顔を見せたくない」

 5類移行より一足先に、3月よりマスクの着用が自由化されましたが、多くの人の生活に変化はあったのでしょうか。マスクの着用意向を聞いたところ、「屋外・屋内問わずマスクをつけたい」と回答した人が35.2%で最も多い結果となりました。「屋外でのみマスクを外し、屋内では原則つけたい」「屋外ではマスクを外し、屋内では人の密度や重症化リスクの高い人などを考慮し、シーンに合わせてマスクをつけたい」と回答した人も含めると、屋内でマスクを着用したいと考えている人は75.5%で、マスクはこれまでと変わらず着用し続ける人が多いことが予想されます。また、男性よりも女性の方がマスクの着用意向が高いこともわかりました。

Q2023年3月13日より屋内でのマスク着用は「本人の判断にゆだねられる」ようになりますが、あなたのマスク着用に対する考え方に関して最も近いものをお答えください。

 屋内ではマスクをつけたいと回答した人にその理由を聞いたところ、男女ともに半数以上が「コロナウイルス感染症の予防」を挙げました。自由化の時期が3月であったこともあり「花粉症の予防」や「インフルエンザなどの対策(コロナ以外)」が続く結果となりました。感染や花粉対策以外では「マスク生活に慣れてしまったため外すことに抵抗があるから」と回答した人が最も多く、男性は23.4%、女性は36.1%でした。また、女性は「素顔を見せたくない」26.9%、「表情を見られなくてすむから」24.5%、「肌トラブル(ニキビやシミ、しわなど)を隠せるから」19.4%といった項目を挙げた人も多く、マスクは人に見られることを避けたり、顔の気になるところを隠したりするためのひとつのツールになっているのかもしれません。

Qマスクを引き継ぎ「つけたい」または状況に応じて「つけたい」と回答した人にお伺いします。その理由としてあてはまるものを全て教えてください。(複数回答)

5類移行の懸念は感染リスクやマスクの判断、人間関係など 昨年の5月病経験者は今年も要注意

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、63.7%の人が生活が変化すると回答した一方、変わらないと考えている人も25.4%という結果になりました。生活が変化すると考えている人のうち、「飲み会(食事会)が増える」と回答した人が最も多く38.4%、2位は「旅行が増える」が36.3%、3位は「友人と集まる機会が増える」が34.3%となりました。5類移行後は、多くの人が飲食やレジャーなどを楽しむ機会が増えることになりそうです。

Q新型コロナウイルスが感染法上の第5類に移行することで、あなたの生活は変わると思いますか。 Q第5類移行で生活が変わると考えている人にお伺いします。どのように生活が変わると思いますか。(複数回答・n=344)

 一方で、5類移行後の生活の変化で大変だと想定することは、全体では「コロナウイルス感染症のリスク」を挙げた人が33.9%、「コロナウイルス感染時の医療費の自己負担」が31.9%と、引き続きコロナ関連の不安を感じている人が多いことがわかりました。27.8%の人は「マスクをつける・外すの判断への迷い」と回答しています。また、5月病の主要な原因の一つである人間関係に関わる項目を挙げた人が一定数以上いることもわかりました。
 全体の結果に対し、昨年5月病になった人は全ての項目において大変だと想定している割合が高い結果となりました。「人間関係のストレスの増加」と回答した人は27.5%で、全体(15.9%)との差が11.6ポイントと最も大きな項目でした。昨年5月病を経験した人ほど今年も5月病に注意が必要といえそうです。

Q今後新型コロナウイルス感染症が感染法上の第5類移行で起こる生活の変化の中で、あなたが大変だと想定するのはどのようなことですか。(複数回答)

働き方に不満を感じている人は満足している人に比べ、5月病経験率が約2倍に

 働き方、睡眠や入浴の質、家族との関係性などの項目において、満足度が高い人ほど5月病になりにくいことがわかりました。中でも働き方において「満足」または「概ね満足」と回答した人のうち26.5%が2022年に5月病になったのに対し、「少し不満」または「不満」と回答した人では23.9ポイント高い50.4%が5月病になっており、とくに5月病との関連が大きいことが読み取れます。

2022年に5月病になった人の割合

 働き方の次に5月病との関連が大きかったのは睡眠で、「満足」または「概ね満足」と回答した人と「少し不満」または「不満」と回答した人の5月病経験者の割合は、22.9ポイントの差となりました。睡眠は質だけでなく、睡眠時間も5月病に関連していることがわかりました。睡眠時間は短ければ短いほど5月病になりやすく、睡眠時間が「7時間以上」の人では5月病になった人が25.4%であるのに対し、「5時間未満」の人では20.7ポイント高い46.1%が5月病になっていることがわかりました。

2022年に5月病になった人の割合

 日ごろのリフレッシュ方法では、1位が「食事」で40.4%、2位が「睡眠」で39.4%と、生活の中でリフレッシュをしている人が多いことがわかりました。3位以下は「趣味」37.2%、「音楽、映画、動画等の鑑賞」36.3%と続いており、好きなことをしてリフレッシュする人も少なくないようです。一方で、満足度が高いほど5月病になりにくいことがわかった「入浴」は、回答した人が2割以下で、リフレッシュのために入浴している人は限られるようです。ゆっくりと「入浴」をする時間をつくり、リフレッシュできるとよいかもしれません。

Qあなたは、日頃どのようにリフレッシュされていますか。(複数回答・N=540)

4つの「幸せTips」で自宅でしっかりリフレッシュを

 調査では、5月病は幅広い年代の人が経験していることや、仕事や働き方と5月病との関連が高いことが判明しました。また、今年の5月は新型コロナウイルス感染症の5類移行により、多くの人が生活の変化を想定しており、とくに昨年5月病を経験した人は今年も注意が必要であることが読み取れました。5月病との関連が高いことがわかった睡眠や入浴の質を高めたり、家族との時間を大切にしたりして、上手にリフレッシュできるとよさそうです。
 積水ハウスでは、寝室やバスルーム、リビングなどで、リフレッシュできる空間をご提案しています。ここではゴールデンウィーク前に整えておきたい住まいでリフレッシュできる空間について、4つの「幸せTips」をご紹介します。

① 自分だけのおやすみルーティーン:寝る前にリラックスできるルーティーンをつくってみてはいかがでしょうか。白湯を飲む、入眠音楽を聴くなど、ぐっすり眠れるための自分だけの工夫を毎日続けて習慣化しましょう。寝室には、暖かい色の落ち着いた照明がよいでしょう。「サーカディアンリズム」と呼ばれる体内時計をより整えるためには、調光・調色の照明を取り入れるなどもおすすめです。

② 日々の疲れを取るバスタイム:入浴は、リフレッシュできることに加え、睡眠の質を高めるためにも大切と言われています。体温が下がって寝付きやすくなるように、就寝の2~3時間前にお湯につかって入浴しましょう。忙しくて時間が取れない日は、入眠直前に身体を温めすぎないよう、シャワー浴で済ませるのもポイントです。入浴後はリラックスできるスキンケア、ボディケアスペースをつくり、ゆっくりと自分を労わる時間を持つのもいいかもしれません。

③ 家族団らんで幸せチャージ:仕事や生活の中で感じたストレスを忘れさせてくれるのは、身近な人と過ごす時間ではないでしょうか。話を聞いてもらったり一緒に楽しい時間を過ごしたりするうちに、気持ちが切り替わっていきそうです。一緒に食卓を囲んだり、ティータイムのような団らんの時間をつくったりして、家族と一緒に息抜きしてみてくださいね。一人暮らしの人は、柔らかいものを抱きしめながら大切な人と電話等で話すのも効果があるようです。

④ 癒しにつながるインドアグリーン:人は本能的に緑を求めるものだ、という「バイオフィリア」の考え方をご存じですか。グリーンを取り入れた空間デザインは健康や癒しにつながると注目されています。室内にグリーンがあると副交感神経が優位になること、視界にグリーンが入ると心身ともにリラックスし、疲労が回復することが医学的にわかっています。リビングや寝室にグリーンを取り入れることは、部屋が華やぐだけでなく、心の落ち着きにもつながります。

 ぜひ皆様も4つの「幸せTips」を参考に、ゴールデンウィークを迎える前に住まいのリフレッシュ空間を整えてみてはいかがでしょうか。

 

住生活研究をはじめとする住まいの専門家 河﨑由美子メッセージ

春は、進学、就職、転勤や異動など、生活環境が大きく変わる季節です。調査でも、生活の変化があった人が5月病になりやすいという結果も出ています。少しでもストレスを感じたら、蓄積する前にリフレッシュできるようにしたいものです。
私は「幸せTips」に加え、普段の帰宅ルートでのウォーキングや、寝る前の軽い筋トレなどでストレスを発散しています。心も身体もすっきりするので、運動好きの方におすすめです。朝に自分のテンションをあげる「朝の活力アップルーティーン」も効果的です。翌日の服装を夜に決める、普段より少し早めに起きてみる、窓を開けて換気しながら朝の空気を吸うなど、自分に合ったものを行ってみてください。アップテンポな音楽や朝のニュースを聴いて、窓辺のグリーンに水やりをするのもいいでしょう。自分なりにリフレッシュできるルーティーンをつくって、上手にストレスコントロールをしてみてくださいね。


河﨑由美子
フェロー R&D本部
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。
執行役員、住生活研究所長を経て2023年4月より現職。一級建築士。


<「5月病に関する調査」調査概要>
調査期間:2023年3月20日~22日
集計対象人数:540人
集計対象:全国の20~60代の男女


<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス 住生活研究所」による調査である旨と、引用元調査「5月病に関する調査(2023年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事(https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20230420/)へのリンク追加をお願いします。

<住生活研究所について>


積水ハウスが2018年に開所した、日本の企業として初めて「幸せ」を研究する研究所です。
人・暮らしの視点で、ライフステージ・ライフスタイル、そしてこれからの住まいのあり方の調査・研究を行っています。今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。研究を通して、幸せという無形価値、つまり「つながり」「健康」「生きがい」「私らしさ」「楽しさ」「役立ち」といった幸福感を高め、家族やライフスタイルの多様な変化に対応する幸せのかたちをお客さまへご提案することを目指しています。
ウェブサイト:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/rd/humanlife/
これまでの調査リリース:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/