研究報告

電磁波伝播特性を用いた木造大壁躯体の含水率の評価に関する基礎的研究 その2

#安全・安心

#耐久性

積水ハウス株式会社/2025年12月

近年、木造住宅の長寿命化が求められており、そのためには住宅の現状を把握できる正確な点検・診断技術が必要です。
柱や梁などの構造躯体は内外装の各部材に覆われ、壁の内部で雨漏りや漏水、結露などによる劣化が進行していても目視で認識することができません。

本研究では、複数の要素によって構成された木造躯体の含水率計測手法の確立を目指し、計測に影響が与えると考えられる各要素の検討を行いました。
その結果、電磁波レーダー計測機器と計測対象物である木材の間に水が存在していた場合、計測値に影響を与えるため、木材の含水率の推定には注意が必要であることが分かりました。
またの木材に水分傾斜がある際への計測値への影響として、木材全体の含水率ではなく、表面状態に依存することが分かりました。

壁モデルを用いた壁内木材の計測状況