子育て支援・定住促進住宅 

若者世代の定住促進にむけて、
PPP事業で実現した子育て支援住宅

敷地面積:2153.09㎡  延床面積:A棟/457.83㎡、B棟/472.74㎡  
構造:軽量鉄骨造2階建 建築地:千葉県香取郡多古町

背景とニーズ

  • ・多古町では人口減少が続いており、とくに若年層の町外流出が深刻な課題となっている。
  • ・このため町では、子育て世代の移住・定住を促進するため、様々な子育て支援策を展開してきた。その結果、子育て世代から「多古町への移住を検討したい」といった問い合わせが増えてきていた。
  • ・しかしながら、町内には公営住宅がなく、民間の賃貸物件も築年数が古いものが多い上、単身向けの間取りが中心であるため、子育て世代のニーズに合った賃貸が不足していた。
  • ・一方、隣接する成田国際空港の滑走路増設や圏央道の開通、多古インターチェンジの整備などにより今後の人口流入が期待されるものの、移住・定住を受け入れるための住宅整備は遅れている状況であった。
  • ・町では、これらの課題解決に資するファミリー向け定住促進住宅の整備を推進するため、予算や人的リソースの確保が課題であることから、民間のノウハウや技術、資金提供を求める公募を実施することとした。

ソリューション

  • ・地域の活性化に貢献したい意欲のある事業主と不動産会社によるプロジェクトチームを結成し、以下の事業スキームを提案して採択された。
  • ・建築用地は多古町と事業主の間で50年間の土地使用貸借契約を締結し、無償貸借とした。事業主が建て主となって建設資金を調達し、建物の設計・施工は積水ハウスが請け負った。建物の入居者募集や管理・運営は、地域での物件管理の経験が豊富な不動産会社が担当した。
  • ・完成した建物は、多古町と事業主との間で30年間の一括借上契約を締結したうえで、事業主との転貸借契約を結び、事業主が大家として賃貸事業を継続する。これにより多古町は不動産管理に人員を割くことなく、子育て支援住宅を整備することができた。
  • ・30年間の一括借上契約満了後、事業主は当該建物を一般賃貸住宅として引き続き管理・運営する。土地使用貸借契約が満了する50年後には、建物を解体・撤去した上で多古町に土地を返還する計画である。
  • ・将来的に入居者が多古町で自宅を購入して定住することを見据え、戸建てに近い生活イメージが持てるメゾネットタイプを採用した。 
  • ・子育て世帯が暮らしやすいよう、コンセントの位置は赤ちゃんの手の届かない高さに、電気スイッチは小さな子どもでも届く低さに設置するなど、細部まで配慮を施している。
  • ・入居者の快適な生活と経済的負担の軽減を考慮して、建物はZEH仕様とした。各戸に接続された太陽光発電システムを入居者が利用でき、発電した余剰電力は売電できるようになっている。
  • ・入居者同士の交流を深めるため、シンボルツリーを配した広場を設けた。また、子どもが安心して遊べるよう、フェンスで囲んだ専用の遊び場も併設した。
スキーム図

成果

  • ・多古町は、建物の建設資金を調達することなく子育て支援住宅を整備でき、さらに人的リソースを割くことなく継続的な管理・運営が可能になった。 
  • ・全戸が完成と同時に満室になるほど高い反響を呼び、入居者の半数以上が県外を含む町外からの移住者となった。 
  • ・子育て支援住宅の整備を含む多古町の先進的な取り組みが評価され、一般社団法人日本子育て支援協会が選ぶ第5回「日本子育て支援大賞2024」(自治体部門)を受賞した。 

「町で取り組む子育て支援」 
千葉県香取郡多古町