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CSV戦略②

CSV戦略②

生物多様性の保全

事業の影響力を考慮し、持続可能な自然資本の利用によって
生態系ネットワークを守る

重要なステークホルダー:サプライヤー(植木生産者・造園業者、木質建材メーカー)、お客様

背景

生活・事業活動のすべてを支える「生物多様性」保全における企業活動の重要性

生物多様性は「生態系サービス」として、私たちの衣食住を支えており、また、社会課題の解決に取り組む企業の事業活動においても、原材料調達などの面で強い関係を有しています。このことは、SDGsの中でも再確認されています。TEEBの調査においても、SDGsの「海域生態系」(目標14)と「陸域生態系」(目標15)、「生態系サービスに関わる水」(目標6)と「気候変動」(目標13)が、地球の「生物圏」を支え、これに支えられて社会が成立し、その社会に支えられて我々の日常の経済生活が成り立っていることが指摘されており、当社においても次の2点を課題として認識しています。

  • ※ 国連環境計画や欧州委員会などの協力のもとで進められている、生態系と生物多様性の経済的価値を可視化させることなどを目的としたプロジェクト。

① 都市生態系の劣化

近年、都市化によって緑地が減少する中、効果的な植栽は生態系保全につながるだけでなく、憩いの空間を創出して地域を活性化する、雨水を貯留して水害を抑えるなど、多面的に暮らしを支えています。住まいづくりにおいても毎年多くの樹木が植えられています。しかし、園芸品種や外来種の樹木は、地域の鳥や昆虫にとって活用可能性の高いものばかりではなく、日本の気候風土に適さず、病害虫耐性が低いものも少なくありません。地域の生態系を守るには、植栽にも生態系に配慮した樹種の選定が必要です。

② 調達におけるトレーサビリティの重要性

木材は住宅を支える重要な素材であり、当社も毎年約30万m³の木材を使用しています。しかし、違法伐採などによる森林の環境保全機能劣化や地域住民の生活破壊、木材市場の歪曲、持続可能な森林経営の阻害などのリスクがあり、また、流通経路も複雑であるため、木材のトレーサビリティの確保は極めて重要な課題です。日本の「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」のみならず、木材調達の適正性を確保するための取り組みが世界的に広がっています。

アプローチ

目指す姿

長期的なシナリオのもと、サプライチェーンと協働して、生態系の保全を推進

日本のプレハブ住宅メーカー最多の住宅を供給する積水ハウスは、毎年約100万本に及ぶ樹木を植栽している日本最大規模の造園業者でもあります。こうした観点から、2050年のチャレンジ目標として「事業を通じた生態系ネットワークの最大化」を掲げ、地域の生態系の保全に貢献する植栽の推進と、世界の生物多様性の保全につながる持続可能な木材調達に注力しています。

自然資本や生態系の成熟と回復には長い時間を要します。また、こうした取り組みは一社で完結するものではありません。当社は長期的なシナリオのもと、サプライヤーと協働し、お客様に豊かで心地よい暮らしを提供しながら地球環境保全と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

活動方針

1. 「5本の樹」計画による、地域の生態系に配慮した在来種植栽推進

園芸品種・外来種のみを多用せず、生態系に配慮した、地域の生物にとって活用可能性の高い「在来種」を積極的に提案する造園緑化事業を2001年から推進しています。「3本は鳥のために、2本は蝶のために、地域の在来種を」という思いをこめて、「5本の樹」計画と名付けています。

計画の実施に当たっては、地域の植木生産者・造園業者のネットワークと連携し、従来は市場流通の少なかった在来種の安定的な供給体制を確保。生き物と共生する暮らしの豊かさと、環境保全における意義を、生活者に提案していきます。

図:里山ネットワーク

2. 合法で持続可能な木材「フェアウッド」の利用促進

持続可能な木材利用を可能にするため、伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品「フェアウッド」の調達に取り組んでいます。

調達に当たっては、合法性はもとより伐採地の生態系や住民の暮らしまで視野に入れた「木材調達ガイドライン」10の指針を設定。毎年、約50社の木質建材サプライヤーに対して「調達実態調査」を実施し、調達木材の生産地や属性、合法性などの報告を受け、ガイドラインに沿って数値化することで進捗を管理しています。この取り組みを通してサプライヤー側でも調達ルートへの意識を高め、上流の商社等に対する啓発が進むことで「フェアウッド」の広がりを図っています。

  • ※ 一般財団法人地球・人間環境フォーラムと国際環境NGO FoE Japanが提唱しています。

図:合法で持続可能な木材「フェアウッド」の利用促進

活動が社会に及ぼす影響

「5本の樹」計画の推進により、豊かな緑に包まれた快適な暮らしをお客様に提案することで、居住価値の高い住まいを実現できます。また、緑の成長が年月を経てもたらす建物の風格が、資産価値向上に有用であるとの認識が強まり、賃貸住宅の共用部などでも緑化が進み、豊かな都市空間が広がります。

また、木材調達の分野では、当社のガイドラインへの対応過程で、サプライヤー各社の調達プロセスへの関心が高まり、自身の木材についてのトレーサビリティ情報の精度が上がっています。これにより高品質な「フェアウッド」の安定的な市場が拡大することで、持続可能な木材の普及につなげることができます。

リスクマネジメント

リスク①「5本の樹」計画と同様の提案が業界に広がることで、当社の提案の価値が相対的に低下
対応①植木生産者ネットワークとの長年の連携を生かし、市場ニーズに沿った樹種の提案を積極的に進めるとともに、設計の提案力向上や施工体制の強化によって、より満足度の高いトータルなエクステリアデザインで差異化を図ります。これにより新しい価値を提案し続けることで、生態系に配慮した緑化の市場をさらにけん引します。
リスク②サプライチェーンマネジメントに対する国際的要請から、持続可能で高品質な部品・原材料の安定的調達に制約のおそれ
対応②伐採地の動向などの最新情報は、現地の環境NGOが把握していることが多いため、国際環境NGOとのネットワークを通じて情報を捕捉し、その情報を早期に木質建材サプライヤーと共有することで、当社に対する優先的な木材供給体制を準備してもらうことができます。
  • CSV戦略① 住宅のネット・ゼロ・エネルギー化
  • CSV戦略② 生物多様性の保全
  • バリューチェーンを通じた顧客価値の最大化
  • CSV戦略④ 住宅の長寿命化とアフターサポートの充実
  • CSV戦略⑤ ダイバーシティの推進
  • CSV戦略⑥ 海外への事業展開

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Sustainability Report 2018

CSV(共有価値の創造)に向けた取り込み

  • エコ・ファーストの約束
  • ダイバーシティの推進
  • 従業員との共同寄付制度 積水ハウスマッチングプログラム
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