家事

恋するレザー磨き​

日々のコーディネートをワンランクアップさせてくれる革製品。​
天然素材である革は、愛用すればするほど、味わいを増すのが魅力です。長く使うとダメージもそれなりに受ける可能性はありますが、お手入れをすれば、応えてくれるのも革という素材です。​
革製品を気持ち良く使うためのお手入れ方法を、革のプロフェッショナルである土屋鞄製造所さんにお伺いしました。​

基本のオイルケア

メンテナンスを行う目安は、手で触れた時にかさつきを感じたら。自分の肌のように、毎日触れて、あなたの革製品に合うタイミングを見つけてください。​

用意するもの

・鞄/革小物用ブラシ​
・革専用のオイルもしくはクリーム​
・布(オイルもしくはクリーム用)​
・布(乾拭き用)​

※布はファスナーなどに引っかかる可能性があるため、パイル地は避けます。綿など天然素材で、革に傷を付けにくい柔らかいものがおすすめです。​

お手入れ方法

1.ほこりを落とす​

隅々までお手入れできるよう、中身を全て取り出したら、最初はブラシを使ってほこりを取ります。​
強く押し付けず、優しくなでるようにブラッシングしましょう。縫い目部分は特にほこりが溜まりやすいので、念入りに行うのがポイントです。​

2. 布にオイル(クリーム)を取り、手早く塗り広げる​

きれいな柔らかい布に、1円玉くらいのオイル(クリーム)を取ります。使う量は、財布や名刺入れなどの小物なら米粒くらいが適切。鞄の場合はサイズと状況を見ながら少しずつ取ります。​

その後、オイル(クリーム)を、さっと全体になじませます。この時、円を描くように塗ると、きれいに塗り広げられます。付け過ぎはシミの原因にもなりますので、“薄く手早く”がポイントです。

!注意!
​革の種類によっては、オイル(クリーム)を塗ると色落ちをする場合も。初めてお手入れする際は、目立たない場所で試してからご使用されることをおすすめします。​

3.乾かす

1時間ほど日光が当たらない場所に置き、オイル(クリーム)をしっかり革になじませましょう。​

4.乾拭きをする​

最後は全体を乾拭きして、終わりです。柔らかいきれいな布で優しく拭きます。​

水や汚れから守る、防水ケア

革に雨や水がつくと、シミや水ぶくれ、色落ちなどを引き起こす場合があります。防水ケアは汚れ防止にもなるため、初めて革製品をご使用になる前に行うことをおすすめします。​
防水スプレーを使用しますが、例えば革の経年変化を楽しみたい場合、防水スプレーのコーティングにより、どうしても経年変化はしづらくなります。よって、天気予報を聞いて「明日は午後から雨が降るかも」という時だけ使うなど、ご自分の目的に合わせてタイミングを変えることをおすすめします。​

用意するもの

・鞄/・防水スプレー​
・布(乾拭き用)

※布はファスナーなどに引っかかる可能性があるため、パイル地は避けます。綿など天然素材で、革に傷を付けにくい柔らかいものがおすすめです。

お手入れ方法

1.表面のほこりや汚れを乾拭きする​

柔らかくきれいな布で乾拭きをして、表面全体のほこりなどの汚れを落とします。汚れの溜まりやすい縫い目部分も念入りに行いましょう。​

2.屋外で防水スプレーをかける​

屋外に出て、革製品全体にスプレーをかけます。均等に液が付着するように、革から30cmほど離して使うことが、上手に防水スプレーをかけるコツ。濡れたように色が変わりますが、乾いたら元に戻ります。​
初めての防水ケアなら、目立たない部分で試してから防水スプレーを使用されることをおすすめします。

※ポイント
乾かす時間を考えて、時間に余裕を持ちましょう。外出の直前にスプレーすると乾かず、効果を十分に発揮できません。また防水効果は次第に落ちるため、定期的にお使いいただくと安心です(毎日ご使用になる鞄の場合、梅雨時期は週に1回程度が目安)。

3.乾かす​

防水スプレーをなじませるため、30分ほど時間を置きます。表面が乾いたら、柔らかくきれいな布で軽く拭いてください。見えにくいところに1、2滴、水を付け、テストして水を弾くようなら大丈夫です。​
また、防水スプレーをしていても濡れた場合は、なるべく早くタオルやハンカチなどで拭きましょう。

※防水性の持続期間は、防水スプレーの種類によって異なります。

大切に使うための、正しい保管

革製品を使ううえで意外と知られていないのが、使っていないアイテムの保管方法。​保管をおざなりにすると、革が傷む原因の「型崩れ」や「カビ」が発生する可能性もあるため、長く愛用するための正しい保管方法をご紹介します。​

【普段使いの保管】​
毎日使う財布や仕事用の鞄など、普段使いの鞄は、休日に中身を出して革を休ませてあげると、革がくたびれてしまうのを多少和らげることができます。鞄の中にはタオルや丸めた新聞紙などを入れておくと、湿気取りと型崩れ防止に。​​

【長期の保管】​
中身を全て出し、代わりにタオルや丸めた新聞紙を詰めます。さらにクローゼットの中でほこりや他の素材とくっつくことを避けるため、製品が包まれていた不織布の袋に入れて保管しましょう。

保管用の袋は、ビニールのように、変質の原因になる素材を避けます。また、袋に入れ続けると湿気がこもる場合があるので、時々袋から出して風通しの良い日陰でリフレッシュを。

保管の方法

1.ブラシで汚れを落とす​

保管する前に、まずは鞄/革小物用ブラシを使って汚れを落とします。全体をサッとなでるようにかけましょう。時間が許せば、柔らかい布で乾拭きするのもおすすめです。​

2.柔らかい布や丸めた新聞紙を入れる​

型崩れ防止のため、鞄の中にタオルなどの柔らかい布や丸めた新聞紙を入れます。中でも新聞紙は適度に湿気を吸い、インクの匂いによる虫よけの作用もあります。

!注意!
インクが内装にうつる心配があるため、タオルなど布でくるんでから入れると安心です。​

3.袋に入れて保管する​

ほこりや予期せぬ傷を避けるため、製品が包まれていた不織布の袋に入れて保管します。​
「型崩れ」が起きないよう縦置きで保管してください。​
また、置く場所は革の日焼けと劣化につながる直射日光の当たらない場所に。そしてカビなど生えないよう、通気性の良い場所を選んでください。どこに置いたとしても、革が良い状態を保てているかどうか、定期的に確認をするのもポイントです。

!注意!
ビニール袋は通気性が悪いうえに、塗料や塗膜などに反応して変質・癒着の原因になるため、使用しないようにしましょう。​

土屋鞄製造所のおすすめシリーズ​

Black-nume​

相反する要素が同居し、「調和」することで持つ人の個性を引き立てるレザーアイテム。​
フォーマルにも、カジュアルにも、様々な場面で活躍するシンプルなアイテムを取り揃えています。​

Diario​

愛用の日々が味わいの1ページを加えてゆく、「日記」のような相棒のレザーアイテム。​
大きな一枚革を贅沢にあしらい、両肩の曲線ラインが印象的な「フリーワンショルダー」など、毎日のお出かけが特別になるアイテムをラインアップ。​

【取材協力】
土屋鞄製造所​

1965年、東京でランドセル職人が立ち上げた工房を発祥とする、革製品ブランド。​
工房を併設した西新井本店と軽井澤工房店、大人向け革鞄専門店13店舗(国内11、海外2)、ランドセル専門店10店舗、あわせて25店舗を構える。​
日本の感性で、つくり手が見えるものづくりを大切にしながら、普遍的でタイムレスであることを目指し、10年以上愛される定番から限定品まで、良質な素材を生かしたアイテムを展開。​素材選び・企画・デザイン・製造・販売・修理まで行い、ユーザーの暮らしに寄り添う。

お気に入りを、
心ゆくまでお手入れ。

お庭につながるこんな空間があれば、自慢の愛車や革靴など、家の中でお手入れしづらいものを気を遣うことなくメンテナンスできます。


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