まりちゃん家

  • 住宅型有料老人ホーム
  • デイサービス
  • 居宅介護支援
  • カフェ

脳梗塞で半身麻痺となったお父様のために自宅で「お茶っこ会」を開き、近所のお年寄りたちが集まる場を提供し始めたオーナー様。そこから徐々にボランティアの輪が広がっていき、NPO法人を経て有限会社へと組織形態を変え、活動の場も柔軟に変えながら利用者のニーズに応えてきました。その22年にわたる活動の集大成となる施設が、リニューアルオープン。オーナー様が大切にされている「あなたの笑顔はわたしの元気」の言葉を胸に、利用者はもちろんご近所の方や介護関係者が気軽に集い、交流し、笑顔になれる場ができあがりました。

気軽に来られる家にしたいから、場所づくり、人づくりを大切に。

土地の傾斜を活かした高低差のあるアプローチと豊かな植栽が印象的な外観。エントランスに続く小径にはベンチも置いてあり、ちょっとした散策気分も味わえるようになっています。「介護施設をつくりたいんじゃない。みんなが集まれる場所になれる家をつくりたいんだ」というオーナー様の想いを形にして、ふらりと入りたくなるような雰囲気にしました。そこで出迎えるのが、利用者を家族のように思い、温かい気持ちで接するスタッフの皆さん。そうした場所づくり、人づくりへのこだわりは、「まりちゃん家」という親しみやすい名称にも表れています。

プライバシーを守りながらも人の気配を感じられる居住空間。

居室は、独立した1人部屋のほかに、隣室との間仕切りを引き戸にした相部屋にもなるタイプが6組あります。互いの同意があれば鍵を開けて自由に行き来できるので、ご夫婦や友だち同士で入居されている方に好評です。
「人間って、集うことを求めているんじゃないかしら」とおっしゃるオーナー様。自分の部屋にこもって過ごすのではなく、いろんな人との関係を通して自分の居場所を見つけて欲しいという想いから、プライバシーを守りながらも人の気配を感じられるような工夫を各所に施しています。

お茶っこしながら地域の交流を促進するカフェと、
ゆるやかなゾーニングで多彩な使い方ができるデイサービスを併設

1階の通りに面したスペースに、利用者や近隣住民が気軽にコーヒーなどを楽しめるカフェをオープン。自宅での「お茶っこ会」から介護の道へ進んだオーナー様の原点回帰に加え、もう一つ、カフェにこだわった理由がありました。それが、「地域の介護事業者・ケアマネージャーがお茶を飲みながら情報交換したり相談したりできる場をつくりたい」ということ。地域の介護事業者の連携強化や次世代の育成にも貢献する場となることを目指しています。
また、2階のデイサービスエリアは、大きな空間をデイルーム・ソファーコーナー・事務スペースの3つにゆるやかにゾーニング。どこにいても全体が見渡せるので、安心です。
洗面台とトイレ、浴室、洗濯室といった水まわりの設備はまとめてあるので、動線もスムーズ。利用者もスタッフも使いやすいプランを実現しました。

夜になり灯りがともると、昼とは違ったドラマチックな表情に。やわらかい光に包まれた姿は、近隣の方々からも愛されています。

エントランスでは、「あなたの笑顔はわたしの元気。」という言葉が書かれたのれんと、「ありがとう」と刻まれたお地蔵様が、訪れる人を温かく出迎えます。

広い玄関に飾られている写真は、上棟式で撮影したもの。「みんなで一緒に移転したい」と、以前からの利用者と一緒に上棟式・投げ餅を行いました。

見守りのために、居室入口の脇には明かりとりの障子を設置。中の気配を感じられるけれど、はっきりは見えないので、利用者も気にせず過ごせます。

天井まである背の高いドアが、開放感と広がりのある居住空間を創出。

相部屋にもなるタイプの引き戸を開ければ、1つの大きな部屋として使用することもできます。

吹き抜けのある明るい交流スペース。この吹き抜けを通じて1階と2階の様子が互いに感じられ、ホーム全体の一体感も生まれます。

折上げ天井をしつらえた開放感のあるデイルーム。テーブルやイスは軽い力で移動できる介護用のものを採用し、その日の活動に応じてレイアウトを自由に変更できるようにしました。

かつてこの土地に建っていた日本家屋の飾り障子と欄間を移設。利用者世代の方々が暮らしてきた「家」らしい雰囲気を演出しています。

移転前の施設の頃から飾っていたステンドグラスも設置することで、利用者が新しい建物に戸惑うことなく、なじみやすい空間になりました。

デイサービスエリアの一角にあるソファーコーナーの窓は天井から足元まであるので、外の風景がよく見えます。行き交う車や空の雲など、変化のある景色が目を楽しませてくれます。

口腔ケアに力を入れており、洗面台は4台設置。水栓レバーは高齢者も扱いやすい大きなものを採用し、手が届きやすいように手前に配置しました。

一階の通りに面した空間には、居心地の良いカフェをオープン。北と東の2面採光で明るくナチュラルな空間に、落ち着きのあるダークトーンの家具が映えます。

カフェのアクセント壁には、詩画家ひろさんこと佐々木浩氏の心温まる絵が飾られています。

施設情報

開所年月 2016年11月
タイプ 住宅型有料老人ホーム、デイサービス、居宅介護支援、
カフェ
定員 20戸(デイサービス利用定員 25人)
用途地域 第一種中高層住居専用地域
建物型式 セレブリオNB
敷地面積 1391.96㎡
1F床面積 489.54㎡
2F床面積 404.68㎡
延床面積 894.22㎡

その他の建築実例