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住まいの長寿命化の取り組み、暮らしのCO2削減。住宅会社だからできる責任を果たします
  循環型社会への転換が求められる今、住宅業界に課せられた使命は重大です。これからの暮らし、社会はどうあるべきか―その答えは、すべて住まいづくりに凝縮されているといっても過言ではありません。国が本腰を入れて取り組もうとしている超・長寿命の住宅政策「200年住宅ビジョン」の普及は、まさにこれまで当社が実践してきたサステナブルなさまざまな取り組みと一致しています。私たちは、広くこのテーマの実現に向けて、良質な住まいは、良質な社会をつくる」という信念に基づき、さらに持続可能性を追求してまいります。
  代表取締役会長兼CEO 和田 勇

  いち早く、取り組んできた住まいの長寿命化
 
 2007年発足した新政権は、「200年住宅」(長期優良住宅)の普及に取り組む方針を掲げました。2006年施行された「住生活基本法」では、住まいの長寿命化を大きなテーマとし、“良質な住宅ストックを増やす”ことを推進し始めています。「200年住宅」は、豊かな暮らしの実現のため、世代を超えて住み継がれる超・長寿命住宅を象徴的に表現したもので、住まいは一個人が単に消費するものではなく、重要な社会資本として考えるべきだという認識を、国が示したことになります。住まいの品質がより厳しく問われる時代になったということです。
 当社は、いち早く住まいの長寿命化に取り組んできましたが、実績を一つひとつ振り返ってみれば、“本来くるべきものが、やっと来た”という気持ちです。一般的に日本の住まいの寿命は30年足らずとされ、諸外国に比べ著しく短いと言われています。しかし、当社の住宅は高品質で高耐久のスケルトン(構造躯体)を持っており、家族構成やライフスタイルの変化に、インフィル(内装・設備)が柔軟に対応できれば、快適に住み継ぐことができます。住まい方や時代の変化に合わせ快適な暮らしが実現できる――それが、当社の住まいの基本性能です。

  中古住宅に新たな価値を与え、循環させる
 
 中古住宅の活性化を促す積水ハウスの再生住宅「エバーループ」は、積水ハウスグループの総力を結集した、当社ならではの中古住宅再生流通事業です。もともと高品質・長寿命の積水ハウスの住宅を最新の仕様にリフォームし、さらに付加価値を与え、再分譲するものです。売却されるオーナー様にとっては、愛着のあるわが家に、また新たな活躍の場が与えられる喜び、そして新たにご購入されるオーナー様にとっては、安心して新築とほぼ同等の高品質住宅をよりお手頃な価格で得る喜びが生まれます。お互いの幸せな気持ちも、私たちは事業を通じて循環させていくことができます。
 住まいの長寿命化とは、結局、“良質な住まいをつくり、住み継いでいく”ということです。累積建築戸数約190万戸のうち、戸建住宅は約80万戸。国土交通大臣認定を受けた制震システム「シーカス」(SHEQAS)のような新技術の導入などを今後も行いつつ、既築住宅についても建築した当社の責任において、アフターサービスやリフォームなどを通じ、永く快適に住み継いでいただけるように取り組んでいきます。

  地球温暖化防止活動をさらに進めて「CO2オフ住宅」へ 
 
 2008年は地球温暖化防止を主なテーマとして、北海道洞爺湖サミットが開催されます。これまで以上に環境問題がクローズアップされています。住宅メーカーの責任は重大です。家庭など民生部門のエネルギー消費の拡大が産業分野と比べても著しく、これに歯止めをかけることが緊急の課題となっているからです。
 当社は、「京都議定書」遵守行動の「アクションプラン20」を推進しており、断熱性の高い次世代省エネルギー基準をクリアする新築住宅に、太陽光発電システム、高効率給湯器の設置を進めています。また、当社既築住宅についても、室内の熱が逃げやすい開口部を単板ガラスから高断熱複層ガラスに交換するご提案などを行う「アクションプランR20」と名づけたプログラムで、温暖化防止と快適性向上の両立を進めています。
 2008年春には「アクションプラン20」を一歩進めて、住宅の断熱性能等を向上させることで、CO2排出量を削減し、さらに燃料電池と太陽光発電システムでの発電による削減分で、暮らしのCO2排出量をプラスマイナスほぼゼロにする「CO2オフ住宅」を発表しました。地球温暖化防止や環境問題については、率先垂範し、さまざまな提案を行っていきます。

  まち、コミュニティ、生態系 ―― すべては「つながり」
 
 持続可能な暮らしをデザインするためには、住まいづくりやまちづくりについても一層加速したアプローチが必要と考え、“5本の樹でつながる豊かな暮らし「n×豊か(エヌバイユタカ)」”と名づけた新しいプロジェクトを始めています。住宅が個々に快適性を追求するだけではなく、個々の敷地を越えて周辺環境と相互に「つながる」ことで、相乗的に快適性や環境性能を向上させることができるという考え方です。
 敷地のつながりで庭の緑は心地よい風の道を生み出し、緑のつながりが生み出す豊かな景観は、住まい手にとっても快適性の共有を創り出していくのです。
 また、まちづくりで重要になるのがコミュニティの醸成です。植樹活動や社会貢献活動、趣味などを通じた交流は、「経年美化」のためのルールづくりや、何か問題が生じた時に住民の皆さんが一つにつながり、自治組織として自主的に解決していく力になります。当社はそれをどのような形で支援していけるのか――多様なサポートの方法も含め、私たちのまちづくりに終わりはありません。
 戸建住宅やまちづくりにおいても、緑化は「経年美化」の重要な要素です。当社は自生種・在来種中心の植栽によって、お客様の庭先から生態系を再生する「5本の樹」計画を進めています。年2回開催する「まちなみ参観日」の分譲物件をはじめ、お客様と一緒に人と住まいと自然のつながりを深め、再生する活動と位置づけています。

  「潜在能力」「可能性」追求企業をめざす
 
 当社がめざす「サステナブル社会」を実現するためには、一人ひとりの可能性や潜在能力を最大限に引き出すチャレンジ精神の発揮が求められます。そのために、「目標を達成できない理由は必要ない。達成する方法を考えて実行しよう」と、私は日頃から従業員、関係者に言い続けてきました。課題を常に自分の問題として受け止め、同じ目標に対し、やり抜く、協力し合うといった風土の形成が、目標の早期達成を可能にするからです。
 例えば、関係者が一丸となって取り組み、住宅業界初となった4部門(工場・新築施工現場・アフターメンテナンス・リフォーム施工現場)でのゼロエミッションのそれぞれの達成までの道のりが、まさにそうでした。支店と工場、積和建設、協力工事店などが心を一つにして取り組んだ成果です。環境への配慮という面では、独自に設けた「木材調達ガイドライン」に基づく調達木材のレベルアップ、トレーサビリティの確立についても、力を結集させています。
 従業員のモチベーションが向上し、夢や目標を持って働くことのできる職場をめざし、「人材サステナビリティ宣言」に基づいた取り組みも進めています。キャリアアップを支援する研修の充実、活躍の場所を広げる職群転換制度などの活用や、女性が働きやすい環境づくりに注力しています。特に女性営業職の活躍のための施策には力を入れており、年間100名を超える採用を行い、女性が職場でのマイノリティにならないように、比率を高め、気後れせず存分に力を発揮できる環境づくりを行っていきます。

  「誰かがやってくれる」ではCSRは進まない
 
 3名の社外委員を含む当社のCSR委員会も4年目を迎え、さらに深い議論がなされるようになってきました。委員である役員が3ヵ月ごと年4回集まり、取り組みの内容や進捗について、その都度、社外委員からご意見をうかがいながら、CSR・コンプライアンスの取り組みを進めています。しかし、意識調査などでもまだ部署ごとの取り組み意識、レベルに差が見られます。CSR・コンプライアンスは、やったりやらなかったりは許されません。2007年、※建設業法による行政処分を受けたことについての深い反省に立ち、コンプライアンス徹底の基本に立ち返り、業務改革、体質改善に全社一丸となり取り組みなおしています。全ての部署と従業員が同じ目線で、会社の取り組みの意味をきちんと全員が理解し、行動できるかどうかが2008年の大きなテーマと考えています。
 住宅業界のリーディングカンパニーとして、当社がサステナブル社会の実現に向け、一歩も二歩も踏み出していきます。ステークホルダーの皆様との意見交換の場や情報共有の機会も、今後さらに増やしていきます。そして、従業員や関係者一人ひとりが力を合わせ、着実に循環型社会を築いていきます。

 本報告書は、当社の2007年度の取り組みについてまとめたものです。サステナブル社会の実現に向けた当社の姿勢をご理解をいただくとともに、ご意見をいただけましたら幸いです。

 

※当社は、2007年8月27日付で国土交通省近畿地方整備局より、建設業法に基づき、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県内で、2007年9月11日から9月25日までの15日間の営業停止処分を受けました。名古屋特建事業部における賃貸マンションの請負工事現場における、法定の配置技術者の不備によるものでした。当社はただちに全社的な総点検を行い業務の適正化を進めました。また、今般の処分を厳粛に受け止め、今後遺漏のないよう業務ルールとチェック体制の見直しを図っています。引き続き全社を挙げた再発防止と信頼回復に努め、コンプライアンスの徹底を図ってまいります。


 

 
サステナブル社会実現にチャレンジし続ける人材づくり まずは企業理念の実践と徹底から 代表取締役社長兼COO 阿部 俊則

 
 当社のCSR・環境の取り組みはここ数年様々な面で進んできました。私はこれまで営業部門のCSR推進部会長として活動を担ってまいりましたが、まだまだ事業所間の取り組みには差が見られ、全体としての更なるレベルアップが課題となっています。今の時代、9割方できていても、残りができていないと会社全体の良い前向きな取り組みがゼロと評価されてしまいます。今まで以上に社会の目が厳しくなってきているということを肝に銘じなければなりません。
 ですから私は特にコンプライアンスや適正な業務の遂行、CSR・環境についての全従業員への意識の浸透、日常業務レベルでの落とし込みを最大のテーマとして取り組みたいと考えています。そのためにはまずは幹部、現場のリーダーの意識が大切です。
 今、時代を先取りすること、健全な成長を続けることは本当に難しくなっています。しかしだからこそ、積水ハウスグループの良きDNAとチャレンジ精神で、全員参加で臨めば必ず突破口は開けるはずです。これまでも、暮らしのCO2オフの取り組み、独自のまちづくりの取り組み、ゼロエミッションの推進、「5本の樹」計画の推進など、誰も手がけたことのない先進の仕掛けに次々とチャレンジし、成果を収めてきました。
 これからもお客様第一主義の原点に立ち、地域に密着し“顔の見える”経営を進め、「人間愛」を根本哲学とする「企業理念」を実践していきたいと存じます。当社の「行動規範」にある「私たち一人ひとりが積水ハウスです。」「創意を活かし、時代に挑戦しよう。」という言葉を、私は繰り返し発信しています。そういう気持ちでつながる会社組織づくりをめざして、率先垂範で行動していきます。
 住宅は環境や社会に影響の大きい産業です。住宅は一生に一度の買い物であり、お客様の人生の舞台であり、子育ての場所であり、そして何世代にもわたって住み継がれ、まちと地域の景観の一部となる社会の財産でもあります。日本で最も多くの住宅を建築する会社として、住まいをサステナブルに変えていくことで、社会や地球環境も良い方向に変えることができると確信しています。その仕事に携わる従業員一人ひとり、協力工事店組織である積水ハウス会の方々一人ひとりが高い誇りと自覚を持てるよう尽力してまいります。
 皆様のご理解とご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

「積水ハウスは以下のことをお約束します」

地球温暖化防止のため「アクションプラン20」「アクションプランR20」を
引き続き推進。燃料電池などの採用を拡大し、「CO2オフ住宅」の普及に努めます。
「まちづくり憲章」に基づき、住み継がれる経年美化のまちづくりを全国で展開。
「5本の樹」計画に基づく生態系保全、豊かなコミュニティづくりに注力します。
災害に強い住まいやユニバーサルデザイン、健康、環境などに
配慮した住まいを提供することにより、良質なストックを形成します。
積水ハウスの再生住宅「エバーループ」を軌道に乗せ、
円滑な中古住宅の取引市場形成に貢献します。
「業界初の4部門ゼロエミッション」の達成に続き、資源循環の観点から、
廃棄物の発生量自体の削減と再資源化を進めます。
法規制を上回る自主基準「木材調達ガイドライン」、「化学物質ガイドライン」に
基づいた適正調達を推進し、サプライヤー(納入業者)と協働して
フェアウッド調達などの取り組みを広げます。
グループ会社や協力工事店とも志を共有し、施工品質管理や若手育成で連携し、
共存共栄をめざします。
女性の活躍支援をはじめ、多様な人材と次世代の育成を積極的にサポートします。
全ての業務においてコンプライアンスの徹底を図り、
従業員の意識向上と適正な業務推進体制整備を進めます。