
2008年秋に始まった世界同時不況は、わが国に「輸出に依存した経済」の転換を促し、「内需拡大」の重要性を改めて浮かび上がらせました。そして、内需拡大の最大の推進力が「住宅」です。住宅建設による直接的経済効果は年間約19兆円、波及的なものを含めれば年間36兆円にものぼります。われわれ住宅産業が内需拡大に果たす役割は極めて大きいのです。
そもそも住宅とは「社会の中心」に位置するものです。住宅は、経済だけでなく、地球環境にも深く関わっています。家庭からのCO2排出量は、産業からのそれに比べれば少ないものの、京都議定書の基準年である1990 年から41.1%(2007年度速報値)も増加しており、この削減はわが国全体で取り組むべきテーマとなっています。また住宅は、子どもの健全な成長や世代間の交流に貢献します。さらに、住宅の集合体である「まち」は、コミュニティの安全、教育、文化などの土台になります。
まさに住宅は社会の中心にあり、これをより良いものにしていくことで、社会をより良い方向へと導いていくことができるのです。そして当社は、早くから、このような考え方に基づく事業に取り組んできましたが、今後これをさらに発展させていきます。
米国の新政権は「グリーン・ニューディール」政策を打ち出し、環境対策を通じて経済を活性化しよ うとしてい ます。日本政府も「2030年までに太陽光発電の導入量を現状の40倍に」という目標を掲げ、この達成に向けて2009年からは住宅用太陽光発電システムへの補助金制度を再開しました。
一方、当社では10年前の1999年から「環境」を経営課題として掲げ、「環境未来計画」を発表しました。さらに2005年には「サステナブル宣言」を発表。以来、「環境」「経済」「社会」「住まい手」という4つの視点からバランスのとれた企業価値向上を図りつつ、持続可能な社会の実現に向けた事業を展開してきました。
例えば「アクションプラン20」は、新築戸建住宅における居住時のCO2排出量を2010年に1990年比で6%削減する行動計画で、この中で戸建住宅における次世代省エネルギー仕様と高効率給湯器の標準化、太陽光発電システムの普及などを進めています。また、生産活動においても環境負荷の低減に努め、廃棄物の削減では生産工場、新築施工現場、アフターメンテナンス部門に次いで、2007年にはリフォーム施工現場での「ゼロエミッション(「埋立処分」と「熱回収を伴わない焼却」を行わないこと)」を達成しています。さらに、地域の自生種を中心とした庭づくり「5本の樹」計画など、地球環境と共生し生態系を保全するための取り組みを幅広い領域で進めています。

2008年7月、「環境」が主要なテーマであった北海道洞爺湖サミットでは、当社が建設に協力した「ゼロエミッションハウス」が展示され、高い評価を得ました。これは「太陽光発電や燃料電池をはじめとする最新技術によって、生産から解体までの製品ライフサイクル全体でのCO2排出量をゼロにする」という近未来型住宅です。当社は2050年にはすべての新築戸建住宅をこの「ゼロエミッションハウス」にしたいと考えています。
