ノウハウ
"わたし時間"を過ごす場所小さなスペース
「ヌック」のつくり方



室内の縁側のようなスペース「ヌック」
「ヌック」とは、居心地の良い小さなスペースのこと。ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、気軽に取り入れられて、しかもとっても便利な空間なんです。
「ヌック」は、小さなコーナーに机と椅子、またはソファなどを置いてしつらえます。本を読んだり、一息ついたり、家族のワークスペースとしても使えます。
これからの季節に心地いいのは、窓の近くに設けたヌック。まるで室内の縁側のような空間で、春の訪れを待ちながら過ごすひとときは、きっとお気に入りの時間になりますよ。



リビングのくぼみ部分にテーブルをしつらえたヌック。
小さいスペースながらも、アクセントウォールと正面の窓で特別感を演出しています。


窓辺にソファと本棚を置いたライブラリーのようなヌック。光がさしこむ窓辺の心地良さに、自然と家族が集まりそうな空間です。

ヌックのまわりの
「収納と証明」
ヌックで使うものは、ヌックの近くに収納できると便利です。読みかけの本や、文房具などの細々したものなど、ヌックで使うものに応じた収納を計画しておきましょう。好きな写真、小物、花瓶やグリーンなどを飾れるようにしておけば、よりリラックスして過ごすことができますね。
パソコンや充電器、また、ミシンなどの家電製品を使えるように、コンセントがあると便利です。

夜や雨の日は照明があると便利です。デスクライト、フロアスタンド、作り付けの照明など、タイプやデザインにもこだわりたいですね。
部屋全体とのバランス、明かりが灯ったときの印象も考えながら、お気に入りの照明を選びましょう。


室内に陽光を採り入れる
「暖かさの秘密」
写真の空間では、軒をあえて無くすことで陽射しを取り入れやすくしています。そのままでは夏は暑いので、窓の前に落葉樹を植えたり、グリーンカーテンをつくることで日陰をつくりましょう。

落葉樹の特性を活かした陽射しのコントロール
窓の外に落葉樹を植えることで、夏には葉が繁り、強い陽射しを遮る木陰をつくり、冬には葉が落ちて、大切な陽射しを室内まで採り込みます。
このように、自然のチカラを活かすことで暮らしをもっと快適にしていくことができます。

ヌックの居心地を考えた
「庭」
室内に座ったときの目線を意識しながら庭をつくることで、室内の居心地まで変わります。植栽の配置だけでなく、土地に起伏をつけることで、奥行きのある景色をつくる、というテクニックも。
そんなに広いスペースがなくても、坪庭をつくったり、好きな木の鉢植えを置いたりすることで、自然を身近に感じ、ほっと和める演出ができますよ。

ヌックで過ごす「わたし時間」
「ヌック」とひとことで言っても、その姿は様々。ここでは、そんなヌックの一例をご紹介します。


キッチンやリビングの近くに机と椅子を置いて、趣味にいそしんだり、家計簿をつけたり…といった作業ができるコーナーに。
ほどよくこもれるので、家事の合間にもほっとくつろげます。
飾るものや、照明、壁紙などにこだわって、自分だけの空間を楽しみましょう。

窓辺の光を活かした、温室のようなインドアグリーンコーナー。
食べられるハーブを育てれば料理にも使えて便利ですし、花瓶を置けば、窓の光がガラスに透けてとてもきれい。
季節や自然を感じながら癒される空間です。


椅子を並べたヌックは、家族の時間を過ごせる場所。並んで読書をしたり、お茶を飲んだり、音楽を聴いてくつろいだり。
コンパクトな空間だからこその親密感が、何気ないひとときを心地よく演出してくれます。
窓の近くに、小さなスペース「ヌック」をつくってみませんか?
ヌックの用途に応じた収納と照明を計画しましょう。コンセントがあると便利です。
軒の有無、窓の外の植栽でつくる日陰などで、季節に合わせて陽光をコントロールしましょう。
ヌックから見える庭や植栽にもこだわって、居心地をアップしましょう。
ヌックの使い方は十人十色。あなただけのヌックを考えてみましょう。



積水ハウス
一級建築士/インテリアコーディネーター/住福祉環境コーディネーター
入社以来、主に戸建住宅の設計や展示場の計画に携わっています。
住まいは暮らしの基本となる場所。生活者としての視点を大切にして、日々、住まいづくりに取り組んでいます。
