研究報告
アルミ着色建材の長期暴露試験から得られた耐候性に関する結果と考察
#安全・安心
#耐久性
積水ハウス株式会社/2023年10月
建築物の外装材にはメンテナンスにかかるエネルギーやコストの低減が期待されており、さらなる耐候性の向上が求められています。部材の耐候性を評価する際には、主に紫外線・熱・水分などを人工的に付与する促進耐候性試験が用いられますが、「実際の自然環境下でどのような変化を生じるか?」に関する長期データは意外に少ないのが現状です。
そこで当社では、京都府と沖縄県において15年にわたり長期暴露試験を継続し、促進試験の模範解答ともいえる各種塗装の実力値を得ました。本研究では、暴露地域や塗装仕様の違いが耐候性に与える影響について考察しました。
その結果、宮古島は京都に対して2~3倍の促進性を期待できること、複合被膜(旧JIS・A種)は京都において15年を超える美観の維持が期待できるが加熱硬化型塗装(アクリルウレタン)では10年程度で変退色が比較的大きくなる可能性を見出しました。
屋外暴露試験地の例(沖縄)
暴露試験体の設置状況