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サタヤドリ―砂糖小屋の人々―奄美群島の黒糖づくり―奄美の言葉でサタヤドリという砂糖小屋。昔、サトウキビの収穫期になると、畑のそばに小屋を建て寝泊まりしながら、日がな一日黒糖焚きをしたのだとか。それは江戸から大正末期まで、奄美のいたるところにあったそうです。そして、昭和、平成と時代は下っても、黒糖のつくりかたは、その頃と変わることはありません。

黒糖づくり 砂糖小屋の一日。―加計呂麻・西田製糖―
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黒糖づくりは、まだ夜が明けやらぬうちから始まる。
前夜、小屋の前にうずたかく積み上げられた
サトウキビを絞る作業だ。

西田寛次さんは言う。
「黒糖の味はキビの産地や収穫期によって変わるから、
そういう意味では二度と同じものはできないね。
加計呂麻のキビだけでつくったら、まろやかな味になるよ」。
ここ西田製糖工場は、奄美大島の南、加計呂麻島にある。
古仁屋港からフェリーで加計呂麻島に渡ると
奄美本島よりも、
さらにのどかな風が吹く。

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黒糖づくりには、3つの鍋を使う。
搾ったばかりのサトウキビの汁に
黒糖を固めるための石灰を混ぜ、1番鍋に入れる。
煮詰めてアク抜きし2番鍋へ。
ここでまた煮詰めて、最後は3番鍋でさらに煮詰める。
西田製糖の場合、その次は黒糖を攪拌機にかける。
ギューンガガガガガガーと勢いよく攪拌機のハネが回る音。
「前は木で三角棒をつくって、手で力ずくでかき混ぜた。
えらい、なんぎしよったぞ(笑)
けど若かったもんだから、競争してやりよった」。

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練り上げられた黒糖は、まだ熱いうちに
女の人たちが待つ、大きな作業台に運ばれる。
ここで、4人がかりで切り分ける。
冷めたら固く切りにくくなるから時間との勝負。
ガンガンガンガン、勢いよく叩き切る音が
部屋いっぱいに響く。

黒糖づくりは、一日中この繰り返し。
お昼ご飯を食べたら、すぐ作業を再開。
夕方まで仕事は続く。


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サトウキビの絞りかすバガスは
黒糖を焚く燃料にしたり、堆肥にしたりするため、
捨てずにとっておく。

黒糖づくりに使った道具を洗い、
長かった一日が終わる。



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「黒糖づくりは毎日じゃなくて
キビが集まれば焚くの。毎年12月から3月が
黒糖焚きの季節で、その他の時期は
収穫した後、畑に肥料をやって、
また新しいキビの苗を植えて育てるのよ」
お昼に、手料理を勧めながら
お話ししてくださった西田和子さん。
豚の軟骨と鰹と昆布でだしを取った煮物と
大根の浅漬けは、どちらも
黒糖とキビ酢の、まろやかな味がする。

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こちらは黒糖を使った、
ふくらしパンと南蛮漬け。
民宿の奥さんがつくってくださったもの。
そして黒糖焼酎も、
シマの日常に欠かせない。