お手入れ方法
フローリング
木などの天然素材を使用しているフローリングは親しみがあり、風合いが良い分、案外デリケートです。
たとえば、床に細かい砂などを残したまま歩くと傷をつけてしまいます。
素材の特徴を知れば、暮らしの注意点や上手なお手入れに役立ちます。日頃から、こまめなチェックを心がけましょう。
木質フロアは、特徴をよく知って管理することが大切
木質フロアには、複合床板と単層(無垢)床板の2種類があります。
複合床板とは、基材の上に化粧単板を張ったもので、ほとんどの木質床板がこのタイプです。積水ハウスの複合床板は、基材に一般的なベニヤ合板より硬質なMDF(中質繊維板)などを使い、表面の耐へこみ性を高めるなどの工夫をしていますが、日常生活で「固い物をひきずらない」「重い物を落とさない」などの配慮も大切です。
単層(無垢)床板は、無垢材独特の高級感がありますが、気温・湿度の変化による伸縮が大きく、隙や割れ、反りが複合床板よりも発生しやすいのが特徴です。冬の乾燥する時期には、加湿器などによる湿度管理(40~60%)が必要です。
化粧溝・継ぎ目
木質フロアは塗装で表面を保護していますが、継ぎ目や化粧溝は汚れがたまりやすく、また、水分・洗剤・ワックスがしみ込みやすく、変色やふくれの原因になりますのでご注意ください。
表面塗装
木質フロアは保護のために樹脂塗装をしていますが、長期間の掃除機がけや歩行による摩擦で徐々に表面塗装がすり減ってくると、表面の光沢がなくなり、汚れやすくなります。
普段のお手入れは掃除機がけ、ほこりが多いときはフロアワイパーがけ
木質フロアは表面のほこりが目立つ上に散りやすいので、掃除機の排気でほこりを舞い上げないよう吸引します。床表面に傷がつきますので、掃除機の先端アタッチメントは木床用に設定してください。
細かなほこりが多い時は、フローリングワイパーを利用すると、家具の下や隙間などを手軽にお掃除できます。
化学モップ(油性の集塵剤を含浸させたレンタルモップなど)で木質フロアを強くこすらないでください。化学モップの集塵剤が床に付き、ほこりを吸い寄せて黒く汚れてしまいます。化学モップは本来、軽く床の表面をすべらせてほこりを集める掃除道具です。
汚れがひどい場合だけ水拭き+乾拭き
汚れがこびりついて掃除機だけでは落ちない場合だけ、水拭きをします。木質フロアに水分をしみ込ませないように、雑巾は固くしぼって使いましょう。それでも落ちない場合は次の手順で洗剤拭きします。
- 住居用中性または弱アルカリ性洗剤など、所定の倍率に薄めたものを使って拭きます。
- 水で固く絞った雑巾で洗剤分を拭き取ります。
- 乾いた雑巾で乾拭きします。
上手にワックスがけをするために
ワックスの効果について
ワックスは、その被膜により歩行などの摩擦による軽い傷を埋めてきれいに見せ、床表面の光沢をプラスして美観を維持します。ワックスの被膜は床材表面の塗装に比べるとかなり弱いので、摩擦により磨耗したりはがれたりします。また、水分に触れると軟化したり白濁したりしますので、注意が必要です。
ワックスの選定について
安全のため、すべり止め効果のある水性樹脂ワックスをご使用ください。特に階段にワックスを塗る場合は、必ずすべり止め効果のあるものをご使用ください。
油性ワックスや無塗装床板用ワックス、ロウを多量に含むワックスは床材の変色やワックスのはじき、塗布後の床のすべりなどが起きますので、絶対に使用しないでください。
ワックスのかけ方について
ワックスをかける時は比較的気温の高い乾燥した日を選び、下記の手順を参考に行なってください。低温多湿時はワックスが白濁することがありますのでご注意ください。また、使用前には必ずワックスの「取扱説明書」をよく読みましょう。
- 掃除機をかけてごみやほこりを取り除いてください。
- 汚れがひどい場合は、水または中性洗剤などで拭き、汚れや油分をしっかり取ってください。古いワックスが残っている場合は、ワックスをはく離しないときれいに仕上りません。
- 床に洗剤成分が残らないようよく水拭きし、充分に乾かしてください。
- トレイやバケツにワックスを注ぎ、タオルなどの布を取り付けたフロアワイパーや布、ワックス専用スポンジなどにワックスを含ませて、泡をつくらないよう薄く均ーに木目に沿って塗り広げていきましょう。ワックスを使用する時は、必ずゴム手袋を着用してください。
(ワックス使用量の目安:床1㎡あたり10ml程度) - 部屋の奥から出入口方向に向かって塗布しましょう。
- ワックス塗布後は、完全に乾燥するまで、すり歩きしたり、水滴を落としたり床暖房をつけたりしないでください。ワックスの乾燥が不十分なうちに床暖房をつけると、床表面の割れの原因になります。
ワックスは絶対に床に直接まかないでください。床表面が膨れます。
ワックス塗布前に床表面の汚れは完全に除去してください。
汚れの除去が不十分な場合、汚れがワックスの間に入り込んで黒ずみます。
ワックスは厚塗りするとはがれやすくなりますので、うすく塗り広げてください。
古いワックスのはく離について
ワックスを塗り重ねるときれいに仕上りませんので、古いワックスをきれいにはがし、あらためてワックスがけしてください。
ワックスはく離剤は、必ず木質フロア用の中性タイプのものをご使用ください。間違ったはく離剤を使用すると、変色やふくれを起こす場合があります。ワックスはく離剤の使用説明書をよく読んで、小範囲で試して床への影響を必ずご確認ください。
- 掃除機をかけてごみやほこりを取り除いてください。
- 所定量のはく離剤を容器などに取り、スポンジなどで床面に塗布し、所定の時間ワックスと反応させます(必ずゴム手袋を着用してください)。
- ワックスが溶解したら、不織布スポンジなどでこすり、溶解したワックスを樹脂製のちりとりなどに集めます。
- 床に残ったワックスを水拭きして完全に除去し、床を乾燥させます。
- 一度のはく離で完全に除去できない場合は、1~4 を繰り返します。
移動しない家具の下にワックスはく離剤が入り込まないようご注意ください。
お手入れのポイント
木質フロアについた傷を目立たなくする方法
市販の補修剤(カラーペンやクレヨンタイプ)の使用をおすすめします。傷の状態に合わせて以下の要領で補修しましょう。
浅い傷を目立たなくしたい場合
補修しようとする傷の周囲の色に合わせて補修用カラーペンを選んでください。
傷に沿って補修用カラーペンを薄く塗り重ねていきます。
木目や模様が傷によって切れている場合は、木目や模様に合う色の補修用カラーペンで書き足してください。
※ 必ず目立たないところで試し塗りをし、色の確認後に補修を行なってください(傷にしみ込んだ後の色は抜けません) 。
※しみ込まないところには色が薄く、しみ込むところには濃く着色しますので一度で羞色するより、色の調子を確認しながら塗り重ねるほうがきれいに仕上がります。
深く大きな傷を目立たなくしたい場合
表面の塗装面が完全にはがれて下地が見えている場合には、塗装面の色に合った補修用カラーペンで傷に色をつけておきます。
クレヨンタイプの補修材を使用する前にドライヤーなどで適度にあたため、柔らかくしておきます。
柔らかくなったクレヨンタイプの補修材を傷に対して直角にすり込みます。傷のまわりにマスキングテープを貼っておくと周辺が汚れません。
ドライヤーなどであたためながら、傷からはみ出したクレヨンタイプの補修材をヘラですき取ります。
傷の周囲に残ったクレヨンタイプの補修材は、布などでこすり取ってください(傷の上を拭かないように注意) 。上手く拭き取れない場合は、ドライヤーなどであたためながら拭き取りましょう。
表面が平滑になった後、補修用カラーペンで周囲の木目や模様に合う色を塗ってください。ペンの先で点を書くような感じで色をつけるときれいに仕上がります。上手く拭き取れない場合は、ドライヤーなどであたためながら拭き取りましょう。