所平成25年度税制改正のポイント
─税制改正大綱より─
概算経費 ─ 総収入7,000万円超を除外

平成25年度税制改正大綱を1月29日、閣議で決定となりました。日本経済の再生を最優先課題とし、デフレ脱却と景気回復を目指して企業や家計向けの減税措置を盛り込む一方で、富裕層に対しては相続税や所得税の税率構造の見直しを打ち出します。
消費税増税における低所得者対策の軽減税率については、税率10%への引き上げ時に制度導入を目指すとし、詳細は平成25年12月の来年度税制改正決定時までに結論を得るとします。今号では税制改正大綱より、主な内容を紹介します。

「医療関係」

1.控除対象外消費税について検討事項に明記

医療における消費税問題については、大綱の検討事項において「消費税率が10%に引き上げられることが予定される中、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ適切な措置を講ずることができるよう、医療保険制度における手当のあり方の検討等と併せて、医療関係者、保険者等の意見も踏まえて、総合的に検討し、結論を得る」ことが明記されました。

2.所得計算の特例 ─7,000万円超の除外

現行、社会保険診療報酬の金額が5,000万円以下の場合、社会保険診療報酬の事業所得の計算において認められた、概算経費率によって算出する特例計算は、「適用対象者からその年の医業及び歯科医業に係る収入金額が7,000万円を超える者を除外する」とし、社会保険診療報酬が5,000万円以下の場合であっても適用除外とすることとなりました。〈法人税についても同様〉
個人は平成26年分以後の所得税、法人は平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

3.事業税の非課税措置等の存続

事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率について、「税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する」と、検討事項に取り上げられています。

4.高額な医療用機器等の特別償却制度の延長

取得価格500万円以上の高額な医療用機器または医療安全のための医療用機器を取得した場合の特別償却制度について、対象機器等の見直しを行った上、その適用期限を2年延長します。〈所得税についても同様〉

5.研究開発税制(総額型)の拡充

医薬品・医療機器企業等の試験研究を活性化するため、試験研究費総額に係る税額控除制度について、2年間の時限措置として、控除税額の上限を当期の法人税額の30%に引き上げます。

「所得税・法人税関係」

1.所得税の最高税率の見直し

現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得4,000万円超について45%の税率を設けます。平成27年分以後の所得税について適用します。

2.交際費課税の見直し

法人の支出する交際費等の損金不算入制度に関して、中小法人に係る損金算入の特例について、現行600万円の定額控除限度額を800万円に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)を廃止します。

3.サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長

サービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置と、その取得に係る不動産取得税については、それぞれ2年延長します。
また、割増償却制度は、適用期限を3年延長するとともに、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたものの割増償却率を14%(耐用年数が35年以上であるものについては、20%)に引き下げます。〈所得税についても同様〉

4.雇用促進税制の拡充

中小企業者等の雇用者の数が増加した場合に係る法人住民税の特例措置について、課税標準となる法人税額の特別控除制度(雇用促進税制)に係る税額控除限度額を増加雇用者数1人当たり40万円(現行20万円)に引き上げるほか、適用要件の判定の基礎となる雇用者の範囲について、年度途中に「高年齢継続被保険者」になった者を雇用者として算定します。〈所得税についても同様〉

「相続税・贈与税関係」

1.相続税の基礎控除及び税率構造の見直し

※上記(1)(2)は、平成27年1月1日以後に相続または遺贈により取得する財産に係る相続税について適用します。

2.贈与税の税率構造の見直し

※上記(1)(2)は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用します。

3.相続時精算課税制度の適用要件の見直し

(1) 受贈者の範囲に、20歳以上である孫(現行、推定相続人のみ)を追加します。
(2) 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げます。
※上記は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

4.教育資金の一括贈与に係る非課税措置

受贈者(30歳未満の者に限る)の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関(信託会社、銀行等)に信託等をした場合、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭は、500万円を限度)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととします。

■教育資金とは、文部科学大臣が定める次の金銭をいいます。

(1) 学校等に支払われる入学金その他の金銭
(2) 学校等以外の者に支払われる金銭のうち一定のもの

受贈者は、本特例の適用を受ける旨等を記載した教育資金非課税申告書(仮称)を金融機関を経由し、納税地の所轄税務署長に提出するとともに、教育資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出します。
本特例の適用を受けて信託等された金銭等の合計金額(非課税拠出額)から教育資金支出額を控除した残額は、受贈者が30歳に達した日に贈与があったものとして贈与税を課税します。
(2013年6月現在)

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