研究報告

薄鋼板複合構造用合板を用いた耐力壁の開発

#安全・安心

#地震

積水ハウス株式会社/2019年9月

木造軸組構法において、面材耐力壁の性能決定要因として面材くぎのせん断特性が重要です。面材くぎのせん断特性を調整することで、耐力壁の性能を変化させることが可能と考えています。本研究は、薄鋼板を構造用合板に複合することで付加機能を持つ耐力壁の開発を目指し、薄鋼板複合構造用合板に対する面材くぎの一面せん断特性を評価しました。

鋼板厚、鋼板複合面、接着剤の有無を実験パラメータとし、全9仕様の要素実験(ロケット型せん断実験)を実施しました。結果、鋼板を複合した合板は耐力と剛性が増大し、特に合板表面より裏面に鋼板を複合する方が効果的であることがわかりました。また、薄鋼板はくぎの変形形状にも影響を与えることが確認されました。

この要素実験から、薄鋼板を複合した合板を用いることで、耐力壁としての性能向上の可能性が示されました。今後は耐力壁の面内せん断実験などを進めていきます。

試験体概要と実験後の面材くぎの変形形状

試験体概要と実験後の面材くぎの変形形状