カスタマーズセンターからの
住まいのワンポイントアドバイス
庭木の水やりのコツ
庭木の管理について、水やりの目的、水やりの方法など、基本的なルールをご紹介します。
水やりの目的
植物細胞に含まれる水分は70〜90%で、ほとんどが水分だといえます。植物のからだの中で水分は養分を溶かし、その養分を運び、蒸散させて体温を調節するなどの重要な役割を果たしています。植え付け直後は、大事な水分を体に取り込むための根が切られていたり、傷ついて十分に回復していなかったりするので、とてもデリケートで乾燥に弱くなっています。水分を取り込む細い根は、水不足で一度乾燥してしまうと、水をあげても復活することはありません。
この時期に水やりを怠ると、木が枯れたり弱ったりする原因となります(植え付け直後から半年間の水やりを怠って木が弱った場合、回復するまで5年ほどかかることがあるので植え付け直後の水やりは重要です!)。
水やりの方法
水やりは、「回数は少なく一度にたっぷり地中深くに浸みこむように」が基本です。水の量が少なすぎても根が乾燥して枯れてしまい、反対に多すぎても根腐れして枯れてしまうので、水やりの回数と量は大変重要です。水分が土の表面だけで地中深くまで行き渡っていない状態だと、根が浅くしか張らなくなってしまいます。根は地中深くに浸みこんだ水を求めて深く広く伸びていきます。根の底の方までしっかり届くようにたっぷり与えてください。
水やりのタイミングは、根の表面付近の土が乾いた時です。土中の水分は地表に近い順に乾いていきます。表面が乾いてすぐの時は、根の下の方はまだ乾いていない状態です。この状態になったら、たっぷりと水を与えましょう。土が乾いたかどうかの判断は、直接触って確認するのがいちばんです。また、乾いてくると土の色が薄くなってくるので目視でも判断できます。日々の観察がもっとも重要です。表面が乾く前に水やりを続けてしまうと根腐れを起こすのでタイミングに注意しましょう。
水の量は、夏は多く、冬は少なく
ゴールデンウィーク頃(5月)と夏場(7〜9月)は、高温になり乾燥しやすい気候のため、多めに水やりが必要です。朝方(午前9時まで)か、夕方(5時以降)に行なってください。
日中の暑い時間の水やりは厳禁です。夏場の直射日光が強い時に葉に水をかけると、水滴がレンズの役目をして葉が焼けてしまいます。葉には水をかけないようにしてください。
冬場は、晴天が続いた時以外、水やりの必要はありません。植木の根まわりに雪がある場合も、水やりの必要はありません。晴天が続いて雪も解けて、土の表面が乾いてきた場合のみ水やりが必要です。
その場合は、日中(午前10時〜午後2時まで)に行なってください。夕方に水をやると、夜間の冷え込みで水が凍り、根を傷める場合があります。
木の大きさによる生長の違い
若い植木は、植え付け後の生長が早く、ほとんどが新しい環境にも順応します。反対に、ある程度に育った木を植え付けた場合は新しい環境に慣れるまで時間がかかります。
新しい環境に慣れていく段階で、枝枯れを起こすことがあります。これは、新たな環境に合わせようとしている生理現象です。根を切られた影響と不要な枝を落として必要な枝を新たに芽吹かせようとしているので、しばらく様子を見ましょう。大きな木を植え付けた時ほど、こういった現象を起こしやすく、元気がでてくるまで年数がかかることがあります。
最後に……
植栽は生き物ですので、いろいろなことが起こります。また、同じ種類でも生長の度合いはさまざまです。手がかかることもありますが、やさしく長い目で見守ってください。