研究報告

夏季の結露リスクに関わる気象の変化

#健康・快適

#湿気

積水ハウス株式会社/2025年6月

近年、夏季の外気が高湿化し、室内でのカビの発生や冷房しすぎによる隠ぺい部(壁体内や天井裏)での結露被害(夏型結露)が増加しています。結露が発生すると、天井や壁などの解体・改修が必要で、建物所有者や管理者に多大な負担となります。これを回避するには、建物設計時に事前に対策を講じたり、気象条件に合わせて、冷房の使い方を工夫する必要があります。

本研究では、全国の湿度環境の経年変化を把握するため、気象庁の2000年、2010年、2023年の気象データを用いて、1年の中でも露点温度(空気が結露し始める温度)が高くなる8月の月平均露点温度マップを作成しました。

結果として、露点温度は全国平均で10年ごとに1℃上昇しており、将来的に夏型結露への対策は全国的に必要となる可能性があることが示されました。

建設地の将来の気象変化も考慮して、暮らし方の提案や建物の設計をすることが重要となります。

全国の露点温度の経年変化