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スペシャルインタビュー 超高齢社会の介護事業 —高まるニーズと広がる市場

これから数十年にわたり、高齢者人口が増え続けるとされる日本。その中で、介護事業にはどのような市場性と将来性があるのでしょうか。業界を牽引する株式会社ニチイ学館のお二人にお話をうかがいました。

株式会社ニチイ学館 ヘルスケア事業統括本部 営業開発本部 本部長 河内 圭介さん 営業部次長  渡會 崇さん

一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会 会長 橋本 俊明さん

カギとなる「2025年」に向けて、多くの受け皿が必要。

高齢化が進む中で、介護事業はどのように伸びていくのでしょうか。
河内:介護事業分野では、「2015年問題」「2025年問題」ということがよくいわれます。これは、団塊の世代の方たちがそれぞれ65歳以上と、75歳以上になる時期を指していて、高齢者人口の増加にどう対処するか、ということが課題になっているわけです。要介護認定者の中で、前期高齢者(65~74歳)の占める割合は10%を超える程度であり、80%以上は後期高齢者(75歳以上)です。つまり、75歳以上になると何らかの介護が必要となるリスクが高まるということです。ですから、介護問題がより深刻化するであろう2025年に向けて、急ピッチで介護サービス拠点を整備することが求められているのです。
渡會:それまでの間にも、高齢者人口はどんどん増え続けていきます。たとえば、特別養護老人ホームだけを考えても、全国でおよそ40万床の定員に対して、現在すでに、それとほぼ同程度の待機者がいらっしゃいます。今後、まだまだ拡充が必要な分野だということがわかっていただけると思います。
特に、都市部では高齢者の数・割合ともに高まることが予測されています。
渡會:現時点では、首都圏、大阪府、愛知県などの大都市圏は、高齢化率で全国平均を下回っています。つまり、大都市圏の高齢化は、「これから」なのです。また、こういった地域では前期高齢者の比率が高く、介護サービスを必要とする人が急増するのはそう先のことではありません。
ただ、大都市圏では、アパート・マンション経営でも十分事業性がありますから、ニーズの高まりに対して、十分な整備ができているとはいえません。たとえば東京都は、グループホームなどの整備率が全国のレベルにくらべてかなり低い。今後の課題のひとつだと思っています。
これから伸びていく市場性に加えて、社会的な意義も大きい事業です。
河内:土地オーナー様の中には、地域社会に貢献したい、というお気持ちから介護事業を始められる方も大勢いらっしゃいます。実際に、施設の開所式で喜びを感じておられる様子を何度も拝見しました。オーナー様ご自身が、地域でお困りの方を探し、紹介してくださることもある。そういうオーナー様たちの想いを受け止めながら、しっかりと高齢化社会の受け皿づくりを進めていかなければいけないと考えています。

土地オーナーにも大きなメリット「サブリース」という事業スキーム。

そうしたサービスの拡充に有効なのが、「サブリース」という事業スキームです。その特性やメリットをどのようにお考えですか。
渡會:オーナー様に、ご自分の土地に建物を建てていただき、それを弊社のような運営事業者が長期にわたってお借りする、というのが「サブリース」です。
我々運営事業者にとっては、初期投資の額を減らすという大きなメリットがあります。弊社では、有料老人ホームやグループホーム、小規模多機能ホームなど654施設ほどを運営しており、今後も年間1割程度を増やす計画です。そのすべてを自社で所有するとなると、かなりの初期費用が必要になる。オーナー様にご協力いただき、サブリースという形にすることで、健全に、安定して経営を続けていくことができると考えています。
オーナー様にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか。
河内:土地と建物をまるごと、25年、30年といった長期契約でお借りしますので、空室リスクがありません。長期間、一定の収入を安定して見込めるというのは、オーナー様にとってもメリットだと思います。
渡會:同じサブリースでも、商業施設やテナントビルなどでは、「駅に近い」とか「国道に面している」といった立地が求められます。しかし、介護施設に必要なのは、利用者の方が安心して暮らせる環境。ですから、これまで有効活用が難しかった土地を活かせるメリットもあると思います。

これから求められるのは、確かな質のサービス。

ニチイ学館は、全国に1,300カ所の拠点を運営し、13万人の方が利用されるという業界最大手。安定した事業運営は、オーナー様にとっても大きな安心材料です。
河内:全国で事業を展開しているという実績がプラスに働くことは考えられます。介護事業には自治体の認可が必要ですが、施設系のサービスの場合、実際に高齢者の方が住まわれるので、資本力や実績などを加味して確かな運営ができる事業者を選定しますから。
ただ、弊社の場合、金太郎飴のように全国で同じサービスを提供しているというわけではありません。情報力や経営ノウハウの面で事業規模の大きさも活かしながら、ひとつひとつの施設では、地域に根差し、利用者の方に応じたサービスを大切にして運営しています。
たしかに、質の高いサービスであることは、利用者にとっても、安定した事業運営にとっても重要です。
渡會:そのために力を入れているのが、スタッフの育成です。いま現場で働く人は全国で140万人ですが、2025年には230万人から240万人が必要になると考えられています。高齢者の増加にあわせて、介護職員も増えていかなければ、よりよいサービス提供はできません。教育事業は弊社の柱のひとつでもありますから、スタッフ人口の充実にも貢献できればと考えています。
河内:それと同時に、一人ひとりのスタッフの質も高めていく必要があります。弊社では、今年の10月から「サービス管理部」という部署を新設して、スタッフの研修やお客様のご要望への対応を一括して行っています。市場やお客様のニーズの変化に、より迅速に対応できるよう、取り組みを始めているところです。弊社が持つ様々な事業を連携させることで、より幅広い、質の高いサービスを提供できると考えています。
ありがとうございました。
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