
3月11日に発生した大地震は多くの尊い命と社会基盤を一瞬にして奪い去りました。被災者、関係者の皆様には心からお見舞い申し上げます。地震発生後、当社では迅速に対策本部を立ち上げ、オーナー様の安否確認、支援物資の輸送等を行い、現在は建物の復旧ならびに復興住宅の建築に活動の軸足を移しています。
今回の災害に遭遇し、「積水ハウスで建ててよかった」など多くのオーナー様の声をいただき、我々は改めて安全で良質な住宅を提供する責務を痛感いたしました。今回の震災では当社の制震システム「シーカス」が力を発揮しました。また環境配慮型住宅「グリーンファースト」を広めることが、エネルギー消費の観点からもますます重要になってきたと感じています。積水ハウスグループの総力を挙げて被災地、そして日本の復興のため尽力したいと思います。
当社は2010年1月、創立50周年を前に累積建築戸数200万戸を達成することができました。大きな節目を迎えた今こそ、再度原点に立ち戻り、積水ハウスグループの次の成長戦略の構築に向けて、「守るべきもの」と「革新すべきもの」を明確にし、さらなる成長につなげていきたいと考えています。
「守るべきもの」、それは「相手の幸せを願い、その喜びを我が喜びとする」企業理念の根本哲学「人間愛」です。いつまでも変わらぬお客様、取引先の皆様への感謝、そして「運命協同体」として共に取り組む従業員一人ひとりの互いへの感謝の気持ち。そのような私たちのDNAが震災後すぐにオーナー様のところに駆け付けるという行動となって表れました。
営業・設計・生産・施工・アフターサービス・リフォームまで、自社グループによる責任体制を構築していることは、他にまねのできない当社の強みです。アフターサービス部門に全従業員の約1割にあたる1400人もの専任スタッフをそろえ、今後もオーナー様のサポートをより充実していきます。
さらに、積水ハウスグループ連携の強化によるCSの徹底を図っていきます。積和建設、積和不動産など、積水ハウスグループ各社間での情報共有を推進します。全員がお客様の方を向いて仕事をする姿勢を一層強化し、今後のストックビジネスの発展につなげていきます。
「家に帰れば、積水ハウス。」と、いつまでもお住まいのご家族に思っていただけること。それがこれまでも、そしてこれからも変わらない私たちの思いであり、決意です。

中期経営計画の事業戦略の一つであり、快適性と経済性を両立させた環境配慮型住宅「グリーンファースト」の契約は順調に推移しています。2010年度の契約比率は新築戸建住宅70.6%、賃貸住宅「シャーメゾン」19.0%となりました。新築戸建住宅の太陽光発電システムは1万931棟、燃料電池は2974台、「シャーメゾン」の太陽光発電システムは890棟となり、これは住宅業界トップの数字です。戸建住宅全体のCO2削減率は49.4%(1990年比)でした。2011年度は目標を52%に設定し、取り組みを進めます。
「グリーンファースト」は、断熱性能、ユニバーサルデザインなどの基本性能を徹底的に高めた上で、太陽光発電システムや燃料電池を組み合わせて快適性、経済性を確保し、CO2排出量を大幅に削減できる環境配慮型住宅です。これだけ「グリーンファースト」の比率が高まったのは、どのように世の中に広めるかを戦略的に考え、CSR委員会 営業部会などでPDCAサイクルの検証を徹底したことに加え、お客様に支持いただいた結果と受け止めています。
特に燃料電池に関しては、まだその効果が広く一般に知られていない時期に実証実験から参加し、普及を促進してきました。「エコ・ファースト企業」として認定を受け、多くの環境課題に取り組んでいる当社の姿勢に、時代がようやく追いついてきたのだと考えています。
この夏は原発停止により日中ピーク時の電力供給が危ぶまれています。「グリーンファースト」では太陽光発電システムや燃料電池によって電力ピークカットと快適な暮らしの両立を目指します。今回の震災では、停電時に太陽光発電が役立ったとの声も多数いただきました。この「グリーンファースト」を2011年度は、全体の契約棟数を増やしながら全社平均で75%まで高めていく予定です。具体的には、新築戸建住宅の太陽光発電システム1万2000棟、燃料電池3500台が目標です。
「革新すべきもの」は、構造改革による現場力の強化と、エリアマーケティング戦略の徹底です。まず現場力の強化については、本社から営業現場に人員をシフトし、当社にとって最大の経営資源である「人」の育成に注力していきます。
また、地域の潜在需要を考慮しながらエリアマーケティングを進め、より効率的、機動的な体制の強化と、厳選した人的資源の集中などで、収益力の向上を図ります。さらに全社構造改革における生産ラインの最適化の一環として、50周年記念商品である「ビー・サイエ」の新製造ラインを稼働させました。これにより自動化率を高め、品質・生産効率の向上、コストダウンと完全邸名別生産を実現しました。
企業活動においてコンプライアンスは極めて重要です。社会ルールを軽視した利益追求に走るのではなく、企業理念に基づき、責任感、使命感、倫理観を持って、お客様をはじめ従業員、取引先を含めたすべてのステークホルダーと、公正な関係を築いていきます。
コンプライアンスのキーパーソンである総務部長の会議には、私もできる限り出席しています。また、事業所ごとに「ガバナンス意識調査」を実施するなどチェック体制を強化しています。従業員一人ひとりが縮み志向にならないよう、各現場のリーダーは風通しのいい職場風土をつくり、メンバーの意識を啓発するとともに、コンプライアンスの徹底と、そのレベルアップに努めていきます。
今後も、人を基軸にした誠実・健全な経営を、全グループに浸透させてまいります。
![]()
※2010年、当社は日本財団によるCSRレイティングにおいて「日本が誇るべきCSR先進企業」の第1位に2年連続でランキングされました。また、2011年2月には、コンプライアンスを重視し、誠実で透明性の高い企業を表彰する(株)インテグレックスの「日本内部統制大賞2011」(「誠実な企業」賞)優秀賞を受賞しました。