お手入れ方法
洋室・和室 壁
外まわりを美しく維持することは、住まいの耐久性を高めるだけでなく、美しいまちなみづくりにも役立ちます。外壁は風雨にさらされるうちに汚れや傷みが進んでいくので、定期的に点検をしましょう。
材質に合ったお手入れが基本
壁・天井のほとんど(一部を除く)がせっこうボード下地の上に仕上げを施しています。仕上げの種類の特徴に合ったお手入れを行なうことが大切です。
壁・天井仕上げの特徴とお手入れの違い
クロスの種類の見分け方
目立たないところを選び、水滴をつけてみてください。水がしみ込まなければ樹脂系クロス、しばらくして水がしみ込めば、布クロスもしくは紙クロスです。
クロスの汚れは、十分な換気で軽減
いつのまにか汚れてしまっている壁や天井。手あかなど直接汚れを付けるものもありますが、主にはたばこの煙に含まれるヤニや室内での調理による油分・水蒸気、空気に含まれるほこりなどが原因です。
日頃から換気を十分に行ない、たばこの煙や油分を室外にできるだけ早く排出することで汚れはかなり軽減されます。また、換気によって湿気の排出を充分行なえば、カビ発生の心配もありません。
特に、エアキス仕様のクロスを使用している場合は、空気がクロスを通過する際に汚れなどの微粒子を取り込んで汚れるのでご注意ください。
普段のお手入れはほこり払いで
クロスにほこりがつかないように普段からこまめにほこり払いを使って掃除をしましょう。ほこり払いは、静電気の効果で表面を軽くすべらすだけでほこりをよく吸着します。ほこりがひどい場合は、掃除機で吸い取るのも有効です。
手あかの黒ずみは消しゴムで
スイッチまわりやコーナ一部など手の当たる部分が黒ずんできたら、消しゴムを試してみましょう。きれいなプラスチック消しゴムを使うのがコツです。こすり過ぎるとクロスが破れることがありますので注意しましょう。
汚れた消しゴムでは、逆に汚れを付けてしまうのでご注意ください。
樹脂系クロスが汚れてきたら洗剤拭き
テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの電気製品の周辺は、静電気の影響で空気中のほこりがクロスに付着しやすく、特にたばこのヤニや油煙は空気が滞留しやすい天井コーナ一部などに蓄積され、汚れとなります。
クロスの汚れを放置すると表面の凸凹に入り込み除去しにくくなるので、気が付いた時に洗剤拭きをしましょう。
油汚れがつきやすいキッチンの壁クロスなどは、汚れたらすぐにお湯拭きする習慣をつけましょう。
- 中性洗剤をぬるま湯で薄め、雑巾を固めに絞って拭きます。クロスのジョイント部に水気をしみ込ませないように注意しましょう。クロス糊は水性なので、しみ込むとはがれることがあります。
- クロス表面の凸凹に入ってしまった汚れは歯ブラシでこすります。
- 汚れが落ちたらきれいなお湯に替え、固めに絞った雑巾でていねいに軽く拭き取ってください(表面に洗剤などが残ると変色しやすくなります)。
- 最後に乾いた雑巾で乾拭きして仕上げます。
水拭きや洗剤拭きをする前に、必ず表面のほこりをほこり払いで除去するか、掃除機の先を浮かしながら吸い取ってください。
特に静電気の影響で付着したほこりを除去せずに水拭きをすると、汚れが落ちにくくなりますのでご注意ください。
中性洗剤以外の洗剤やシンナーなどの有機溶剤は、変色や表面を傷める原因となりますので使用しないでください。
布などでこすりすぎると壁紙が破損する場合があります。無理にこすり落とそうとせず、ていねいに軽くたたくようにして汚れを軽減させてください。
カビが生えた時は漂白剤で(樹脂系クロスのみ)
洗面所などの浴室出入口や洗面カウンター周辺など、湿気の多い場所でクロスが変色した場合は、カビの可能性があります。カビはクロス表面だけでなく、下地の石膏ボード面に生えることもあり、その場合も変色したように見えます。
表面のカビは布かブラシでこすり落とします。中性洗剤で除去できないカビ汚れの場合は、薄めた塩素系カビ取り洗剤(漂白剤)で漂白できる場合があります。カビ取り剤の成分は水拭きし、乾拭きで水分を取ってよく乾燥させてください。
クロスは塩素系カビ取り洗剤によって変色する場合があるので、目立たない場所で試してからお使いください。
油性ペンの汚れは除光液で(樹脂系クロスのみ)
サインペンなど油性インキをつけてしまった場合は、樹脂系クロスならマニキュア用の除光液で落とせます。お化粧用のコットンか柔らかい布に除光液を含ませて汚れを拭き取ります。
クロスは、色柄が薄くなったり、消えたり変色することがあるので、目立たない場所で試してから行ないましょう。
布クロス、紙クロスのお手入れは歯ブラシで
布クロス、紙クロスに水分は禁物。こまめにほこりの除去などをして、日頃から汚さないように注意してください。
手あか類は消しゴムを用い、消しゴムで取れない汚れやほこりがクロスの凸凹に入り込んだ場合は、歯ブラシでかき出しましょう。頑固な汚れを無理に取ろうとすると、かえって表面が荒れて見苦しくなることがあります。また、洗剤や水を使うと汚れが輪ジミになって取れにくくなりますのでご注意ください。
クロスの黄色い汚れや周辺の木部の白い汚れは?
クロス糊は水溶性の透明に近い糊のため、まれにドア枠やサッシ額縁のまわりなどの糊の拭き残りが、数力月経つと黄色い汚れや白い汚れになることがあります。放置しておくとだんだん取れにくくなりますので、お手数ですがお湯で拭き取るか、カスタマーズセンターにご相談ください。
- 熱いお湯にタオルを浸し、汚れ部分にお湯を塗りつけてしばらく放置します。
- 糊がふやけてきたら、固めに絞ったタオルで拭き取ります。
- 最後に乾いたタオルで水分を十分に拭き取っておきます。一度で取れなければ、1、2の作業を繰り返してください。
お手入れのポイント
クロスのはがれを貼り直す方法
ヘラでクロスのはがれた部分を少し広げ、裏の汚れや糊を水で絞った布で拭き取ります。
十分に乾燥させてから、クロス用の糊を裏面と下地面の両方にヘラでうすく均ーに塗り込みます。
クロスを少し引っ張るようにして貼り、ローラーでしっかりと押さえます。
表面に凸凹の多いクロスは、ローラーで押さえると跡が残るので、ローラーの使用を避けて、乾いた布で押さえるようにしてください。
はみ出したのりをそのままにしておくと変色の原因になります。のりがはみ出したら、固く絞った布などで拭き取りましょう。
はがれたクロスにくせがついている場合は、ローラーで押さえた後、押しピンで仮り止めします。また、あて布をして低温のアイロンで蒸気を出さずに(クロスをこがさないように)押さえる方法もあります(凸凹のあるクロスはアイロンの使用をお避けください) 。
ネジ・釘・ピンを抜いた跡を目立たなくする場合
ネジなどを抜いた跡をヘラや指などで押さえ、平らにします。穴のほこりや石膏ボードの粉などを除去し、クロスに合う色の穴埋め材を選びます。
穴埋め材のノズルの先を穴に軽くあて、穴埋め材を少量押し出して穴を埋めます。
凸凹のあるクロスの場合は、埋める時にノズルの先やヘラで凸凹をつくります。穴埋め材を出しすぎた場合はヘラで平らにし、固く絞ったきれいな布で拭き取ります。
クロスの色と「クロス穴うめ材」の色が違って補修箇所が目立つ場合は、ポスターカラーなどで着色します。