ライフステージや家族構成の変化は
自分をご機嫌にする
“個室リノベ”のチャンス。
リビングダイニングの居心地をより良くする。
水回りの使い勝手をアップする。
さまざまなタイプのリノベーションがある中で
個室は二の次になりがちですが、
じつはライフステージの変化や暮らしの豊かさと
密接につながる大切な空間。
そこで今回は、 “個室リノベ”のコツやアイデアを
ご紹介します。
子どもが独立した後は
夫婦それぞれの時間を楽しむ
住まいや暮らしの理想のかたちは、ライフステージや家族構成によって大きく変わるもの。子どもが独立し夫婦ふたりになって今後の暮らしを見据えたリノベーションを考えはじめた、という方も多いのではないでしょうか。
「大切なのは、お互いが自分の時間を楽しめる空間づくりをすることです」と話すのは、これまで数々のリノベーションを手掛けてきた積水ハウスGMオーナーデスクの坂本一郎さん。「空いた子ども部屋を上手に活用して趣味の部屋にしたり、これを機に夫婦別寝室を考えてみるのもおすすめです。寝室をただ眠るだけの個室から、自分をご機嫌にできる個室にする。家族との関係が成熟してきた今だからこそ、あらためて自分だけの時間をデザインし、この先の人生をより豊かなものにしていただければと思います」。
空間づくりのカギを握る素材と光
音の演出にもこだわりたい
時間を気にすることなく本や映画を楽しんだり、コーヒーやウィスキー片手に静かにくつろいだり、一日の終わりにゆっくりとからだのケアをしたり。「そんな大人の時間を心地よく受け止める空間づくりは、素材と光がポイントです」と坂本さん。床には、ふんわりと足を包むウールカーペット。壁には、上質な風合いの漆喰や和紙や織物クロス。そして、陰影が美しいホテルライクな間接照明。「音の演出も加えると、パーソナルな心地よさが増します。たとえば、アナログレコードに針を落とした時のプツ…プツ…という微かな音。デジタルにはない深い味わいに、心が癒されます」。
好きなものを丁寧に選び、自由に組み合わせて、その世界に浸る。個室だからこそ叶えられる贅沢です。
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1. 新たにウォークインクローゼットを設けるなら、収納力や機能性だけではなく、インテリア性にもこだわりたい。
2. ひとり静かに過ごす至福のひととき。高さの違うスタンドを配置すれば、空間に心地よい陰影が生まれます。
3. 和室を書斎や趣味の部屋に。大規模リノベーションではなく、造作やインテリアの工夫で魅力的な個室を生み出すことができます。
4. 透過性のある間仕切りにすれば閉塞感がなく、家族の気配を感じながら自分だけの時間を持つことができます。
子どもの成長に合わせて
わが家らしい個室リノベを実現
夫婦ふたりになってからではなく、子どもの成長やライフスタイルの変化など、その時々の家族や暮らしに合わせた個室リノベも効果的です。
その事例を紹介しましょう。4人家族のO様邸では、リビングに勉強机を置いていた次男様が思春期を迎えたことをきっかけに、3つの個室をリノベーションされました。「もう少し広い家に住み替えることも検討したのですが、通学や通勤に便利ですし、静かな環境も眺めの良さも気に入っているので、ここで何とか工夫してみようということになりました」(ご主人)。
ハンドル操作で手軽に動かすことができる可動間仕切収納なら、こんなセミオープンの間取りにすることも可能。
❶家族全員ロフトベッドに。 下段はコートなど長めの衣類も収納でき出し入れもしやすいので、かなり便利なのだそう。
❷可動間仕切収納で分けられた長男様の部屋。 デスクが間仕切収納と一体型になっているため、スペースに無駄がありません。
❸ご主人の寝室兼書斎。可動間仕切収納にしたことで生活動線もスムーズになったと大満足。
❹ご主人と長男様の部屋は、空間をより効率よく使えるように、扉を引き戸に変更しています。
課題は、限られたスペースの中でいかに一人ひとりのプライバシーを守るか、ということ。そこで、まずは“高さを有効活用する”という発想で全員のベッドをロフトタイプにすることを決定し、そこを起点に空間づくりに取り組んだそうです。「私と次男は同じ部屋なのですが、ロフトベッドにすることでそれぞれのパーソナルスペースと収納スペースを効率よく確保することができました。また、夫と長男の部屋は、壁ではなく可動間仕切収納で仕切ることで、空間全体がすっきりと整いました」(奥様)。可動間仕切収納はハンドル操作で手軽に動かせるため、息子さんたちが独立後、オープンなワンルームにしたり、セミオープンにしてゆるやかにゾーニングしたりと、夫婦ふたりの暮らしに合わせて間取りを変更することができます。
こうした融通性や可変性のあるアイテムは、フレキシブルな空間づくりの強い味方。他にも、透過性のある間仕切りでつながりを持たせながら空間を仕切るなど、個室リノベはアイデア次第で可能性がどんどん広がります。
好きなことを好きなだけ
個室は正解のない自由な空間
個室は、リビングやダイニングといったパブリック空間に比べると使い方が自由で、いわば正解のない空間です。大掛かりなリノベーションは労力的にもコスト的にもハードルが高くなりますが、造作やインテリアなどの工夫でも十分、自分らしい空間づくりは可能です。
広さはそれほど重要なポイントではありません。6帖でも10帖でも、好きなことを好きなだけ楽しめる自分だけの場所がある。そんな豊かさのある暮らしを、個室リノベで描いてみませんか?