グランドメゾンTOP > グランドメゾンとは > gm > 立山の雫(しずく)の旅を追う

gm

人と水Vol.2 -立山の雫(しずく)の旅を追う-北アルプス・立山から黒部峡谷を下り、生地の町と海へ。天に近い立山では、花々が咲きほこる季節になっても、雪渓(せっけい)が消えない。太陽に暖められた雪は、少しずつ溶けて地中にしみこみ、岩の間から、ちょろちょろと流れ出している。

 北アルプス・立山連峰には、標高3000m級の頂が連なり、7月の終わりから8月にかけて、高山植物の花々で彩られます。それは下界とは別世界の美しさ。その立山の東には、豊かな水をたたえる黒部峡谷が深く刻まれています。そこには黒部川の急流がつくりだす絶景がいくつもあり、それらを見るには、宇奈月駅から列車に乗り黒部峡谷鉄道を終点・欅平(けやきだいら)まで走ります。欅平周辺には、奥鐘山や猿飛峡などと名付けられた見どころや、歩き疲れたカラダを休める温泉宿があります。その一軒の山小屋に立ち寄ると、そこには数十年前の登山の写真が飾られ、山好きな人たちにとって憧れや懐かしさを呼ぶ書籍が置かれていました。

写真

写真

いっぽう、地中深く浸透した清水は半径13キロ、角度60度の扇形をなす黒部の扇状地を下り、海へと向かう。

海辺の町、生地。

 富山湾の東に、生地という町があります。ここには勢いよく地中から湧いてくる清水(しょうず)が、一般家庭の中にあるものも含めれば600余りもあるといいます。町には、ふんだんに湧く清水を活かした『共同洗い場』が数カ所あって、毎朝、洗濯物を持った人々が集い、井戸端会議ならぬ清水端会議がくりひろげられています。洗濯の他には、野菜を洗ったり西瓜を冷やしたり。「昔は、家の地下に清水を引いて、その冷気で野菜や果物を保存したんです。まだ、やってる家もあるんじゃないかな」。セメントで水槽をつくって水を溜め、その上に部屋をつくって天然の冷蔵庫にしていたとのこと。清水の案内をしてくださった武隈さんは、大人になって他府県の水事情を知るまで、水はどこからでも湧いてくるものだと思っていたそうです。

水団子づくり

 生地に伝わる菓子『水団子』をつくってくださったのは、米屋さん、惣万さん、能登さん。水団子は昔から七夕やお盆のお供えとして家々でつくられていたのだとか。材料は、米粉と片栗粉を9対1の割合で。水は粉の量に対して8割が基本です。「粉をこねたら20分ほど蒸して、熱いうちに餅つき機でまたこねて、棒状に伸ばします。それを一口大に切って清水でさらし、砂糖を混ぜたきな粉をかけるんです。簡単でしょ(笑)」。水団子づくりが一時、途絶えかけたときに、伝承していこうと母親やおばあちゃんがつくっていたのを思い出し、見よう見まねでつくったのだそうです。