03 遊びも学びも主体的になれる子どもたちの「居どころ」が家のあちこちに

この家の特徴のひとつに、玄関から続く長い土間があります。人工芝を敷き、一段下がったこのスペースは、長男のサッカーの練習や、弟たちとボール遊びをする場所としてちょうど良い広さで、雪や雨の日に子どもたちが帰ってきて濡れた上着を脱ぐのにも最適なスペース。カバンや上着は脱いだらそのまま土間に置きます。このちょっとした空間が子どもたちの居どころをさらに広げています。

そして、ダイニングの壁は、シールを貼ってもキレイに剥がれる壁。それを知った子どもたちがいつの間にか自由に好きな絵などを貼るように。お友達が遊びに来て絵を貼っていくこともあるとか。その時々で、壁一面が埋め尽くされるほどたくさんの絵が飾られていることもあるそうです。

大人はここに貼るものについて一切口出ししません。子どもたちが飾るのでキレイに整ってはいなかったり、大人から見るとちょっと下すぎる場所だったりもします。でも実は、子どもの目線の高さに飾ることは、子どもの成長にとってとても大切なこと。自分たちの世界を主体的に見ることができるようになり、自立が促されます。

「家をキレイに使うというよりも、子どもたちに家をどんどん使いこなしてほしいと思うんです。賃貸のときと違って、傷や汚れを気にする必要がないので、むしろそれが子どもの成長の証しとして、思い出を刻んでいると思っていますし、のびのびと楽しんでもらえていることが何よりだなと思います」

子どもたちが日々思い切り駆け巡る、個室のない大空間は、1階にも2階にも、子どもの居どころがたくさんあります。子どもたちは家中どこでも自分の居場所を見つけて、一緒に遊んだり、思い思いに過ごしたり。そして、さっきまでボールを蹴って遊んでいたかと思えば、突然ダイニングテーブルに座って真剣に文字を書き始めたりと、遊びも学びもひとつなぎ。仕切りなくゆるやかに空間がつながっているからこそ、活動の切り替えも自然とスムーズにでき、自由に、自分で考えてやりたいことをやりたいときにやるという自主性が育っていきます。

男の子3人が自由に過ごす毎日、傷ができたり汚れたり、部屋が散らかって大変なときもあります。でも、Sさん夫妻は、“今”を大切にしたいと微笑みます。

「映える空間も素敵ですが、家族の“今”が表現されている空間こそが、その家族にとっての幸せな家だと思います。子どもの“今”を尊重し、興味や関心のあることに合わせて、それを自由に表現できる場をこれからも作っていきたいと思います」

モンテッソーリ教師
あきえ先生

お子さんの「今」を大切にしながら、その時々の姿や願いを見つめ、環境を柔軟に変えていくことはとても大切です。「受け入れられている」という気持ちや安心感はもちろんのこと、主体性や当事者意識も育まれていきます。

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