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第三者意見報告書 〜国際NGOナチュラル・ステップ・インターナショナル/AA1000〜
第三者意見報告書持続可能性分析の結果

 
積水ハウスは、2007年度、サステナビリティレポートの説明責任のレベルを高めるために、国際NGOナチュラル・ステップ(以下、TNS)に国際NGOアカウンタビリティ研究所のAA1000保証基準の視点を入れた第三者意見の策定を前年度に引き続き依頼しました。英国をベースにして活動しているアカウンタビリティ研究所は、報告書の信頼性を高めるために、組織の情報開示、サステナビリティ報告ならびに環境パフォーマンスの全領域を対象にした保証基準を提供しています。TNSに依頼した理由は、TNSの標榜する持続可能性の定義が、積水ハウスのビジョンとして掲げる環境と社会面の重要な課題の取り組みを行う時の定義と一致するために、その分析が自社の持続可能性改善のプロセスに役立つと考えたからです。

 

  積水ハウス株式会社御中 2008年4月

 
ナチュラル・ステップ・ジャパン(以下TNS)は、積水ハウスと独立の立場で、積水ハウスのステークホルダーとは公平な立場でこの分析を行った。我々は、下記記載の手続きの範囲で得た情報と関連した主張を基盤にして、その限られた範囲で分析と評価を実施している。
これは、積水ハウスの経営幹部と積水ハウスのステークホルダーの両方にあてた報告書である。

 

総括

 
この報告書には、2007年における積水ハウスの環境と社会面におけるマテリアリティ(重要な課題)、パフォーマンスとチャレンジとコミットメントの的確な要約が記載されている。
積水ハウスは、ステークホルダーが関心を持ち懸念していることに対して妥当に応答していると判断する。ただし、地球温暖化対策に関しては、一企業ができる自主的な行動の成果に限界があるため、そのためにもこれまでの枠組み以上に政策を転換させていく取り組みが不可欠である。

 
分析のために実施した手続

積水ハウスのマテリアリティ、及びこれへの対応の是非の分析は下記の手法によった

分析のプロセス

企業にとって重要なフロー・プロセス、製品とサービスの使用段階のインパクトを見る。また、企業が変革に対して柔軟性があるのか、能力をつけているのか、戦略、ビジョンと方針、目標と成果がつながっているかなどをTNSの持続可能性分析の手法※1で分析をした。
我々は、アカウンタビリティ研究所のAA1000基本原則※2 (重要性、完全性、対応性)の視点を取り入れ、報告書に記載された情報の検証を行った。
次の質問の回答を得るために、積水ハウスのサステナビリティレポート2007年と2008年版のドラフト、木材調達と化学物質のガイドラインの絵本、「いえコロジー」の冊子を分析した。また、社長対談に同席、TNSの質問票の回答を得るとともに環境推進部長、CSR室長、他関係者へのヒアリングを実施した。
 
※1 TNSの持続可能性分析手法について
http://www.tnsij.org
※2 AA1000に関する詳細は、次のホームページで公開
http://www.accountability.org.uk/

 

結果

 

1.報告書には、マテリアリティ(重要な課題)が理解され、バランスのとれた視点でそれらが掲載されているか?
マテリアリティが何かを決めるプロセスがあるか?そのプロセスは的確か?

本報告書には、バランスがとれた視点で、積水ハウスのマテリアリティとマテリアリティに関する情報が掲載されている。トップコミットメントにおいて、それらが分かりやすく要約されている。マテリアリティが何かを決めるプロセスとして4つの価値と13の指針と年間目標と実績をマネジメントするシステムがある。CSR方針とCSR推進体制もあり、CSR委員会に社外委員も参加している。社外委員として、サステナビリティの専門家と女性も参加できるとより的確なプロセスになると考える。

2.報告書には、マテリアリティが完全に理解されて、全て掲載されているか?何か残された課題はないか?
マテリアリティはよく理解され、環境と社会面の両方においてほぼ全て掲載されている。環境面において、工場生産・新築施工・リフォームについての独自の仕組みを活かしたゼロエミッションの達成は評価できるが、解体廃棄物の発生量の多さを考えるとその対応についての見通しが残された課題であろう。また、宅地化における生物の多様性の議論もステークホルダーと深めることも課題と考える。社会面においては、仕入れの上流のサプライチェーンにおいてのCSRの議論が今後、深められることが課題である。

3.この報告書の中で、積水ハウスは、ステークホルダーが心配していること、関心があることに対して妥当に応答し、意思疎通しているか?
積水ハウスは、ステークホルダーの懸念、関心に妥当に応答し、意思疎通をしている。
例えば、永く住み継がれる住まいづくりのコンセプトの再生住宅「エバーループ」、リフォームにおいてもゼロエミッションを達成、低VOC仕様の「ケミレスタウン®プロジェクト」、親子対象のエネルギーセミナーの開催、省エネ啓発の冊子を発行するなど新しい環境配慮製品やサービスで妥当に応答している。「CO2オフ住宅」も画期的な環境配慮製品であるが、「アクションプラン20」で全社的に取り組んでいる太陽光発電システム採用率の伸びの鈍さに鑑みれば、自然エネルギー利用の意義等についてもさらなる啓発やステークホルダーとの対話が期待される。


 

パフォーマンスはどうか?

 
下記の分野で成果が上がっている。
環境側面
●住宅における有機溶剤系接着剤使用量50%強を削減達成
●「木材調達ガイドライン」の導入とサプライチェーンマネジメントの強化
● 生産・施工・メンテナンスに加えて、リフォームでのゼロエミッション達成
●社内資格(グリーンエキスパート)や、エコリーダーズ研修
●新事業「エバーループ」と新製品「CO2オフ住宅」

社会的側面
●「人材サステナビリティ」宣言で社員の意識改革
●積極的な女性営業の採用で営業全体の6%。業績面でも成果が表れてきた
●ワーク・ライフ・バランスの支援として、短時間勤務制度の拡充、育児休業の初め4日有給、
 有給休暇取得の促進など
●「新・里山」での教育プログラムとマッチングプログラムが発展

 

今後の課題

 

1.重要性  2.完全性
積水ハウスの4つの価値・13の指針からバックキャスティングをして、マテリアリティのキーパフォーマンスにおける2020年の中期達成目標値を設定することを提案する。そして、その中期目標と、年間目標とをつなぎマネジメントをすれば、重要性と完全性の理解が深まり、ステークホルダーとの意思疎通もより明解になると考える。

3.対応性
今、一番のチャレンジである地球温暖化対策において、今後省エネと再生可能なエネルギーへの転換を誘導する政策立案がますます必要となる。政策形成過程に向けてもリーディングカンパニーである積水ハウスの一層のリーダーシップに期待したい。


第三者意見報告書持続可能性分析の結果