カスタマーズセンターからの
住まいのワンポイントアドバイス
どうしても落ちないその汚れ、もらいさびではないですか?
洗面カウンターやキッチンシンク、玄関タイルなどの茶色い汚れ。
掃除用の中性洗剤でも落とせなくて困っていることはありませんか。
もしかしたらその汚れは「もらいさび」かもしれません。
今回は「もらいさび」ができる仕組みと、その落とし方をご紹介します。
もらいさびって何?
たとえばステンレスのシンクはさびにくいはずなのに、気がつくと茶色いさびができていることがあります。これは、缶詰やカミソリ・ヘアピンなどから移ったさびによってさびができてしまったためです。「もらいさび」とは、「ほかのさびやすい金属」からさびをもらってしまうことです。
もらいさびは、放置すれば内部まで浸食してしまいます。早期であれば落とせることが多いので、発見したときはすぐ掃除することが落とすためのコツです。
「化学の力」を使えばきれいに落とせます。
もらいさびは中性、弱アルカリ性、研磨剤入り洗剤などでは落とすことのできない頑固な汚れです。
では、どうすれば落とすことができるでしょう?答えは「化学の力(化学反応)」を利用することです。チオグリコール酸アンモニウム入り洗浄剤を使います。チオグリコール酸アンモニウムは酸化鉄(さび)を還元する効果があり、洗剤を塗布し還元された茶色いさびは「紫色」に変色します。
チオグリコール酸アンモニウムはパーマ液の原料にも使われているので、美容室で嗅いだことがあるようなニオイがします。カー用品店で売られているタイヤホイールの鉄粉取りスプレーにも使われています。
使い方と注意点
- チオグリコール酸アンモニウムを含む洗剤を塗布します。
さびであれば「紫色」に変化します。 - 2〜3分ほど放置します。
最初は少量を短い時間で試してください。 - 端切れなどで拭き取ってから、しっかりと水で洗います。
周囲にも残らないよう注意しましょう。 - さびが残っている場合は、数回繰り返します。
長時間の放置は絶対避けてください。
黒紫色に固着して取れなくなることがあります。
最初は目立たない場所で試して、少しずつ数回に分けて作業すると良いでしょう。
また、強めのニオイがしますので室内作業時は必ずしっかりと換気をしてください。
最後に……
キッチンや洗面カウンターだけでなく、玄関ポーチのタイルや犬走りコンクリートなどの駐輪スペースでも試してみてください。
「もらいさび」は早期に取り除くことが大切です。これは、お掃除全般に言えます。
掃除には4つの大切な要素があります。「化学の力」、「物理の力」、「時間の利用」、「温度の利用」の4つです。
「汚れの種類」と「掃除したい対象の材質」によって使い分けることが掃除の基本です。この基本を無視すると汚れが落ちず、素材を傷めてしまうこともあります。
今回は「化学の力」を使いさびを還元しましたが、それでも落ちにくい場合は対象の材質によってこすったり(物理の力)、少し時間をおいたり(時間の利用)を使っても良いと思います。
壁面などは、ペースト状のものが有効です。ホームセンターやカー用品店で扱っていない場合は、お近くのカスタマーズセンターにお問い合わせください。