モンテッソーリ教育では、実際に見て触れる体験を通して、小さな子どもも大人と同じようにリアリティのある生活を学んでいくことを大切にしています。家でできる“本物の体験”の中で、料理は特に親子で楽しめる体験のひとつ。ただ食べるだけでなく、どんな食材がどんなふうに調理されて食卓に並べられるのか、その過程に子どもも参加することで、好奇心や食への興味が育まれ、親子のコミュニケーションも自然と広がっていきます。
食を通して有意義な親子のおうち時間が過ごせるように、“食を愉しむ”をコンセプトに作られた積水ハウスのモデルハウス「内藤さんち。」へ料理家の松本朱希子さんと娘の橙(ゆず)ちゃんをお招きし、小さなお子さまでもお手伝いしやすい簡単レシピをご紹介いただきました。第1回目は、おうちでピクニック気分を味わえる「手作りハンバーガー」です。

松本朱希子
料理家。大学在学中に料理家のアシスタントを経て、工房でランチを出したことを機に「かえる食堂」を開始。著書に『かえる食堂のお弁当』(筑摩書房)、『かえる食堂でいただきます 24の季節から知る、からだにおいしいレシピ79』(祥伝社)、『かえる食堂のおやつの本 祖母に教えてもらった懐かしくてやさしい味』(扶桑社)などがある。
Instagram: https://www.instagram.com/matsumotoakiko_/
01 手作りハンバーガー(4人分)

材料
ハンバーグ(5個分)
お好みの具

①:まずは具材を切ります。マッシュルーム・玉ねぎはみじん切り、トマトは粗めのみじん切りに。子ども用の包丁を使って丁寧にマッシュルームを切っていきます。

「内藤さんち。」の調理台はダイニングテーブルと同じ高さになっていて、座って調理できるのが特徴。自然と椅子に座って作業を始めた橙ちゃんは「座った方が切りやすい!リラックスしてできるよ」と言いながら、とても集中してマッシュルームを切っていました。
②:油をひいたフライパンに玉ねぎと塩ひとつまみを入れて炒め、しんなりしたらマッシュルームを入れ、トマトを加えて炒め合わせます。そこにA(オイスターソース、みりん、しょうゆ)を入れてぽってりするくらい水分が飛んだら取り出します。

③:ボウルにミンチと塩しっかりひとつまみを入れ、こしょうをひいてこねます。続いて溶き卵と粗熱のとれた②、皮をむいてすりおろしたじゃがいもを入れ、その都度こねます。


④:しっかりこねたら、5等分して平らな丸形に。


⑤:フライパンに油をひき、ハンバーグを焼きます。片面に焼き色がついたらひっくり返し、水(分量外)をハンバーグの底が少し浸るくらい加えて蓋をして蒸し焼きにします。

⑥:水分がなくなったら蓋を取ってハンバーグを取り出し、余分な油をキッチンペーパーでふき取ります。
⑦:そのままフライパンにB(水・しょうゆ・みりん)を加え、やや水分がとんだらヘラで混ぜながら水溶き片栗粉を加え、とろみをつけます。ハンバーグを戻してソースを絡めて完成です。
「調理に手をかけるのはハンバーグだけにして、他に挟む具はちぎったり切ったりするだけのものにすると、気軽に子どもも準備を楽しめると思います。今回用意したもの以外に好きな具を用意しても良いですよ。パプリカやアボカド、オリーブなど、お好みで」
⑧:ハンバーガーの旗を作ります。
絵を描くのが得意な橙ちゃんは、ハンバーガーを作ったらよく手書きの旗を作るそう。その時の気分や自由な発想でお手製の旗を描いていきます。

「子どもが作る旗は、今回のように好きな絵を描いても良いですし、紙に自由にペンをはしらせて、好きなところを三角や四角で切り取っても可愛いですよ」

⑨:好きな具材を重ねて、食べる。
ハンバーガーの中身はそれぞれが好きなものをはさみます。橙ちゃんは嬉しそうに大好きなピクルスをたくさん重ねていました。

好きなものを好きなだけ乗せて、家族みんなで食べる手作りハンバーガーは、自然と笑顔がこぼれる“しあわせレシピ”。いつもは「ケチャップつけすぎ!」などと注意していても、このハンバーガーのときだけは子どもの好きなように任せてみるのも良いかもしれません。家族の会話もはずんで、きっと格別なおいしさになるはずです。


あきえ先生
子どもにとって、調理器具や自分の手を使って食材に触れ、料理をつくる過程を体験することは、成長のうえでとても大切なことです。そして、そうした体験に気軽に参加できる環境が整っていることでよりお子さんの「やりたい」「できた」につながりますよね。
撮影場所
Tomorrow’s Life Museum 関東内ライフスタイル型モデルハウス「内藤さんち。」

食事を通した家族団らんの時間を大切にできるように作られた「内藤さんち。」のキッチン。調理台と食卓が同じ高さでひと続きになっているため、空間に仕切りがなく、調理をする人も座ってリラックスしながら同じ目線で食卓にいる人と会話ができます。みんなで作ってそのまま楽しめるスタイルなので、ホームパーティのようなにぎやかな食事の場にもぴったりのキッチンです。
実際に見てみる
https://www.sekisuihouse.co.jp/tlm/index.html