サステナビリティレポート2009
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第三者意見報告書


第三者意見報告書

積水ハウスは、サステナビリティレポートの説明責任のレベルを高めるために、本年度も、ナチュラル・ステップ・ジャパンにアカウンタビリティ研究所のAA1000保証基準の視点を入れた第三者意見の策定を依頼しました。

第三者意見報告書

積水ハウス株式会社御中

2009年4月

国際NGOナチュラル・ステップ・ジャパン 代表 高見幸子

ナチュラル・ステップ・ジャパン(以下TNS)は、積水ハウスよりサステナビリティレポート2009の環境と社会面を、AA1000保証基準2008を使って保証する依頼を受けた。

我々は、積水ハウスと独立の立場で、積水ハウスのステークホルダーとは公平な立場でこの分析を行った。我々は、2004年から積水ハウスの第三者意見報告を継続実施している経験がある。我々は、下記記載の手続きの範囲で得た情報と関連した主張を基盤にして、その範囲で分析と評価を実施している。これは、積水ハウスの経営幹部と積水ハウスのステークホルダーの両方にあてた報告書である。

総括

この報告書には、2008年における積水ハウスの環境と社会面におけるマテリアリティ(重要な課題)、パフォーマンスとチャレンジとコミットメントの的確な要約が記載されている。 積水ハウスは、ステークホルダーが関心を持ち、懸念していることに対して妥当に応えていると判断する。世界経済の下降局面においても地球温暖化への対策は急務であり、我々が直面している最大の課題は、環境問題解決の努力を継続することである。景気悪化が背景にありながら、積水ハウスが環境問題の解決に一層努力をしていることは心強い限りである。

分析のために実施した手続

積水ハウスのマテリアリティ、およびこれへの対応の是非の分析は下記の手法と基準と原則を用いた。

分析のプロセス
  • 企業にとって重要なフロー、プロセス、製品とサービスの使用段階のインパクトを見る。また、企業が変革に対して柔軟性があるのか、能力をつけているのか、戦略、ビジョンと方針、目標と成果がつながっているかなどをTNSの持続可能性分析の手法※1で分析をした。
  • 我々は、国際的に認められたアカウンタビリティ研究所のAA1000基本原則※2 (包括性、重要性、対応性)の視点を取り入れ、報告書に記載された情報の検証を行った。
  • 次の質問の回答を得るために、積水ハウスの「サステナビリティレポート」2008年版とそのWEB版、2009年版のドラフト、「CO2オフ住宅」、「積水ハウスの太陽光発電システム」、「ゼロエミッションハウス」の冊子を分析した。またレポートの作成の全体像とプロセスの実態について関係部署へのヒアリングを実施した。  なお、これらの提供された情報と主張の責任は、積水ハウスにある。
  • 保証業務は、関連する書類とヒアリングの分析に限られている。提供された書類の確証的証拠の分析はしていない。AA1000AS基準による中程度の保証水準を適用している。

※1 TNSの持続可能性分析手法について http://www.tnsij.org
※2 AA1000に関する詳細は、次のホームページで公開 http://www.accountability.org.uk

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結果

  1. 包括性

    積水ハウスは、重要なステークホルダーにサステナビリティの責任についてコミットメントをしているか? サステナビリティの戦略的な対策について、 ステークホルダーの意見を取り入れているか?

    ステークホルダーと係わるために必要なコンピタンス(能力)とプロセスはあるか? 積水ハウスは、トップが「サステナブル宣言」をしてステークホルダーに責任を果たしていくというコミットメントを発表している。積水ハウスは、ステークホルダーの意見を取り入れるために数々のイニシアティブを取ってきている。例えば、サステナビリティの戦略的な対策に、ステークホルダーの意見を取り入れた良い事例としてNPOと協力した「5本の樹」計画や国際環境NGOのFoE Japanと協力した持続可能な「木材調達ガイドライン」の策定などがある。また、毎年、国際NGOナチュラル・ステップ・ジャパンに第三者意見を依頼している。その他、ステークホルダーの意見を聞く場として、CSR委員会に社外委員を迎え、CSR委員会のもとに顧客満足を向上させるためにCS向上部会を設置している。また、一般を対象に、総合住宅研究所で「すまい塾」を開催したり、「ゼロエミッションハウス」や「サステナブル デザイン ラボラトリー」の見学を受け入れている。従業員の社会貢献の活動も数多く行われている。このように多くのイニシアティブがあるが、全てのステークホルダーと係わり、戦略に活かすためには、プロセスをシステム化する必要がある。また、その能力を持った人材を育成し、コンピタンス(能力)を向上していくことも今後の課題である。

  2. 重要性

    報告書には、マテリアリティ(重要な課題)が理解され、バランスのとれた視点でそれらが掲載されているか? マテリアリティを決定するプロセスがあるか?そのプロセスは的確か?

    本報告書には、バランスがとれた視点で、積水ハウスのマテリアリティとこれらに関する情報が掲載されている。的確にマテリアリティが何かを決めるプロセスで必要なコンピタンス(能力)は、環境推進部とCSR室とCSR委員会が提供している。積水ハウスのマテリアリティ決定のマネジメントとプロセスの強みは、「4つの価値と13の指針」と目標と実績、マネジメントシステムを設けていることである。弱点は、年間目標値をベースとした10年、20年先の目標値が設定されていないことである。長期目標は、チャレンジとジレンマに立ち向かう上で、その対策が公正で的確であるかを分析するために必要である。積水ハウスは、環境大臣に対して、「エコ・ファーストの約束」を行い、地球温暖化対策と生態系ネットワークの復活、資源循環の3つを優先的テーマとして取り組んでいる。

  3. 対応性

    積水ハウスは、ステークホルダーが懸念していることに妥当に応えているか? 最も懸念していることに関して、この報告書の中でコミュニケーションを図っているか?適時な対応か?

    積水ハウスは、ステークホルダーの懸念に妥当に応え、最も懸念していることについてコミュニケーションを図っている。地球温暖化問題は、積水ハウスのステークホルダーにとって最大の関心事である。「CO2オフ住宅」というコンセプトで住宅の省エネと太陽光発電システム、燃料電池の普及に努めて対応している。これは、日本がG8サミット主催国であったことへのタイムリーな提案である。また、2010年に日本が生物多様性条約第10回締約国会議を主催するため、企業の生物の多様性保全対策への関心が高まっている。その状況で、生態系保全を目的に取り組んできた「5本の樹」計画と「木材調達ガイドライン」のイニシアティブは、タイムリーな対応で、他企業の模範先導事例となっている。

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パフォーマンスはどうか?

下記の分野で成果が上がっている。

環境側面
  • 環境省から「エコ・ファースト企業」として認定され、3つの約束をした
  • 北海道洞爺湖サミットにおいて、「ゼロエミッションハウス」の建設に協力
  • 太陽光発電システム出荷容量において、2007年度実績を倍増
  • 住宅部材の工場生産で4.7%の省エネを達成
  • 暮らし方における省エネ生活普及教育活動としてセミナーを43回開催
  • ゼロエミッション活動をICタグの導入などによって、さらに高度化している
  • 木材調達レベル向上に寄与する床板基材の仕様変更
社会的側面
  • 両立支援制度の充実と浸透により男性育児休業取得者が増加
  • コミュニティ形成まで含めたまちづくりを実践している
  • 子育て支援する集合住宅建築などで「キッズデザイン賞」を受賞
  • 制震構造「SHEQAS」シーカスの普及促進
  • エバーループ参観日を68会場で開催、新しい試みを推進
  • マサチューセッツ工科大学との共同研究プロジェクト

今後の課題

積水ハウスの報告書は、包括性、重要性、対応性の原則を満たすべく情報が網羅されている。「エコ・ファースト企業」としての3つの約束の中にマテリアリティとそのチャレンジもしっかり意思疎通できている。我々は、現在の最悪の経済危機の中でこそ地球温暖化防止に対する企業の真価が問われることを認識して環境への取り組みを本業のビジネスとイノベーションの原動力としていこうとする積水ハウスのチャレンジに大いに期待している。

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