幼保連携型認定こども園 青葉幼稚園

園庭を中心に5棟をつないだ回遊性の高い園舎で安心して遊べる環境をつくります

青葉幼稚園が大規模な認定こども園へと移行することに伴い、新園舎を計画。
路線やマンションが隣接する敷地環境から、園庭を囲むように園舎が建つ中庭型とし、近隣へ配慮するとともに、園児たちが安心して遊べる屋外空間を確保しました。
建物は軽量鉄骨造4棟の保育棟と、木造で天井高5mの大空間である遊戯棟で構成し、各棟をウッドデッキや屋上の渡り廊下でつなぐことで、回遊できるつくりに。
子どもたちはデッキ空間を通じて風や緑を日常的に感じ、屋上をぐるぐると走り回ったり、園庭で植物とふれ合うなど、活発な外遊びを楽しむことができます。
屋内には15の保育室と多目的室、大人数が集える遊戯室を設け、内外でいきいきと活動できる園舎としました。

園児を迎えるメインアプローチには石と植栽を組み込んだ蛇籠(じゃかご)を設け、印象的なファサードとしました。

東側からの鳥瞰。南側には線路が、北と西側には大型マンションが建つ立地。近隣への音の配慮と園児の見守りを両立する中庭型の配棟計画です。

思いきり駆け回れる広々とした園庭には、様々な体験ができるよう、大型の遊具や菜園、ウサギ小屋などを配置。
南保育棟の背後には線路が走り、電車の姿を観察できます。

西保育棟から見た園庭。中庭型の園庭計画で、外遊びをする子どもたちの姿をどこからでも見られるため、安心して遊ばせることができます。

玄関は0~2歳児の登園や来客などを迎える園の顔として、 杉の造作材や無垢の床など、木材をふんだんに使い、温もりのある空間に。

エントランスホールの一角にある秘密基地のようなスペース。子どものイドコロのひとつとして自由に活用できるよう、 床で上下を分け、子どものサイズの小空間をつくりました。

秘密基地のようなスペースの上部は杉の縦ルーバーで囲まれた読書コーナー。

0~2歳児の保育室は、落ち着いた生活が送れるように配慮し、木の温かみの中にペールトーンの色彩を加え、優しい雰囲気に仕上げました。

3~5歳児の保育室は壁や天井の梁に杉板を貼り、木の風合いをいかした明るい空間。園庭に向けた大きな開口から光と風が入り、身近に自然を感じられます。

遊戯室は大人数が集まれよう、間口12m、奥行き16m、高さ5mの木造大空間。奥行き4mの大型ステージには、発表会などのための緞帳や照明、音響設備が備わっています。

高窓からも光が入る開放的で明るい空間。床にはレッドオークの無垢材を使用。壁には反響を抑える吸音ボードを採用しています。

多目的室。茶道を学ぶ場として杉の格子天井やサクラの床柱、床の間をしつらえ、格調高い空間に。

各棟を渡り廊下でつなぐことで、一体感と回遊性を持たせています。1周ぐるりと走り回ることができ、活発な外遊びを後押しします。

ウッドデッキは、保育室と園庭を結び、縁側のように活用できます。

多彩な体験ができる、仕掛けに富んだ園庭。 好奇心をくすぐる舞台のような築山には、子どもが入れる土管のようなくぼみを設けました。 側にシンボルツリーとして鳥が実を好むムクノキを植えています。

実のなる木々を中心に植え、ともに過ごすことで四季を知り、自然の営みを感じる場となるよう工夫しています。

初夏はジューンベリー、秋はドングリなどの実りの喜びを体験できます。

施設情報

タイプ 認定こども園
定員

391名

敷地面積 4,955.61㎡
延床面積 1,971.37㎡

その他の建築実例