研究報告
主観的健康観が高まる住まいの環境とは?
#健康・快適
積水ハウス株式会社/2025年6月
主観的健康観とは、自らの健康を自己評価する指標です。1986年から「国民生活基礎調査(厚生労働省)」に取り入れられており、主観的健康観が高い人ほど生存率が高いことが知られています。
室内環境と主観的健康観に関する既往研究では、室内環境要素として参照する建築情報は居住者へのアンケート調査に基づいており、正確性に欠ける懸念がありました。
本研究では戸建て住宅を対象に、建設時の図面・仕様情報から取得した客観的な室内環境要素に着目し、質問紙による主観的健康観との関連を分析しました。
その結果、寒さや騒音を感じる、埃を見る頻度が高いほど、主観的健康観は有意に減少し、リビングから緑(木・植物)が見えると主観的健康観は有意に増加しました。また、本研究の特徴である客観的な室内環境要素の分析では、リビングにおいて吹抜けや無垢挽板床材を用いることも主観的健康観の有意な増加と関連しました。