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大阪府大阪市天王寺区 大阪・夕陽丘 由緒ある通りに抱かれ寺町のさび色をにじませる街

 大阪市内を南北に貫き、大阪の歴史の舞台で常に中心にあった上町台地。その名の示すとおり、この一帯の地形は緩やかな台地になっていて、上町筋、谷町筋、松屋町筋の三筋の大通りが南北に走っています。歴史に染め抜かれた由緒ある寺町の伽藍や白壁と近代的な建物が見事に調和する、坂の街を歩いてみました。

 三筋のうち、一番低地を走る松屋町筋と一番高台に位置する谷町筋に東西を挟まれ、南北を千日前通りと国道25号線に囲まれたエリアに「天王寺七坂」はあります。寺々の間を縫うようにして横たわる急勾配の狭い坂道は、いずれ劣らぬ深い味わいに満ちた絶好の散歩道。石段を歩く靴音が壁に響き、ひっそりとした風情がいっそう際立ちます。作歌・織田作之助の碑が立つ「口縄坂」から夕陽の美しい「愛染坂」に向かう途中、藤原定家と並び称された歌人・藤原家隆の墓碑がありました。家隆はこの地に夕陽丘の地名の由来ともなった「夕陽庵」を建て、かつてはすぐ近くまで迫っていた海に沈む美しい夕陽を見ながら『契りあれば 難波の里にやどり来て 浪の入日を拝みつるかな』と詠んだのです。夕陽丘の由来を確かめたところで、清水坂を上り谷町筋を渡って、四天王寺界隈に向かいました。台地とはいえ、この辺りの坂道は緩やかでみな広々としているので、とても開放感があります。可愛らしいレストランやケーキショップも点在しています。坂を東にのんびり下ると上町筋。そこに入口を接して「夕陽丘ストリート」があります。通りには老舗や新しい店が整然と軒を並べ、天王寺区役所、大阪警察病院、N T T西日本大阪病院、府立夕陽丘高校などの大きな建物がアクセントを与えています。この界隈は旧い住宅街で、ある老舗のご主人のお話では、かつては敷地が四百坪のお屋敷がズラリと並んでいたのだとか。清潔感があって、商店街の方々の街への愛情が感じられるストリートです。区役所の前を北に入るとすぐに市立五条小学校の正門があります。大正2年開校、昨年創立90周年を迎えた人気の小学校です。校庭から子どもたちの元気な声が響いていました。上町筋に戻り、聖徳太子所縁の日本最古の官寺・四天王寺に向かう途中、遊び心でお寺の壁と民家に挟まれたトンネルのような路地を抜けてみました。高い壁にそって百メートルほど真直ぐに続く小径は人影もない秘密の抜け道。歩いていると、千四百年前の異世界にワープしていくような不思議な感覚にとらわれました。

 五重塔の彼方に傾く夕陽を存分に楽しんでから、地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」へ。充実した一日を感謝しつつ、静かに暮れてゆく夕陽丘の街を後にしました。