建売住宅と注文住宅の違いとは?積水ハウスの担当者に聞く、後悔しない住まい選びの5つの視点
マイホームの検討をはじめると直面するのが「建売住宅か、注文住宅か」という選択です。両者の違いをわかりやすく例えるなら、洋服選びに似ています。すでに出来上がっている服を試着して、自分に似合うか、着心地はどうかをその場で確かめて選ぶのが「建売住宅」。一方で、自分の体型に合わせて生地やボタンまで一つずつ選び、ゼロから仕立てていくのが「注文住宅」です。
「プロが選んだ間違いない一着を、すぐに着こなしたい」 「時間はかかっても、自分だけにぴったりの一着をこだわり抜きたい」どちらの選び方にもそれぞれの良さがありますが、住まいという大きな買い物においては、自分たちの価値観や理想のペースに、どちらがフィットするのかを見極めることが何より大切です。
では、この「選び方」の違いによって、住まいづくりの進め方や、その後の暮らしはどう変わるのでしょうか?今回は、多くの方が迷われる両者の違いについて、5つの視点から整理していきましょう。建売住宅・注文住宅ともに実績が豊富な積水ハウスの担当者に尋ねてみました。
今回お話を伺った担当者
積水ハウス株式会社 赤坂剛志さん
大阪出身。2014年より住まいづくりに携わり、阪神間から泉州エリアまで幅広く経験。実家の建替えを経験し、建売住宅・注文住宅の両方を見てきた立場から、後悔しない住まい選びを施主目線で提案しています。
目次[閉じる]
はじめに:建売住宅か注文住宅か?住まい選びの視点
本日はよろしくお願いします。まず大前提として「建売住宅」と「注文住宅」はどのような住まいを指すのか教えてください。
赤坂さん(以下、赤坂):「建売住宅」は、土地と建物がセットになって販売される住まいのことです。間取りや仕様、価格が決まっていて、完成していれば実物を確かめてから購入できる安心感があります。当社では「分譲住宅」と呼ぶことが多いですね。一方で「注文住宅」は、自分の土地に一から設計して建てる住まいのことで、自由な家づくりを楽しむことができます。
なるほど。言葉の意味としての違いはわかりましたが、実際に検討するとなると自分たちはどちらに向いているのかで迷ってしまいそうですね。一般的には、どのような基準で選ぶのが良いのでしょうか?
赤坂:一般的には、予算や立地、いつまでに入居したいかといったスケジュールを優先して選ばれるケースが多いですね。ですが、積水ハウスでご検討いただく際は、それらに加えて「どのようなプロセスで住まいを形にしていきたいか」という視点も大切にしていただきたいと考えています。
私たちは、注文住宅と建売住宅をそれぞれ異なる価値提供の形として位置づけています。注文住宅では「理想の暮らしが実現できる」、建売住宅では「積水ハウスが培ってきた高品質な選択肢から選べる」というようにそれぞれにコンセプトがあり、暮らしを豊かにするアプローチが異なります。
どちらも品質やサービス水準は変わらないので、大切なのは自分たちの理想の暮らしにどうフィットさせるかという視点です。
とはいえ、実際にご自身で判断するのは難しいもの。ここからはいくつかのポイントにしぼって、建売住宅と注文住宅それぞれの特徴と選び方のポイントを整理してお伝えしていきます。
①自由度の高さ:どちらも共通。こだわりから選ぶか、プロの提案から選ぶか
赤坂:注文住宅を選ばれる方の多くが、その最大のメリットとして自由度の高さを挙げられます。 たとえば「庭とつながるLDKで寛ぎたい」「アイランドキッチンで料理を満喫したい」といった明確な理想を描いている方にとっては、そのこだわりをダイレクトに反映できる注文住宅が、もっとも納得感のある選択肢になるはずです。
積水ハウスの注文住宅では、お客さま一人ひとりの暮らしに対する考え方や感性を大切にし、ニーズに寄り添った住まいづくりを重視しています。設計段階からていねいに対話を重ね、住むほどに愛着が深まるような、個性と心地よさを兼ね備えた住宅の提供を目指しています。住まいは単なる建物ではなく、ご家族の人生を豊かにする暮らしの場であることを何より大切にしています。
自由度が高いのは魅力ですが、一方で自分のイメージをうまく言葉にして伝えられる自信がないという声もありそうです。そのあたり、実際はどうなのでしょうか?
赤坂:実際の建物を見学しながら好みや暮らし方をヒアリングし、より満足度の高い提案につなげるのはもちろんですが、近年はツールもうまく活かしていますね。「好みがまだ明確でない」という方には、好きなインテリア画像を選ぶことで、言葉にできない感性を可視化し、共有できる「インテリアコミュニケーションツール」をご用意しています。また、当社が開発したデザイン提案システム「life knit design」も好評ですよ。
それは安心ですね。一方で、すでに形が決まっている建売住宅の場合、どのような点を魅力に感じる方が多いのでしょうか?注文住宅にはない、建売ならではの魅力も気になります。
赤坂:建売住宅と聞くと、量産型で画一的なイメージをお持ちかもしれませんが、積水ハウスの建売住宅は一邸ごとの個性を尊重してプランニングしています。270万戸超の実績と、多くのオーナーさまの声を活かした「暮らしやすい間取り」をベースにしつつ、大開口サッシや吹き抜けを取り入れるなど、彩り豊かな空間を実現しています。一から設計することはできませんが、設計士が暮らしやすさを追求して考案した質の高いプランをご提案しています。
自分たちで一から決めるほど好みが具体的でない方にとって、プロが仕立てた多彩なスタイルのなかから、感性にぴったりの一邸を選べるというのは心強いですね。
赤坂:はい。そのような方が建売住宅を選ばれることが多いです。すでに完成した平面図で間取りを確認できるので、暮らしのイメージもしやすく、検討も進めやすいという声もあります。さらに「life knit design」のインテリア提案を取り入れるなど、上質なプランやインテリア空間をご用意していますので、実物を確かめながら、理想のスタイルに合致する住まいを納得感を持って選んでいただけます。
①自由度の高さのポイント
- 注文住宅
- ライフスタイルや好みを対話で伝え、間取りや素材を一から作り上げていくスタイル
- 建売住宅
- 設計士が暮らしやすさを追求して考案した、完成度の高いプランから選ぶスタイル
②性能・クオリティの差:積水ハウスの住まいは、どちらを選んでも同じ高品質
注文住宅と建売住宅、それぞれに良さがあることがわかりました。一方で、検討者の方が気にされるのが性能の違いです。「建売住宅は、注文住宅に比べて家の基礎となる性能面で差があるのでは?」という疑問もありますが、実際はいかがでしょうか?
赤坂:実は、そこは誤解されやすいポイントなのですが、積水ハウスにおいては、注文住宅と建売住宅のどちらにおいても、構造や性能に差はありません。どちらを選んでいただいても、耐震性や断熱性能、そして長期にわたる耐久性は共通して備わっています。安全や快適さの基準については、建売住宅であっても同じ品質基準のもとで住まいづくりが行われています。
どちらを選んでも「積水ハウス基準」の安心が手に入るというのは驚きです。一般的には、建売住宅なら性能を調整して価格を抑えるという選択肢もありそうですが、なぜ共通の品質を追求し続けているのでしょうか?
赤坂:私たちは、耐震性・断熱性・耐久性といった住宅性能は、家族の安心・快適を守るための「土台」だと考えています。どれほどデザインが優れていて、お気に入りのデザインでも冬に寒ければ満足度は低いでしょうし、万一の災害への備えは長く暮らすうえで不可欠ですから。当社ではいずれの住宅タイプでも、建築基準法や住宅性能表示制度などの公的な基準を大きく上回る独自の品質基準を設定しています。
住宅タイプや工法が違っても、同じ性能レベルというのは安心感があります。
赤坂:はい。もう一つ補足すると、性能を語るうえで欠かせないのが施工品質です。性能数値をしっかりと発揮するには確かな施工力が必要で、当社では設計・施工・検査の各段階で厳格な管理を徹底しています。
※ 多雪地域を除く、一般地域の性能です。性能はプランによって異なる場合があります。
②性能・クオリティの差のポイント
- 注文住宅
- 独自の品質基準に基づき、高い耐震性や断熱性をオーダーメイドで実現
- 建売住宅
- 注文住宅と同じ品質基準を適用し、プロが仕立てた住まいで高い性能を享受
③保証の違い:住んでからの安心も一生モノ、アフターサポートは全戸共通
長く住むとなると「建てた後の保証」も気になります。注文住宅と建売住宅で、保証期間やサポート内容に差はあるのでしょうか?
赤坂:そこもご安心ください。当社では注文住宅・建売住宅のどちらにおいても、業界でも最長水準の永年保証を導入しています。構造や性能において両者に違いはありませんので、どちらを選んでも積水ハウスならではの高品質な暮らしを末長くご提供できます。
それは心強いですね。「永年保証」という言葉がありますが、具体的にはどのようなしくみなのでしょうか?
赤坂:はい。当社では、初期保証30年を基本として、建物がある限り保証を延長できる再保証制度「ユートラスシステム」を整えています。これは、積水ハウスの高い技術力によって長く、安心して住み続けられる品質を実現しているからこそ提供できる制度です。30年目以降も、適切なメンテナンス(有料点検・補修)を行うことで、お子さまやお孫さまの代まで大切に住み継いでいただけるようサポートいたします。このしくみを維持するため、約1,500名のメンテナンススタッフが在籍し、まるでホームドクターのように寄り添って、定期点検や修繕対応を行います。
※ 保証には一定の条件があります。
長期保証制度(永年保証) | 永く住むためのサポート | 戸建住宅・注文住宅 | 積水ハウス
③保証の違いのポイント
- 注文住宅
- 独自の永年保証により、引き渡し後も生涯にわたる安心を継続
- 建売住宅
- 注文住宅と変わらない永年保証を適用し、将来の資産価値を維持
④スケジュールの違い:入居までのスピードは、住宅タイプで大きく異なる
入居までのスケジュールは、建売住宅と注文住宅で異なりますか?
赤坂:入居までの流れや期間は、両者で大きく違います。完成している建売住宅であれば、ご契約から早くて1〜2ヵ月で入居することが可能です。
建売住宅は、かなりスピーディーですね?
赤坂:建売住宅は、プランが確定した建物+土地をセットで購入するスタイルのため、手続きが明快です。住宅ローンの事前審査~契約~ローン申し込み~引渡しという流れで進み、忙しい方や早期に住まいを必要とされる方にとって、スムーズな入居が大きなメリットです。
注文住宅は、入居までどれくらいの期間がかかるのでしょうか?
赤坂:注文住宅では、設計から工事着工、完成・入居までに約1年程度かかる方が多く、さらに長期で計画されるケースもあります。土地探し~プラン・見積もり・資金計画~土地契約~建物契約~着工~引渡しという流れが一般的で、この間にローン審査やローン申し込みの手続きも加わるため、1年があっという間です。建築する土地をお持ちでない場合は、土地探しからはじめる必要があり、さらに時間を要することもあります。
注文住宅は1年単位で楽しむと考えておくと、心のゆとりが持てそうですね。
赤坂:注文住宅のプロセスには時間がかかる分、理想の住まいを一から創り上げる楽しさや、暮らしに対するこだわりを反映できるのが魅力です。積水ハウスでは「邸別自由設計」で想像を超えた理想の家を引き出しますので、設計士などプロフェッショナルの提案にもご期待ください。
④スケジュールの違いのポイント
- 注文住宅
- 約1年〜、じっくり時間をかけて「プロセス」を楽しむ
- 建売住宅
- 最短1〜2ヵ月、手続きがシンプルで早い
⑤資金計画の立て方:住宅ローンの借り方・タイミングの違いには注意!
建売住宅と注文住宅は入居までのスケジュールが大きく異なりますが、そうなると資金を準備して支払うタイミングも違いが出てくるのでしょうか?
赤坂:たしかに、支払いのタイミングや住宅ローンの手続きが大きく違いますね。まず完成した建売住宅を購入する場合は、契約から引渡しまでの流れが比較的シンプルです。住宅ローンも、引渡し時に一括で融資が実行されるのが一般的です。
つまり建売住宅は、金融機関から借りたお金でまとめて支払い、その後に住宅ローンの返済がはじまる、という一般的な買い物と同じしくみですね。注文住宅は、どこが違うのでしょう?
赤坂:注文住宅の場合、土地の購入、契約、着工、中間金……といった段階ごとに費用が発生します。立地や住まいの規模によりますが、土地代は数千万円単位、中間金などが数百万円単位でかかることが多いです。
「完成している建売住宅」と「注文住宅」のお金を支払う一般的なタイミング
住宅タイプによって、お金を支払う回数やタイミングが異なります。
| 完成している建売住宅 | 注文住宅 | |
|---|---|---|
| 1 | ー | 土地購入時 |
| 2 | 申込時 ※ | 設計申込み時 ※ |
| 3 | 契約時 | 契約時 |
| 4 | ー | 着工時 |
| 5 | ー | 上棟など(中間金) |
| 6 | 引渡し時 | 引渡し時 |
※ 会社によって異なります
なるほど。注文住宅の場合は、建物が完成する前にも何度か支払いが発生するということですね。それらもすべて、建物完成時の住宅ローンで一度に支払えるものなのでしょうか?
赤坂:住宅ローンは完成した建物+土地を担保にするので、一般的には、引渡し日に全額まとめて融資が実行されます。土地購入時や建築途中に、その都度、融資を受けるのが難しいこともあるんですよ。
※ 住宅ローン商品によって融資回数などが異なります。
自己資金で用意できない場合、どうすればいいのでしょうか?
赤坂:住宅ローンの実行前に必要な資金を一時的に補う「つなぎ融資」を利用できます。これは住宅ローンが実行されるまでの間に、土地代や着工金などを支払うための一時的な融資のことです。建物完成後に実行された住宅ローンですべて返済できますが、つなぎ融資の利息分や手数料などが別途かかります。
注文住宅のローン手続きは、かなり複雑なのですね。
赤坂:初めての方には少し複雑に感じられるかもしれませんが、積水ハウスでは銀行や税理士、ファイナンシャルプランナーなど資金のプロフェッショナルと連携し、わかりやすくていねいなコンサルティングを行っています。贈与や相続といった専門的なご質問にも対応可能です。
それは安心です。ほかにも、資金計画を立てるうえで気をつけることを教えてください。
赤坂:費用面での検討時には、「土地と建物の総額を把握すること」「将来の維持費や税金も含めた資金計画を立てること」が重要です。積水ハウスでは、お客さまのライフプランに合わせた資金シミュレーションを行い、無理のない予算で住まいを実現できるようサポートしています。最初に適正な予算を導き出すことで、安心して住まいづくりを楽しんでいただきたいと思います。疑問やご不安なことがあれば、担当者までお気軽にお尋ねください。
建売住宅と注文住宅の特徴がよくわかりました。本日はありがとうございました。
⑤資金計画の立て方のポイント
- 注文住宅
- 段階的な支払いが発生。「つなぎ融資」の活用など綿密な計画が必要
- 建売住宅
- 支払いは引渡し時の一括融資。予算の総額が最初からわかりやすい
まとめ:あなたの理想を叶える「一邸」を見つけにいこう
今回は、住まいのプロの視点から、建売住宅・注文住宅それぞれの魅力をお伺いしました。
「建売住宅」は、プロが厳選した土地とプランで新生活をはじめられるスピード感と安心感が魅力です。一方で、「注文住宅」は、家族のこだわりを一つひとつ形にし、世界に一つだけの理想を叶える喜びがあります。それぞれ家づくりのプロセスや入居までの期間、予算の立て方は異なりますが、どちらを選んだとしても、積水ハウスがこだわっている性能や品質、アフターサービスは変わりません。引渡し後のお付き合いの方が長いからこそ、特に品質やアフターサービスが共通しているのはうれしいポイントです。
住まいの検討時には「建売がいい、注文がいい」と決めつけず、視野を広げてみると理想の住まいとの出会いに恵まれそうですね。まずは積水ハウスのモデルハウスや分譲地、分譲住宅に足を運んでみて、感性に響くスタイルを見つけることからはじめてみませんか。
- 筆者プロフィール
- 住宅ライター 長谷川史江
- 宅地建物取引士。マンションデベロッパーの営業職を経て、名古屋・東京で約15年の編集職の後、独立。主に住宅ライターとして、新築住宅やリノベーション住宅を多く取材している。