「エアキス」誕生 ~「グリーンファースト」の更なる深化~

積水ハウス株式会社/2011年7月13日

 積水ハウス株式会社は、2011年7月15日(金)に空気環境配慮仕様「エアキス」を発売します。空気(air)とkissを組み合わせた「エアキス」には、「食べ物や水を当たり前に選ぶように、これからは身近な住まいの『空気』も選んでほしい」との思いを込めています。

「エアキス」は積水ハウス株式会社の商標(出願中)です。


 

 人が体内に取り入れる物質のうち、一生涯で最も多く摂取するのは「空気」であり、きれいで新鮮な空気の中で過ごすことは人の健康にとって大切であると言えます。当社は、シックハウス問題が顕在化した1990年代から室内空気環境向上のための建材や空間の研究・調査を続けてきました。自社施設「総合住宅研究所」(京都府木津川市)で取り組んできた実証実験は、300建材を超えています。また、化学物質を極力減らす建物の普及を目指すプロジェクトへの参画とプロトタイプ認証、オプション対応により発売していた空気環境に配慮した住宅が300棟以上を数えるなど、当社は確かな技術と実績を踏まえたものです


 積水ハウスはいち早くシックハウス問題に取り組み、確かな技術と実績を積み上げてきた住宅メーカーとして、先ずはできることから、一歩ずつでも社会に広げていくことが大切との考えから、鉄骨戸建住宅主力商品への「エアキス」標準搭載を決定しました。


 積水ハウスは、空気環境配慮仕様「エアキス」を発売し、よりきれいな室内空気環境の提供に努めると同時に、グリーンファーストで唱える「快適性」の要素である「健康」への注目を高め、社会への提案を強めていきます。






◆空気環境配慮仕様「エアキス」のポイント


(その1) 5つの化学物質の居住時室内濃度について、国の基準の“2分の1以下”を実現
(その2) 全棟の室内濃度を測定、第三者機関で評価し、国の基準の“2分の1以下”を実現
(その3) 建材のラインナップ拡充とコストダウンにより、上質な室内空気環境を標準化






 今般の東日本大震災により、これまで積水ハウスが推進してきた「グリーンファースト」戦略が、潜在的な社会ニーズを先取りしていたことが実証されました。「グリーンファースト」は安全・安心で高品質な住宅に太陽光発電や燃料電池を組み合わせて快適性、経済性を確保し、CO2や電力消費を大幅に削減できる環境配慮型住宅です。停電時には太陽光発電の非常用電源が有効に機能するほか、現在の節電社会では、太陽光発電や燃料電池など系統電力に依存しない自立電源として、「創エネ」性能を力強く発揮し、世の中の評価・関心を一層高めています。



  また、同時に「グリーンファースト」の中でも快適性(安全・安心)に直結する、当社オリジナル制震システム「シーカス」の性能が改めて実証されました。震度7クラスの大地震を想定して開発した「シーカス」は、地震動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収、建物の変形量を約2分の1に低減、さらには繰り返しの地震に強いなどの特長を持つシステムです。

 今般、「グリーンファースト」の中でも、快適性(健康)にリンクする、空気環境配慮仕様「エアキス」の魅力をさらに付加することで、「グリーンファースト」の更なる深化を図ります。




◆空気環境配慮仕様「エアキス」のポイント



(その1) 5つの化学物質の居住時室内濃度について、国の基準の“2分の1以下”を実現 ~子どもを基準に~
 

 人が体内に取り入れる物質のうち、生涯で最も多く摂取するのは「空気」であり、きれいで新鮮な空気の中で過ごすことは人の健康にとって大切であると言えます。


 

 また、化学物質の影響をより受けるのは子どもであり、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の約2倍の空気を摂取していることになるため、当社は、より影響の大きい、子どもを基準にした化学物質の低減を目指しています。


 

 建築基準法では建材からのホルムアルデヒド発散量が規制されています。住宅性能表示制度では、5つの化学物質が「特定化学物質」として選定されているものの、その濃度測定結果が、厚生労働省の濃度指針値を超えないことを約束するものではありません。また、そもそも、当社が新築戸建て住宅の9割以上で住宅性能表示制度を活用しているのに対し、新築戸建住宅全体では、未だ3割に届きません。





 「エアキス」では、住宅性能表示制度と同様に、ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンの5つの化学物質を対象としています。また、厚生労働省で濃度指針値を公表していますが、「エアキス」では、影響の多い子どもを基準に考え、この指針値の2分の1以下を実現します。



 


(その2) 全棟の室内濃度を測定、第三者機関で評価し、国の基準の“2分の1以下”を実現
 

 「エアキス」では、建物の竣工時には、厚生労働省が定めた測定方法に準じて濃度測定を実施し、データは公的な第三者機関で分析します。そして、お引き渡し時には、その分析結果から空気環境の「性能評価証」を発行し、お客様にお渡しします。




 積水ハウスが、全棟の室内空気の測定を行い、第三者機関で分析・評価の上で、お客様へお引き渡しできるのは、化学物質対策についても確かな技術と実績を有する積水ハウスだからこその取り組みであると言えます。



 


(その3) 建材のラインナップ拡充とコストダウンにより、上質な室内空気環境を標準化
 

 積水ハウスでは、自社施設「総合住宅研究所」(京都府木津川市)にて、建材と空間選びから厳しい独自基準を設けて検査を実施してきました。1建材の評価に2週間をかけ、これまでに300を超える建材の実証実験を実施しています。その結果、従来の仕様からコストダウンやアイテム拡大が実現し、「エアキス」標準仕様について、これまでの販売価格を据え置いてお客様にご提供できることとなりました。また、フローリングではこれまでの1種類(3色)が、5種類(4~9色)となるなど、アイテムが拡大し、積水ハウスオリジナルのインテリアコーディネートシステムの標準仕様でもほぼ対応が可能となり、使いやすくなりました。


 さらに、プレミアム仕様も用意し、建材や換気システムの更なるラインナップ拡充を実現しています。


「エアキス」は、上質な室内空気環境の実現を目的としていますが、健康状態の改善や維持を保証するものではありません。




 積水ハウスでは、鉄骨戸建住宅の主力商品に、制震システム「シーカス」とともに、「エアキス」の標準化を進め、「グリーンファースト」の中でも、快適性(健康)に力点を置いた商品として更なる魅力を付加いたします。



◆「ビー・サイエ エアキス」

◆「イズ・オーダー エアキス」






(参考資料)世の中の動きに先駆けた積水ハウスの取り組み


 3歳児のアレルギー性鼻炎の罹患状況が1999年度の6.1%に比べて、2009年度は11.1%になる ※1 など、子どものアレルギーが増えています。アレルギーとシックハウス症候群の因果関係は不明ですが、環境省は化学物質の暴露や生活環境などの環境因子が、胎児期から小児期にわたる子どもたちの成長・発達に影響を与えるという仮説のもと、疫学調査によるアプローチ(「エコチル調査」)を推進しています。


 当社は、シックハウスが顕在化した1990年代から室内空気環境向上のための研究・調査を続けてきました。2007年4月からは千葉大学と産学共同研究をスタートさせ、同時期に化学物質を極力減らす建物の研究開発、及び、その普及を目指す「ケミレスタウン®・プロジェクト ※2 」に参画。本プロジェクト推進のために建設した実証実験棟「ケミレスハウス®」内の2居室が、戸建住宅のケミレスプロトタイプ認証第1号に認証される ※3 など、確かな実績を残しました。


 積水ハウスは、早くからシックハウス問題に取り組んできた住宅メーカーとして、よりきれいな室内空気環境の提供に努めてまいります。同時に、グリーンファーストで唱える「快適性」の要素である、「健康」への注目を高め、社会への提案を強めていきます。



※1 東京都「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査」2010年4月
※2 「ケミレス」「ケミレスハウス」「ケミレスタウン」はNPO法人 次世代環境健康学センターの登録商標です。
※3 2009年10月15日 NPO法人ケミレスタウン推進協会より認証を受けました。








 

 

 


<本件に関するお問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
(大阪) 06-6440-3021
(東京) 03-5575-1740

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