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CSV戦略②

生物多様性の保全

事業の影響力を考慮し、持続可能な自然資本の利用によって
生態系ネットワークを守る

重要なステークホルダー:サプライヤー(植木生産者・造園業者、木質建材メーカー)、お客様

背景

住宅の植栽が都市生態系に影響を及ぼす

都市化の進行によって緑地が減少してきた中、全国各地で緑化の取り組みが広がっています。都市域における効果的な植栽は生態系の保全につながるだけでなく、人々の憩いの空間を創出して地域を活性化する、雨水を貯留して都市型水害を抑えるなど、多面的な機能を持ちます。こうした緑の多様な働きを、さまざまな社会課題解決のための基盤として活用する「グリーン・インフラストラクチャー」の考え方が今、注目を集めています。

住まいづくりにおいても、植栽は不可欠な要素です。毎年多くの樹木が、全国各地で庭木として植えられています。しかし、見栄えや管理の容易さから選ばれることの多い園芸品種や外来種の樹木は、地域の鳥や昆虫にとって活用可能性の高いものばかりではなく、日本の気候風土に適さず、病害虫への耐性が低いものも少なくありません。地域の生態系を守っていくには、植栽にも生態系に配慮した樹種の選定が必要です。

木材調達でのトレーサビリティー確保の重要性

木材は、構造材、内・外装など住宅を支える重要な素材であり、積水ハウスは毎年30万m³以上の木材を使用しています。しかし、生物由来の原料である木材は、住宅に使われる数万点の部材の中でも、流通経路の複雑さに鑑みてトレーサビリティーの確保が最も必要な材料です。

近年、海外では旺盛な需要に対応するために許容量を超えた伐採や、森林保護地域などの禁止地域での伐採、盗伐・密輸などが大きな問題になっています。こうした違法伐採は、生態系の大規模破壊や地球温暖化の進行など、森林の持つ多面的な環境保全機能に影響を及ぼすだけでなく、地域住民の生活の破壊や木材市場の歪曲、持続可能な森林経営の阻害など、社会面でも多くの悪影響をもたらしています。こうした状況を受け、日本では2016年に「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」が制定され、合法伐採木材の利用に対する義務付けが、これまでの公共調達から、民間の取引にまで拡大されました。

アプローチ

目指す姿

長期的なシナリオのもと、サプライチェーンと協働して、生態系の保全を推進

日本のプレハブ住宅メーカー最多の住宅を供給する積水ハウスは、毎年約100万本に及ぶ樹木を植栽している日本最大規模の造園業者でもあります。こうした観点から、2050年のチャレンジ目標として「事業を通じた生態系ネットワークの最大化」を掲げ、地域の生態系の保全に貢献する植栽の推進と、世界の生物多様性の保全につながる持続可能な木材調達に注力しています。

自然資本や生態系の成熟と回復には長い時間を要します。また、こうした取り組みは一社で完結するものではありません。当社は長期的なシナリオのもと、サプライヤーと協働してお客様に豊かで心地よい暮らしを提供するとともに、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

活動方針

1. 「5本の樹」計画による、地域の生態系に配慮した在来種植栽の推進

園芸品種・外来種のみを多用せず、生態系に配慮した、地域の生物にとって活用可能性の高い「在来種」を積極的に提案する造園緑化事業を「5本の樹」計画と名付け、2001年から推進してきました。

計画の実施に当たっては地域の植木生産者・造園業者のネットワークと連携し、従来は市場流通の少なかった在来種の安定的な供給体制を確保。生き物と共生する暮らしの豊かさと、環境保全におけるその意義を、生活者に提案していきます。

図:里山ネットワーク

2. 合法で持続可能な木材「フェアウッド」の利用促進

持続可能な木材利用を可能にするため、伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品「フェアウッド」の調達に取り組んでいます。

「フェアウッド」調達に当たっては、合法性はもとより伐採地の生態系や住民の暮らしまで視野に入れた「木材調達ガイドライン」10の指針を設定。約50社の木質建材サプライヤーに「調達実態調査」を毎年実施し、調達木材の生産地や属性、合法性などを報告してもらい、ガイドラインに沿って数値化することで進捗を管理しています。この取り組みを通してサプライヤー側でも調達ルートへの意識を高め、上流の商社等に対する啓発が進むことで「フェアウッド」の広がりを図っています。

  • ※ 一般財団法人地球・人間環境フォーラムと国際環境NGO FoE Japanが提唱しています。

図:合法で持続可能な木材「フェアウッド」の利用促進

活動が社会に及ぼす影響

「5本の樹」計画の推進により、豊かな緑に包まれた快適な暮らしをお客様に提案することで、居住価値の高い住まいを実現できます。また、緑の成長が経年的にもたらす建物の風格が、資産価値向上に有用であるとの認識が強まり、賃貸住宅の共用部などでも緑化が進み、豊かな都市空間が広がります。

また、木材調達の分野では、当社のガイドラインへの対応過程で、サプライヤー各社の調達プロセスへの関心が高まり、自身の木材についてのトレーサビリティー情報の精度が上がっています。これにより高品質な「フェアウッド」の安定的な市場が拡大することで、持続可能な木材の普及につなげることができます。

リスクマネジメント

リスク①「5本の樹」計画と同様の提案が業界に広がることで、当社の提案の価値が相対的に低下
対応①植木生産者ネットワークとの長年の連携を生かし、市場ニーズに沿った樹種の提案を積極的に進めるとともに、設計の提案力向上や施工体制の強化によって、より満足度の高いトータルなエクステリアデザインで差異化を図ります。これにより新しい価値を提案し続けることで、生態系に配慮した緑化の市場をさらにけん引します。
リスク②国際的な規制強化により伐採・輸出・流通が制約され、木材の安定調達が困難に
対応②伐採地の動向などの最新情報は現地の環境NGOが把握していることが多いため、国際環境NGOとのネットワークで情報を捕捉し、その情報を早期に木質建材サプライヤーと共有することで、当社に対する優先的な木材の供給体制を準備してもらうことができます。
  • CSV戦略① 住宅のネット・ゼロ・エネルギー化
  • CSV戦略② 生物多様性の保全
  • CSV戦略③ 生産・施工品質の維持・向上
  • CSV戦略④ 住宅の長寿命化とアフターサポートの充実
  • CSV戦略⑤ ダイバーシティの推進
  • CSV戦略⑥ 海外への事業展開

ダウンロードライブラリ

Sustainability Report 2017

CSV(共有価値の創造)に向けた取り込み

  • エコ・ファーストの約束
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