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高齢者をとりまく環境の身近な問題。

外の世界にすぐ出ていける“住まいのカタチ”であってほしい。

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 豊かな老後を過ごすためには、まず、そのバリヤーとなるところを知っておかねばなりません。元気なときには何でもなかったことが、歳をとったときに問題になってくる例をお話ししましょう。僕がかつて往診していた家では、おばあちゃんが2階で生活していましたが、歳を重ねていくうちに一人で2階から降りて出歩くことができなくなってしまったんです。結果どんどん足腰が弱くなり、寝たきりに近い状態になってしまいました。
 僕たちは、そのおばあちゃんが餅草(※)取りの名人だったと聞いたので、背負って家から出して病院の横の餅草のたくさんある公園に連れて行ったんです。そうしたら、おばあちゃんは、そのときはもう歩けなかったから這いはいしながら、でも、とっても嬉しそうに誰よりもいっぱい餅草を取って満面の笑みを浮かべていました。それから少しずつ元気になってきたんです。自分の好きなこと、楽しいことをさせてあげると、お年寄りは元気になるんですね。だからいつでも、そういうことができる環境にしておくことが大切なんです。毎日、気軽に外へ出やすくなっている家の構造かどうかは、歳を取ったときには大事なことだと思いますね。

※ 餅草/餅に練り込む香りの良い草。信州ではヨモギのことをいう。

がんばり過ぎてしまう介護は危険。“いい加減”を知ることで前向きになろう。

 今まで介護には女性が携わることが多かったけれど、最近は男性が介護するケースも増えてきました。今、一説には30%の男性が女性を介護しているといわれているんです。ところが昔ながらのキッチンは、女性が働きやすいよう女性の身長や動きに合わせた設計です。男性が料理しようと思ったら、不自然にかがみ込まなくてはいけなくなったりしてカラダに負担を強いられます。だから、これからは家の構造が男性でも働きやすいかどうかということが求められてきますね。加えて、男性はいざというとき困らないように料理や洗濯などの家事に慣れていくことも大事ですよね。
 ただ男の人は、実は想像以上によくがんばっていい介護をしている方が多いんですよ。努力型で本を買ってきて勉強したりとか。だけど、あんまりがんばり過ぎちゃうと、うまくいかないときの落ち込みも激しい。ウツになったり、ひどいときは無理心中を考えたりとか。ヘルパーさんも奥さんの介護をヘルプするだけではなく、ご主人のグチを聞いてあげることも必要なんですね。何ごとも思い詰めないよう“いい加減”を心がけたいものです。

人が寄れる家かどうか?息子や娘や嫁が来やすいかどうか。

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 その家に、泊まれるところがあるかどうかは重要なこと。息子や娘たちが親を介護するための空間があれば、ひんぱんに立ち寄りやすいですからね。隣近所からも様子を見に来てくれれば、より安心です。それから家の中で、もうひとつ大事な場所はトイレとお風呂。足腰が弱ったとき、トイレやお風呂にカラダを支えるためつかまる取っ手を取り付けることができるかとか、車椅子で移動しなければならなくなったときに、道まで車椅子で出られる広さがあるかどうかなどですね。家を決めたり建てたりするとき、夫婦が元気なうちに10年後20年後を見越して、どちらかの介護が必要になったときに困らないような構造を充分に考えておくことが大事です。住み慣れた家を少し改装すれば良いようにしておけば、永く愛着のある家に住み続けることができますからね。