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環境も福祉も、マイナスをプラスに。その地域ならではの良さを生かす発想で。山々の連なりをいくつも越えた所にある上勝町。阿部絢子さんが、この山深い集落を訪ねたいと考えたのはここが日本で最も進んだ、34分別のごみ対策『ゼロ・ウェイスト』を実践していたからです。また、以前は過疎集落だったこの町。今では高齢者が最もいきいき暮らせる町として全国的に知られているのですが、そのわけは?

「ゼロ・ウェイスト」
Zero(ゼロ、零)Waste(無駄、浪費、ごみ)で、無駄遣いをなくし、リサイクル、リユースを進め、処理に困らない製品をつくることで有害なごみをなくしていこうという理念。現在アメリカやカナダ、オーストラリアなどの自治体が目標年を定めて取り組んでいて、日本では上勝町が2020年を目標としたゼロ・ウェイスト宣言を初めて行いました。
●上勝町役場/ゼロ・ウェイスト政策 http://www.kamikatsu.jp/zero-waste/frame.htm

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 上勝町を知ったのは『(株)いろどり』事業のことから。この町は交通の不便な過疎集落だったのに、都会の和食屋で使う料理の飾りとして美しい葉っぱを売るビジネスを成功させ、一躍有名になったのです。しかも、その仕事を町の48%を占める高齢者がしているというから驚きです。さらに調べていくと、ここではごみの34分別を行っていることもわかってきました。
 山ばかりの集落での、ごみの回収はかなり大変。ですからごみは自分で、ごみステーションの分別コーナーに持ち込みます。どうしても持ってこれないだろうと町で判断した世帯には2ヶ月に1回、個別に収集。持って来たごみは種類を書いた置き場所に自分で置きます。金属と木はプラスチックのバケツに。段ボールは資源ごみコーナーと一部焼却へ。粗大ごみ置き場もあります。金属は、スチール缶、アルミ缶などに分け、ビンは色別に分けてリサイクル。プラスチック容器はペットボトルとペットのふたなどに分けます。手間はかかるけれどリサイクル率は80%で、焼却する半分以下のコストで済むそうです。こうした試みは『ゼロ・ウェイストアカデミー』が町から委託されて行っています。まだまだ使える物をリサイクルやリユースするコーナーもあります。生ごみは、生ごみ処理機を行政が補助を出して各家庭に置いてもらい、家の近くで土に帰しているとのこと。これも収集コストをかけないための自己責任ですね。

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 もうひとつ、上勝町が有名になった(株)いろどり事業のこと。契約農家には農協から毎朝FAXで葉っぱの注文が来て、農家の方は発注された数の葉を15時までにパック詰めして納品するという流れです。この仕事を17〜18年前からやっている菖蒲(しょうぶ)さんは81歳。このお仕事はいかがですか?と聞いたら「楽しいよ。葉っぱはサイズを揃えて出さなければいけないから、慣れるまでは大変だったけど、重いみかんを山の斜面から運んでいた頃に比べれば、ずいぶん楽になったよ」と答えてくださいました。パソコン操作にも慣れ、自分の売り上げや地域のニュースを見て仕事の励みにしているそうです。
 上勝町では、環境の専門知識を持った若い人のIターンも進んでいます。いろどり事業も環境対策も、高齢者に積極的に参加してもらい福祉につなげている工夫は、私たちの暮らし方にも参考になることが多いのではないでしょうか。